モバゲーオープンプラットフォームに挑戦!――面白法人カヤック流モバゲーオープンプラットフォーム企画と開発のイロハ

第2回 アプリ超えた『ソーシャル』でバズを起こせ!キーワードは,ソーシャル&シンプル。

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教室でバズを起こす!誰でも簡単にはじめられる「シンプル」なシステム

ソーシャルに加えて,何も考えずに気軽にクリックだけの「シンプルな操作」がこのゲームの特徴です。素材を拾い,拾った素材で錬金を行うというだけ。ゲームをスタートするための敷居が低く,ゲームに強くない人でも,誰にでもわかるきわめて単純なシステムになっています。

「シンプル」というのは,言い換えれば「考える時間の短縮」になります。とりわけ,ゲームの全貌がわからないゲームスタート時において,ゲームを理解させるのにシンプルな設計であることは重要な要素です。

チュートリアルでゲームを疑似体験

その要素の1つはチュートリアルの工夫。説明をクリックしながら読み進めるだけと,他のゲームとユーザー操作に大差はありません。が,そもそもチュートリアルやヘルプを最初に注意深く読むユーザーは少ないので,⁠なんとなく進めていてもわかる」ように工夫しました。チュートリアルが終了した段階で,何をしたらよいか何をすればどうなるかを理解できるよう,素材を拾う,練金をするといった操作をチュートリアルにて疑似体験してもらいます。

1時間に10個!隙間の時間の有効活用

錬金で最も基本となる素材アイテムは,クリックするだけで簡単にたくさん集めることができます。しかも1時間に10個(10クリック)だけという制限があるので,日常の「隙間の時間」に集められます。時間にすると,10回を行うのに1,2分程度なので,ちょっとした空き時間,休憩時間にやるだけで終了します。

拾える素材アイテムには火・水・木・風・土の5つの属性があり,時間によって拾える属性を決めています。なので1日に何度もアクセスを試み,違うアイテムを拾う楽しみが生じます。

また,1時間に10回という制限には,⁠飽きの抑止効果」も働きます。操作としてはクリックをするだけなので当然何時間もできませんし,単純操作に飽きてしまうこともあるでしょう。この1時間に10回という制限は終わったという達成感を生みます。

図3 1時間に10回という制限のある素材拾い

図3 1時間に10回という制限のある素材拾い

シンプルさと複雑さのバランス

ただ,シンプルなだけではコアユーザーをつくることができません。1時間に10個の素材を拾うと9回錬金できます。この錬金がユーザーの手腕が問われる面白い部分となります。素材を拾う個所は極力簡単にした上で,そのあと自分で考えさせる時間をつくる,この繰り返しによってユーザーは携帯錬金術師に引き込まれていきます。

錬金方法は練金素材となるアイテムを2つ魔方陣を1つ,画面に沿って選択するだけ。ここも簡単に,短時間でたくさん錬金することができます。

が,素材の持つ火・水・木・風・土の5つの属性の錬金する組み合わせによって錬金されるアイテムが変化するので,欲しい属性を狙って錬金することができます。また素材にはレア度が1~10まであり,高いレア度の素材を錬金するために魔方陣Lv3で勝負する!などの駆け引きも可能です(魔方陣には無料で使えるLv1から課金アイテムのLv2・Lv3があります⁠⁠。

ゲームを通して行うことは錬金だけ。簡単な操作と頭を使う複雑な練金のアルゴリズム。これが携帯錬金術師の受けている部分だと考えています。

また,この攻略の部分が口コミにつながっています。ユーザー自身が学習した法則を共有し合おうとしますから。実際,公式サークル(掲示板)で盛り上がっているのも攻略方法です。ユーザー同士の話題も,錬金の攻略方法しかないほどのシンプル設計だからこそ盛り上がりやすいのかもしれません。

図4 ユーザー同士で情報交換を行える,公式サークル

図4 ユーザー同士で情報交換を行える,公式サークル

この携帯錬金術師は本当に単純なゲームなので,誰でもすぐにはじめられると思います。一度,お試しください。

著者プロフィール

熊岡良修(くまおかよしひさ)

プログラマとして多数のWebサイトのクライアントワークを担当。最近ではモバイルサービスのディレクターとして,「携帯マンガキ」「漫ガキmixi」などアプリを中心に企画・制作をする。カヤックNo.1ガジェッター。