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第7回レポート「中村洋基と木谷友亮のWeb業界一受けたくない授業」

この記事を読むのに必要な時間:およそ 6 分

みんなで考えよう

あと7分ですが,ここで本題に。そんな中村さん,木谷さんが思う疑問をみんなで考えてみよう!

「Web広告って,結局みんな見てなくね?」

中村さん曰く,これは改心の出来だと思ってアクセス統計を見ても,ある程度より訪問者が増えないという。はじめはバーンといっても,投資効率の規模にだいたい比例している。そこをアイデアでブレイクするのは,かなり難しい。いつも,こうして話をするたびにオーディエンスから新鮮な驚きを得るが,実はそれはそれまで誰も知らないからではないか。たとえば,彼女が自分が作ったことを知らずに,ねぇねぇこれすごいの!って言われたことがこれまであったか?と問う中村さん。

確かに微妙かも…。

ちなみに,中村さんの場合,実家のお父さんが中村さんが関わっているとは知らずに「ユニクロトライ」を見ており,こりゃすごいなと言っていたそうです。

たとえば,友だちのブログやmixiの日記は読む。何かを購入しようとするとき情報収集で各サイトを見るということはあるだろう。でもそれは,いいたいことがある,見せたいことがあるというサイト(ここで取り上げているような)とは違う。付加的な,スペシャルサイト的なものは本当に必要なのかと,ずっと狭い中で戦っているんじゃないか,常から疑問なのだという。

いよいよ,話が展開していく。

「なぜ,見ないのか?」

中村さん:つまらないから

たとえば,テレビのCMならドラマやバラエティとか,エンタメ属性を持つコンテンツ(番組)の中にある。中心になるコンテンツがあるから間のCMも見てもらえる。CMの中でもおもしろいものがあると,見てもらえれば判断もできる。ところが,WebのスペシャルサイトはテレビでいえばCMの部分。それは,つまらないのではないか?

木谷さん:めんどくさい

一方木谷さんは,情報系のものは見るけど,自分たちが作っているようなスペシャルサイトは見ないという。いったらマウスを動かさなきゃいけなかったり…。そういう面倒なことはしないなと。⁠テレビは寝ながら見たい。だから,Webもそんなに操作ばかり求められるとツライ。」

「では,どんなものを作ればいいのか?」

木谷さん:
  1. 深く知る
  2. 他も知る

深く知る―Webならいろんな人に見てもらえると考えるのはもうやめて,見る人が少ないのはわかった,それでもWebをとことんやる,という方向性。

Webはもっとこれから,対個人になっていくと思うと木谷さん。これは,中途半端にたくさんの人に見てもらうというより,とことん深く,少なくとも1人にでも感動してもらえたらいい。100万人を捨てて1人を思うという路線

他も知る―提案するときに,Web以外のことでもいいアイデアが思いついたらどんどん提案する。ただ,いきなりじゃなく,ところどころ,Web以外のことでも提案できそうな部分で少しずつ出していく。自分の土俵を踏み越えないで,そこから拡散していって徐々に,というスタンス。

ちなみに,木谷さんは後者のタイプだという。

中村さん:
  1. スペックサイトばかり作る
  2. 世界に目を向ける
  3. Web以外のものを作る
  4. 「番組」を作る

スペックサイトばかり作る―スペックサイトが見られているなら,それを作ればいい。その中でスペックサイトを見るのに邪魔しないような何かをプラスする(ただ,これは自分がやることではないなと中村さん⁠⁠。

世界に目を向ける「ラストガイ」⁠UNIQLO TRY」は海外からのアクセスが多いという。日本のパイが世界のパイに変わったときの爆発力はすごい。英語に翻訳しなくとも意味がわかる,非言語的(ノンバーバル)な表現,ストーリーを展開することで世界中から人がくれば,ブレイクスルーできる。

とはいえ,そのノンバーバルな表現こそが難しいといえる。ちょっとでも,これはないなということを入れてしまうと,そこで離れていってしまう。中村さんのお勧めは,中村勇吾さんの作品を一度そういう視点で見ること。勇吾さんの作品はこのポイントを外していないという。

Web以外のものを作る―携帯など,新たな地形にいったもの。携帯でネットにアクセスしている人はWebの文化とは違って,自分から情報を取りにいこうと,楽しさを享受しようという気迫が違うという。そこに,おもしろさ,集まってわいわいやれる可能性がある。携帯ならではの難しさもあるが,Flash Lite1.1に対応しておけば大丈夫なのでは?

「番組」を作る「なんだ,広告か」というところにいかないようにしたい。商品はどこか動線上にあるにはあるが,最終的に言いたいことは「これおもしろくない?」とか,身体感覚的なエンタメを中心においたものであるべき。

ここから,中村さんのコンテンツ制作へのこだわりが。

Webサイトで⁠すごい⁠っていうコンテンツが流行るが,⁠すごい⁠⁠おもしろい⁠は違う。⁠すごい⁠は長続きしない。

だけど,プレゼンだと短時間の勝負なので⁠すごい⁠のほうが勝ってしまう。でも,そこを踏みとどまって,⁠よくみるとおもしろい⁠という作品作りのほうにいこうよと。Webの新陳代謝が激しいのは,すごい属性がほとんどだからではないか。長いつきあいのものを作らないと,このままでは他の広告と一緒になってしまうと中村さん。

たとえば携帯コンテンツで考えるとメガヒットしているのは,モバゲーだったり,携帯小説だったり,ストーリー属性が強い。これらの場合,言いたいことそのものがエンタメだ。そういう考え方なくして,みんなに共感してもらいたいというのは難しい。それでも広告なので,単なるエンタメではない。その中でヒットさせたいなら,立ち位置のスタンスを変えてみる必要があるし,ターゲットをもっと調べる必要があるのではないか。

最後に具体的なツールを紹介してくれた。Firefoxのアドオン「SBMカウンタ」。そのサイトにソーシャルブックマークを貼っている人たちの数と中身が見れる便利ツールだ。

「それをずっと湛然にいろんなサイトを見ていくと,なんかわかってくる。そろそろ,この窓の向こうにいる人たちは何を考えているのかと真剣に考えるときが来たのだと思う。」⁠中村さん)

ただ,SBMカウンタに現れるのはWebリテラシの高い人たち,そういうところには気をつける必要があるとのこと。

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第7回の「ファイブミニッツプレゼン」の模様は,月刊インタラ塾のサイトをご覧ください。

著者プロフィール

月刊インタラ塾(げっかんいんたらじゅく)

昨今、マス広告のあり方が大きく変化し,Web広告はより一層重要なポジションを担って来ております。そんな中,「宣伝・広報」「広告代理業」「広告制作業」に携わる方々へ向けてユーザーに響くWeb広告を生み出すための考え方や技術など,役に立つ情報をイベントを通じてお伝えできるのではないかと思い,開催致しました。また,このイベントをきっかけに,次代を担う人がでてきてくれればと願い,微力ながらもWeb業界全体に貢献ができればと考えております。

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