GitLab 16.0リリース ―GitLab.com利用でのパフォーマンスやAIコード提案機能を強化

2023年5月22日、GitLabの新バージョンGitLab 16.0がリリースされた。

GitLab 16.0にはコミュニティからの304件のコントリビュートを受け、Value Streamsダッシュボードの正式提供、AIベースのコード提案機能の強化など、55以上の新機能や機能改善が盛り込まれている。主なアップデートは以下の通り。

Value Streamsダッシュボード(Ultimate版のみ)
Value Streams分析は、アイデアから製品化までにかかる時間や特定のプロジェクトの速度、開発プロセスのボトルネック、ソフトウェア開発ライフサイクルを遅らせる要因などを特定するもの。これを視覚化して提供するのがValue Streamsダッシュボード。意思決定者がDX改善の傾向、パターン、機会を特定できるようにカスタマイズ可能となっている。
SaaS版パフォーマンス、ハードウェア機能の強化
SaaS版(GitLab.comの利用)ではLinuxベースのプラットフォームのパフォーマンスが大幅に強化されたほか、有償版ではGPUハードウェアやApple M1ベースのmacOSに対応したプラットフォーム(こちらはベータ版)が提供されている。M1ベースプラットフォームではこれまでのx86ベースの3倍のパフォーマンスが出るとのこと。
コメントテンプレート機能
コメントのテンプレートを保存し、コメント記入時にいつでも呼び出して挿入できる機能が追加された。同じようなコメントを何度も書く必要がなくなる。
UIによるフォーク管理が容易に
フォークの管理がさらに簡単になる。フォークが遅れている場合はGitLab UI上で「Update fork」ボタンを選択してアップストリームの更新に会わせることができ、逆にフォークが進んでいる場合は「Create merge request」を選択して変更を上流プロジェクトにコントリビュートできる。どちらの操作も、以前はコマンドラインを使用する必要があったもの。
Web IDEの強化
ベータ版として提供してきたWeb IDEの機能をGitLabデフォルトのマルチファイルコードエディタとして採用。安定性とパフォーマンスを強化し、リモート開発のワークスペースや、強化されたAIベースのコード提案機能が利用可能となる。
リモート開発ワークスペース(有償版のみ:ベータ版提供)
GitLab Agent for Kubernetesによりコンテナベースでオンデマンドのリモート開発ワークスペースを簡単に作成できる。開発環境を.devfile.yamlファイルで定義しパブリックプロジェクトに保存すれば、他の開発者はその.devfile.yamlファイルに基づいてワークスペースを作成し、埋め込みWeb IDEでプロジェクトを直接編集できる。ターミナルからコンテナに完全にアクセスできるため、より効率的に作業できるようになる。
コード提案機能の改良(ベータ版)
コード提案機能がベータ版である間、GitLab.comですべてのユーザーが無料で利用できるようになった。言語サポートを当初の6言語から拡張し、C/C++、C#、Go、Java、JavaScript、Python、PHP、Ruby、Rust、Scala、Kotlin、TypeScriptの13言語で利用可能。GitLabではコード提案の品質を向上させるために、基礎AIモデルを毎週改善しているとのこと。このため、毎週同じ提案が得られるわけではない点に注意が必要。
コード提案機能のデモ画面(GitLab 16.0のリリース情報ページより)
コード提案機能のデモ画面

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