モバゲーオープンプラットフォームに挑戦!――面白法人カヤック流モバゲーオープンプラットフォーム企画と開発のイロハ

第5回モバイルアプリでPvPに挑戦!

今回は、1月27日にリリースしたモバイルアームズについてご紹介したいと思います。

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モバイルアームズ

「RPG」カテゴリー
URLhttp://pf.mbga.jp/12000039/

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モバイルアームズとは?

モバイルアームズは、ジャンルとしては近未来を描いたSFゲームになります。将来資源が枯渇するであろう地球で生き延びていくために、システム開発会社サイバーインフィニティが開発したバーチャル空間「アナザーグラウンド」を舞台としています。

バーチャル空間に入るためには、サイバーアンドロイドと呼ばれる義体に意識を転送します(これがゲームのスタートとなります⁠⁠。アナザーグラウンドは現実世界を模倣したパラレルワールドであり、時間、場所を問わずいつでもアクセスできる世界です。

しかし、そのバーチャル空間の開発途中で起きたエラーはいろいろなバグを生み出しました。このことが発端になり、アナザーグラウンドでは2つの軍ができあがり内紛が起こりました。主人公のプレイヤーはバグと戦い、内紛を治めることをミッションに戦っていきます。

これがモバイルアームズ内のストーリー設定です。

図1 モバイルアームズのイメージ1
図1 モバイルアームズのイメージ1
図2 モバイルアームズのイメージ2
図2 モバイルアームズのイメージ2
図3 モバイルアームズのイメージ3
図3 モバイルアームズのイメージ3

モバイルアプリで『PvP』に挑戦!

モバイルアームズの醍醐味は『PvPコンテンツ』です。PvPとは、Person Versus Personの略称でプレイヤー対プレイヤーの対戦ゲームのことを言います。1対1の対戦や集団対集団の対戦もあります。1対1でユーザー同士が協力したり対戦するようなアプリはこれまでにもありますが、集団対集団で対戦するPvPはモバイルアプリではまだメジャーとは言えません。また、モバイルではオンラインゲームと同じPvPの仕組みを実装することはできませんでした。なぜなら、オンラインゲームでは、集団対戦の場合同じ画面にグラフィカルに見えるので、チームでゲームを行っている感覚がつかみやすいのですが、モバイルサービスの場合このような視覚的な演出ができなかったからです。

そこで、誰かと一緒にやってる感覚を演出するために、次に紹介するような、対戦ゲーム、領土制、地域戦争といった機能を開発し取り入れています。

戦いに勝つための前提条件。ステータスを上げる

まずスタート時に、対立関係にあるプロキス軍とハブリオン軍という2つの軍のどちらかに加わることを、プレイヤーに義務づけています。そして対戦し勝っていくことをゲーム攻略の中心コンセプトに据えています。これにより、プレイヤーはゲームに勝つためのアクションを起こす必要があります。

まず、プレイヤーのステータスアップです。プレイヤーの初期のステータスは弱いので、レベルを上げることが必要条件となりますが、そのためには、バグと呼ぶモンスターを倒し経験値を獲得します。バグとの対戦はflashのミニゲームを行います。バグを倒すとMAGというゲーム内の通貨を獲得することができMAGで武器や防具を揃えることができます。それによってステータスが徐々にあがっていきます。

図4 戦闘シーンへ
図4 戦闘シーンへ
図5 戦闘中のイメージ
図5 戦闘中のイメージ

リアル世界と位置連動!敵と遭遇して対戦勃発

モバイルアームズの舞台となっているバーチャル空間「アナザーワールド」は、現実の位置情報とも連動させています。そのため、プレイヤーは現実世界で自分が実際にいる位置とリンクして、ゲーム内に存在することになります。そして、現実世界で同じ地域にいるプレイヤーと接点を持つことができるのです。

味方の軍と接点を持つと、仲間になったり回復することができます。また、敵軍のプレイヤーと接点を持つと、そこで対戦を仕掛けることができます。対戦するときは、仲間の中から2人メンバーを選抜して3対3で対戦します。

図6 他のプレイヤーとの決闘
図6 他のプレイヤーとの決闘

戦いに勝って領地を獲得

上述のようにバグと対戦したり敵軍と対戦し、ステータスのレベルを上げていくことが基本操作となります。そして、対戦結果が戦果としてポイント加算され、そのときに上回っているほうが、該当のエリアを自分の領地にすることができます。領地になると、バグとの対戦で得られる経験値が上がったりといった特典があります。

領土はリアルタイムで変化するので、頻繁に支配地の様子が変わります。したがって、プレイヤー同士で作戦を考え誰がどこを攻めるかや、守ったりするかを考えて行動する必要が出てきます。

これまでも領土を奪い合うようなコンテンツは多々あったかと思いますが、実際の位置と連動することで、ユーザー自身の生活圏を中心に楽しめるのがモバイルアームズの特徴です。中には、自分の地元だけで対戦する傾向のユーザーがいます。

図7 両軍の領地の様子
図7 両軍の領地の様子

大規模戦争の機能を新リリース!

先日、3対3の対戦に加えて、1地域内で集団対戦する地域戦争という機能をリリースしました。このコンテンツは、オンラインゲームのPvPの大規模戦争のイメージに近いものです。プレイヤーは3×3マスに陣取り、同じフィールドでドンパチ攻撃し合います。PvPのニュアンスを出すための工夫として、受けた攻撃をリアルタイムに受けるようになっています。つまり、気づいたらHPがゼロになっていることがあります。

地域戦争では、それぞれの軍にしか見えないチャットルームがあり、そこでプレイヤーは作戦や攻撃状況を共有することができます。

図8 特定の地域で対戦する「地域戦争」
図8 特定の地域で対戦する「地域戦争」

武器のバリエーション

実際に対戦するにあたって、プレイヤーが持つ武器が鍵を握ります。

武器の強化

モバイルアームズではさまざまの武器が用意されており、ショップで購入できるものや、バグしか落とさないものがあります。これらの武器は強化することができ、より強力な武器にすることができます。

神器

神器とは、武器の1種で、他の武器には見られないようなステータスの上がり方を持つなど特別な武器のことを意味します。神器を持っているプレイヤーと対戦し、勝つと奪うことができます。

公開後のバランス調整がモバイルゲームのポイント

最後に、ゲーム運用側として感じたことを紹介します。

ゲームの初期開発時には、トラフィックが増えることを見込んで余計な画像を省いたり、画像1つの最大限容量を軽くしたり、また機能的には、わかりやすいくシンプルに操作できるように意識しています。しかし、実際はユーザーがどれくらいアクセスして、どういう使い方をするか、こればかりは蓋をあけてみるまでわかりません。

第3回では、そのモバイルゲームの特徴を見越したサーバ構成の一例としてクラウドを紹介しましたが、もう1つ要となるのは公開後のゲームバランスの調整です。作り込みももちろん重要ですが、ユーザーを見ながら、リアルタイムに改良を臨機応変に重ねていける人員体制を組めることも、モバイルゲームを成功に導く鍵といえるかもしれません。

モバイルアームズの場合も利用動向を分析しながら、プレイヤー同士の対戦が楽しくなるように改良を重ねる予定です。

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