実践!仮想化ソフトウェア 2009

第3回 Citrix XenServerを使ってみよう

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

仮想マシンの作成

XenServerが動き始めたら,仮想マシンを作成して動かしてみましょう。

1.ゲストOSのインストールメディアを準備

仮想マシンにインストールするゲストOSのためのインストールメディアを準備します。XenServerでは,以下の選択肢があります。

  • ① ネットワークインストールを利用する
  • ② 仮想ホストの物理ドライブを利用する
  • ③ CIFS(Windowsファイル共有)のISOイメージを利用する
  • ④ NFSのISOイメージを利用する

ローカルストレージにISOイメージを置いておくことができないので,小規模で運用する場合には仮想ホストの物理ドライブを利用するのが楽でしょう。すでにファイルサーバが置いてあるのであれば,CIFSやNFSを利用するのが楽でしょう。

CIFSやNFSを利用する場合には,仮想マシン作成の前にストレージの追加(New Storage)でISO libraryとして接続しておく必要があります。

図2 ISO libraryの設定画面。ISOイメージを格納したファイル共有に接続する。

図2 ISO libraryの設定画面。ISOイメージを格納したファイル共有に接続する。

※)
ネットワークインストールは,Linuxのみ行うことができます。

2.仮想マシンを作成

ウィザード形式で仮想マシンの作成を行います。画面の指示に従って,各種設定を行います。

  • OSの種類

    Linuxが豊富にサポートされているので,ほぼ必要なものは選択できると思います。Linux Packをインストールした場合,Debian Etch 4.0を選択すると,OSインストール済みテンプレートからの展開でOSインストールを省略して仮想マシンを作成できます。

    また,その他のLinuxディストリビューションもXen対応カーネルが初めから入った状態でインストールが行えますので,インストール後のカーネル入れ替えなどが必要ありません。

  • 図3 OSの種類の選択画面

    図3 OSの種類の選択画面

  • 仮想プロセッサ数

    Xenでは物理プロセッサ数よりも仮想プロセッサ数を大きくすることができますが,パフォーマンスは大幅に低下します。画面にも警告が現れるので,あまり大きな数を設定しないようにしましょう。

  • 仮想ネットワークインターフェース

    物理サーバに搭載されている認識されたネットワークインターフェースに応じて,仮想マシンにも仮想ネットワークインターフェースが割り当てられます。自動的に複数個割り当てられるので,必要に応じて削除してください。

3.仮想コンソールの利用

ウィザードを実行すると,デフォルトでは自動的に仮想マシンが起動し,インストールが始まります。仮想コンソールを表示して,インストーラを操作してください。

仮想コンソールは,仮想マシンを選択し,右側のペインでConsoleタブを選択します。表示は小さくスケールすることもできるので,画面が狭い場合でも安心です。この機能はとても便利ですね。

図4 仮想コンソール画面。WindowsならばGUIインストールだが,LinuxはCUIインストール。

図4 仮想コンソール画面。WindowsならばGUIインストールだが,LinuxはCUIインストール。

4.XenServer Toolsのインストール

ゲストOSがWindowsの場合,XenServer Toolsをインストールします。インストールするには,ゲストOSに管理者権限でログオンした後,VMメニューの「Install XenServer Tools」を選択すると,仮想DVDドライブにISOイメージがセットされます。オートランが実行されますので,インストーラを起動してインストール後,ゲストOSを再起動してください。

ゲストOSがLinuxの場合,最初からXen対応のカーネルがインストールされるので,ドライバのインストールは不要です。

図5 XenServer Toolsのインストールを行ったところ。

図5 XenServer Toolsのインストールを行ったところ。

光学式ドライブの使いこなし

サーバの物理光学式ドライブを使っていると,たまに仮想マシンで解除したにもかかわらず,ボタンを押してもイジェクトされない場合があります。そのような場合には,管理コンソールでejectコマンドを実行します。

実行は,XenServerのマシンを選択し,Consoleタブをクリックします。すでに管理者権限で接続しているので,[Enter]キーを押すだけでドメイン0のシェルが起動します。ここではLinuxコマンドや管理用のコマンドが実行できます。メディアの取り出しは,ejectコマンドを実行してください。

図6ドメイン0のコンソール画面。ここでシステム全体に対してのコマンド管理なども行える。

図6 ドメイン0のコンソール画面。ここでシステム全体に対してのコマンド管理なども行える。

まとめ

以前のバージョンに比べると,使いやすさの面でかなりこなれてきたように思います。特にLinuxを主に使う環境では,VMware ESXiなどよりも制約が少なく,使いやすいように思います。

インストール用のISOイメージをCIFSかNFSにしないといけないあたりが,気軽に使うには面倒なポイントでしょうか。一応,ドメイン0からローカルのISOライブラリも作れるようですが,マニュアルを見ながら行う必要があるのがちょっと面倒です。このあたりが改善されると,リモートからの管理もかなり楽になるでしょう。

今回は紹介しきれませんでしたが,XenServerは無償版でもライブマイグレーション(XenMigration)がサポートされているので,複数台のXenServerとiSCSIストレージを用意することで,ライブマイグレーション環境を構築できます。ぜひチャレンジしてみてください。

著者プロフィール

宮原徹(みやはらとおる)

「仮想化技術に特化した専門家集団」日本仮想化技術株式会社 代表取締役社長兼CEO。どんなに難しい案件でもこなせる,頼れる会社を目指して,日々研鑽中。仮想化技術の普及のために全国を飛び回る毎日です。