一の橋から参道を歩いて空海さんのご廟である奥の院へと向かいました。途中には名だたる武将のお墓があります。途中、お勤めを終えて帰ってこられたお坊さん達とすれ違いました。
この橋の向こうが奥の院です。ここからは撮影禁止になっています。1200年の間には、何人の方がここを訪れたのでしょうか。また、ここまで辿り着けなかった方達もたくさんいたでしょう・・・。そんなたくさんの想いがこのスペースに集中しています。限りなく重いです、深いです。そんな想い達へと不用意に手を伸ばそうものなら、「情念の渦」に巻き込まれます。あまりにも多様で絡まりあった想い。ただただ感謝と尊敬の念だけを持つようにしました。
この一年、たくさんの場所へと取材で訪れましたが、そんな中でも高野山はとても不思議な場所です。悲痛な叫びにも似た想いがこれほど濃く存在する場所は、他にはありません。空海という1人の人間の想いからはじまった小さな流れが、1200年の時を経て無数の想いが流れ込む大河へと変貌したこと、その証明が、きっとこの空気感なんだろうなあ。