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第7回レポート「中村洋基と木谷友亮のWeb業界一受けたくない授業」

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どんなものを作ってきたか― サイト編

じゃあ,日の当たるところでは何をしているのかというと,と次に中村さんが関わったサイトについて。

どこでもラストガイ

PS3の『The Last Guy』のプロモーション(ゲームの体験版?⁠⁠。ラストガイになってゾンビから人々を救うというこのゲーム,⁠どこでもラストガイ」ではURLを入力すれば,指定したサイトがラストガイのステージになる。しくみは,URLを引数にその画像のキャプチャを返してきて,あとはそれをFlashで処理。

それぞれのサイトにはいろいろな形や色がある,その膨大なリソースを他のエンタメに使えないかと思っていて,作ったという。

ブログパーツもあり,ブログパーツをブログに貼ればブログがすぐにラストガイのステージに。⁠ブログを書いている人は,そのブログを読んでくれる読者に対して得になるもの,楽しんでもらえるネタを探している人だと思う。そこで,ブログパーツを通してネタを提供したかった。」

ちょうどこの話があったのは,⁠なんで,広告ってみんなに振り向いてもらえないんだろう」と中村さんがうんざりしていた時期。クライアントからのプロモーションの対象がゲーム,いわゆる⁠おもしろいエンタメ⁠だったので,ただそれをおもしろく遊べるだけでいいんじゃないかと,できるだけ簡単なサービスで,誰でもそのゲームの体験版が楽しめるようにしたという。

UNIQLO TRY

ユニクロのブラトップ(ブラカップ付トップス)という製品のプロモーション。ブラトップという製品自体にまだ抵抗感がある。だけど,つけてもらえばラクさやフィット感をわかってもらえる。じゃあ,その実感を手に入れるには…と考えて,2つの方法を思いついたという。1つは統計。100人のうち90人が言っていますという説得力のある統計データ。もう1つは,ブラウンモーニングリポート式に,実際につけてもらって,その実感をビデオで語ってもらう。これを同時にやることはできないかと。

具体的なしくみは,1つのクエスチョンにつき5人くらい,全部で350人くらいの人にアンケートを採って,再度,アンケートで答えたことをビデオで自分の言葉で答えてもらう。見せ方は,アンケートの結果を統計で見せるマップを作って,その中にビデオをバラして入れ込んで合成している。

たとえば,自分の身長が150センチ,年代が20歳,サイズはMだとする。その属性で絞り込んで,アンケートの結果を知ることができる。ポイントは,⁠化粧にかける時間は?」とか「服を買うときに一番気にするところは?」とか,ブラトップとは直接関係のない,が,人によって違うだろうなという質問に混ぜているところ。属性だけでなく,そういう気になる部分で近いと思えれば,⁠この人がいいって言うなら,私にもいいかも?」と共感を抱かせることができる。

ちょうど吹石一恵さんのCMがYahooのトップですごくウケていたこともあって,そこからこのサイトに流れてきてオンラインショップにいって買ってくれた人が多かったそう。

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UNIQLO TRY #2 HEATTECH

UNIQLO TRY第2弾。こちらは「ヒートテック」という発汗した汗を吸収して熱を出すという製品。このときは,グローバルに展開したいというユニクロさん側の希望があった。じゃあ,世界中の人にヒートテックを配ることができないかというところから話を始めたという。すぐにユニクロさん側が世界中の人に「ヒートテックをプレゼント」というしくみを整備。それに対して中村さんたちが「世界中のビフォア・アフターが見えたらおもしろいんじゃないか」とこの企画を提案。

ユニクロがある国であろうとない国であろうと,ヒートテックが欲しい人は「なぜ,どういうふうに欲しいのか」をビデオに撮って送ってください。送ってくれたら,ヒートテックを送ります。で,よかったら,着てみて感想を送ってくださいと。投稿された映像や画像はサイトの地図上に配置され,クリックすると映像を見ることができる。

やってみて,動画や画像を投稿してもらうというのは,インセンティブがあったとしても,まだ難しい。だまだ敷居は高いなと感じたという。それでも,やはり日本より海外のほうが投稿率は高いようだ。

INTERNAVI REALIZATION

 ⁠広告は結局,芸だと思う」と中村さんはいう。見ていて,おおっとか,これってすごいとか思うもの,気持ちがいいもの,そういうものを提示するのがいいのかなと。そう語る中村さんの最新のコンテンツ,INTERNAVI(Honda)のサイトから。

INTERNAVIには搭載車の位置情報をGPSサーバに送る機能がある。その情報を集めて可視化したらどうなるか?

真っ暗な画面上に点(搭載車の位置情報)が次々と現れ,道になる。しまいには地図が現れる。

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DRAIVE LAPSE

ルートを選んでOKを押すと,カーナビの画面と連動して,リアルな映像が再生される。映像は,一眼レフのデジカメで連写した静止画をつないだもの。

「なんとなく,きれいだなと見てもらえればいい。これを最初のきっかけに,そのあとでこのコンテンツってなんなんだろうと考えてもらえばいい」と中村さん。

と,ここまでで残り10分となったところで,木谷さんの事例紹介にバトンタッチ。

著者プロフィール

月刊インタラ塾(げっかんいんたらじゅく)

昨今、マス広告のあり方が大きく変化し,Web広告はより一層重要なポジションを担って来ております。そんな中,「宣伝・広報」「広告代理業」「広告制作業」に携わる方々へ向けてユーザーに響くWeb広告を生み出すための考え方や技術など,役に立つ情報をイベントを通じてお伝えできるのではないかと思い,開催致しました。また,このイベントをきっかけに,次代を担う人がでてきてくれればと願い,微力ながらもWeb業界全体に貢献ができればと考えております。

URLhttp://www.intarajyuku.net/