カール・マルクスさん マルクスさんの画期的さ それまでの思想家や哲学家と違って、マルクスさんが画期的な点。それは“行動”を重視したということです。ただ椅子に座って、「本当の私ってなんだろう?」とか「なんで人を殺しちゃ駄目なのさ?」とかいう哲学的な問題を頭で考えてるだけ。それがマルクスさん以前にいた大部分の思想家でした。 でも、ただ考えているだけでは、社会は何にも変わらないですよね。それじゃあちょっとまずいだろうと思い、日常生活を実際にどう生きたらいいかってことをトコトン考え、更にそれを自身で体現しようと頑張ったのが、マルクスさんです。 しかし、マルクスさんはこの人間観に「おかしくない?」と異議を唱えます。普遍的な人間性なんてものはない。もしあったとしても、そんなのは「何にもしなくたって僕は僕なんだからいいでしょ?」という言い訳にしか使えない、と言うのです。 普遍的な人間性なんてない 彼がそう考えた理由に大きく関係しているのが“階級”です。ブルジョア(資本家階級、お金持ち)とプロレタリア(労働者階級、庶民)っていう“階級”の違いは、モノの見方とか考え方、生活、人間観、人生すべてを、それはもう根こそぎ変えてしまう。ってことは、人間にとって普遍的な何かなんてあるわけないじゃあねえかというのが彼の考え方なんですね(ちなみに、人間の歴史は異なった“階級”同士の争いによって作られたとも、マルクスさんは言ってます)。