インターネットの商用化
インターネットが商用化され、急速に普及し始めたのは、1995年です。インターネットサービスプロバイダ(ISP)が次々と登場し、接続サービスをスタートさせました。同年11月には、(TCP/IPが標準搭載された)マイクロソフト社のWindows 95が発売され、インターネットブームを起こすきっかけになりました。「ネットサーフィン」という言葉が使われるようになったのも、この年です。インターネットは、世界中のネットワークが相互に接続された巨大なネットワークのこと。前身は、冷戦時代に米国が開発した軍事ネットワーク「ARPANET」(アーパネットもしくはアルパネット)と言われています。後に、学術系のネットワークに活用され、商用化を経て現在に至ります。インターネットには、電子メールやWWW、FTP、Gopher、TELNETなどのアプリケーションがあり、誰でも利用できるようになっていましたが、結果的に電子メールとWWWが爆発的に普及しました。WWWというのはWorld Wide Web、つまり「Web(ウェブ)」のことです。WWWのシステムは、1989年にCERN(Conseil Europeen pour la Recherche Nucleaire:欧州合同素粒子原子核研究機構)の研究者だったティム・バーナーズ=リー(Tim Berners-Lee)によって提案されました。
Webデザインの仕事
インターネットが商用化されてから数年は、マルチメディア業界で活躍していたクリエーターやグラフィックデザイナー、エディトリアルデザイナーなど、さまざまな業種の人たちがWebに関わる仕事をしていました。Webデザインを専門としている会社は、まだ少なく、印刷物の作成をベースにしたページデザインが主流だったのです。この時代はまだCSSが普及していなかったので、HTMLで文字の大きさを指定したり、改行で余白をつくるなど、ワープロソフトで文書を作成する感覚で作業が進められていました。現在は、ご存知のとおり、たんにWebページを作成するだけではなく、情報を構造化したり、ユーザビリティやアクセシビリティを意識した設計、インタラクティブな仕組みの実装などもWebデザインの仕事になっています。