月刊インタラ塾,gihyo.jp瓦版

第7回レポート「中村洋基と木谷友亮のWeb業界一受けたくない授業」

この記事を読むのに必要な時間:およそ 6 分

どんなものを作ってきたか― バナー編

最初の作品は,1-click Awardのオマケクリップとして「カイブツ+中村洋基」で作ったもの。見たことがある人も多いかもしれない。食べかけのイチゴのショートケーキが復元されていくというクリップ。

おまけで,イチゴが最後には別のモノに…。

木谷さんのすごいPhotoShop技を見せたくて作ったものだという。でも,あっという間にイチゴのショートが元に戻ってしまったため,じゃあ何か別のものを,と。⁠すごいことをしているのに,完全に向いている方向が違うコンテンツ。」⁠中村さん)

中村さんといえばバナー広告だが,バナー広告はウザイ,見る人のそういう気持ちをなんとか払拭できないかと思ってやっているという。

公共広告機構(AC)の一連のバナー広告では,公共広告機構のまじめなイメージをぶちこわしたい。ポジティブなアプローチでACを語れないかと作ってみたという。

「エイズ検査を受けよう」キャンペーンは,CMでも同じ「元カレ,元カノ」メッセージが流れている。そのストレートなメッセージを自分の言語で表現するために,マウスカーソルの擬人化を使ったという。

「Wrap it」(クレハ)

クレラップの保存性の高さを表現するのに,クレラップをかけたところだけサイトが保存されるようにすればおもしろいんじゃないかと思ったところから。じゃあ,保持されていないところをどう表現しようかと,⁠なくなるってどうでしょう? 昔あったライコスも今ないじゃないですか」って提案して,Not Found表示に(その担当者さんは以前ライコスにいたらしいです⁠⁠。こだわりは,WindowsサーバのNot Found表示を使ったところ。

画像

HondaのINTERNAVIのバナー広告では,カーナビのハードとしての性能を表現しているが,それも中村さん独自の表現だ。ハードの場合,新機能を声高に宣伝することが多い。どうしても,他の競合の製品と比べてどうすごくて,だからこっちがいいんだというストーリーだ。だが,バナー広告の場合「それは,響きにくい」と中村さんはいう。カーナビが欲しいと思う瞬間は人生の中でほんの一瞬でしかない,それなら「なんだこれは!?」⁠おもしろい」と,その先に進んでもらうきっかけになればいいと。

手書きのラフを渡す際,素材,パーツ類も渡すことになるが,ブランドの数も多く,クライアントから一度にもらえるものでもない。煩雑なので,ブランドごとにメインにする写真,使用可能なアイテム,ロゴなどまとめてExcelのシートで表にし,ある程度まとまったところでデザイナーに渡す。

Zoom in/out

広域から詳細まで,バナーのスライダーバーを動かすと画面表示も連動する。カーナビのいいところは,引いてみたり寄ってみたり,上から見たりできること。それをブラウザの画面につけてみたらどうだろうという発想。リンク先はいきてるというところがこだわり。

Viewpoint

ポータルサイトの「一望できる」⁠どこでもクリックできる」という特性はカーナビの上から視点に近いんじゃないか,それで,自分の目線で見たらどうなのかと。この目の回る感覚はなんともいえないです。

この2つはカーナビの特性を表現したものだが,そうはいっても,機能を伝えたいときもあるわけで,中村さん自身もこの機能すごいなと思って,バナーで表現しているのがINTERNAVIの地図情報の自動アップデート機能。

The Ten Commandments

  • 「MIRACLE」ボタンを押すと,新しい道が現れる!
  • すると,連動して地図画面にも新しい道が…。

バナー広告は通常のWebサイトに比べて遥かに見る人の数が多い。お金を払って,人が見る媒体というものに置かれているから。しかし,見る人の大半にとってバナー広告は「ウザイ」ものだったりする。結果,バナーのクリック率は0.1%いけばいいという状態だ。

そこから,中村さんはブレイクスルーしたいという。⁠こういうのがバナーなんだと思ってもらって,見る人にとってウザイものではなくなれば,もっとみんなバナーを好きになるし,作るほうももっとがんばんなきゃって思う。それにあわせてサイトのレギュレーションも緩くなるだろうし。自由度が上がっていく。そういう,いい相乗効果が生まれるんじゃないかって思ってます。」

著者プロフィール

月刊インタラ塾(げっかんいんたらじゅく)

昨今、マス広告のあり方が大きく変化し,Web広告はより一層重要なポジションを担って来ております。そんな中,「宣伝・広報」「広告代理業」「広告制作業」に携わる方々へ向けてユーザーに響くWeb広告を生み出すための考え方や技術など,役に立つ情報をイベントを通じてお伝えできるのではないかと思い,開催致しました。また,このイベントをきっかけに,次代を担う人がでてきてくれればと願い,微力ながらもWeb業界全体に貢献ができればと考えております。

URLhttp://www.intarajyuku.net/