キーパーソンが見るWeb業界

第11回 Web業界を目指す皆さんへ(後編)

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どのような価値観を持つか

森田:WebサイトやWebサービスをつくる仕事の環境は,ざっくりと「プロダクション・制作側」⁠発注側」⁠サービス開発側」の3種類に分けられますが,どこで働くにしても,必要な成果を自分で裁量できる環境がいいと思っています。結局働くということも含めて自分の人生をどうデザインしていくか,みたいなところがありますから。

長谷川:それって,ようは価値観の持ち方でもあります。根本にある価値観に基づいて働くことが大切です。ちなみに2人にとっての(Webに対する)今の価値観は?

紫竹:とにかく面白そうと感じる点です。つくる側にしても使う側にしてもワクワク感を感じます。あとはつくっていく過程を見られるという面白さもありますね。サイバーエージェントではエンジニアであれデザイナーであれ,プロデューサーやディレクターと一緒に企画から開発運用まで一環して携わることができます。そのため自分自身も自分の中にあるアイディアをどんどん世の中に出していって,技術力を高めて日本発のサービスで世界に通用するサービスをつくっていきたいです。

片山:私の根本にあるのは「つくること」の楽しさです。設計したシステムや想像したユーザの経験を現実のものにしていく過程が持っている楽しさでしょうか。つくりたいと思った未来を実現するための手段としてのWebに興味を持っています。

皆さんはこれまで10年この業界で働いてきて,今後はどのような仕事をしていきたいですか。

長谷川:私は,もともと人間の理解自体に興味からはじまって,情報アーキテクチャをはじめとするデザインの分野へ進んできました。これからは,ソーシャルメディアや情報端末などの発達によって,人々の価値観や社会システムがどのように変化していくかに興味を持っています。そういったしくみにかかわるデザインをしていきたいですね。

森田:僕は60歳になっても70歳になっても今のような仕事をしていたいと思っていますが,現状のまま進んでしまうとそれは叶わないとも思っていて,自分の老後が不安なんです(笑⁠⁠。だから,いわゆる定年後でも好きな仕事ができるような社会づくりのためにデザインを続けていきたい。今はそのための土台作りを意識しています。

阿部:僕は,デザインの根底にある,ものをつくる楽しさを伝えていければと思っています。子どものときに持っていた純粋な喜怒哀楽,それを表現できるものづくりをしていきたいです。そして,できあがったものを見た子どもたちが,どうやってつくられているんだろうと興味を持って,デザインに興味を持ってくれたら嬉しいですね。

片山:以前拝見した「東京スイカ研究会⁠⁠,とてもおもしろかったです!

阿部:まあ,あれですよ,あれ(笑⁠⁠。ああいう感覚的なものを,仕事としての成果として残していきたいです。

紫竹:今,この時間お話を聞いているだけでも,お三方がそれぞれ明確な価値観を持っていることが伝わってきて刺激になりました。今日の対談を通じて,Web業界は自分の価値観をきちんと持っている人が集まってくるところなのかなと,改めて思いました。

森田:結局,どういう社会にしたいとか,どういうことを伝えたいとかって,まずそれをいう自分自身が,理念とか価値観とかをぶれずに持ち続けていなければいけないということなんでしょうね。

片山:それと,価値観を持ちながらも,皆さんは非常にフラットですよね。

森田:まだまだ各企業の業態としての構造が完成されていないのと,人材の交流が活発だからというのとで,結果的にフラットになっているのだと思います。また,インターネットを通じて知り合えるスピードがとても早くなっているのも,その要因の1つでしょうね。

阿部:「明日会おう」が気軽にできる,これはWeb業界ならではの良いところですね。これからも世代を超えた人材交流が活発になって,業界が成長していけばと思っています。

今回は,これまでの座談会とは構成を変えレギュラーメンバーと若手という構図でWeb業界について語っていただきました。この内容を聞いてみて,10年という時間的な差はあるものの,Webを軸にすることで世代を超えて共通な部分があることが確認できました。

ゲストに登場した2人が,この先どのようにWebと関わり仕事をしていくのか,また上の世代と交流しどのような化学反応が生まれるのか楽しみです。若い世代が入ってくることでWeb業界がさらに活性化して成長することに期待しましょう。

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