グングン売上がアップする!ネットショップ構築のポイント

第1回ネットショップに訪れるお客様の意識

はじめまして。今回から、連載「グングン売上がアップする!ネットショップ構築のポイント」を書かせていただきます渕上雅己と申します。

この連載では、ネットショップ制作を行われるWeb制作会社、Web担当者向けに、ネットショップ構築の際のポイントや、制作のコツ、売上アップのためのノウハウなどをご紹介していきます。Webデザイン、HTML+CSSコーディング、マーケティングなど、幅広いテーマになりますが、読者のみなさまの売上アップのヒントとなり、お役立ていただければ幸いです。

第1回は、ネットショップを構築するにあたってつかんでおきたい、⁠ネットショップに訪れるお客様の意識」について解説します。

「ネットショップを開設したけど売れない」のはなぜ!?

オンラインショッピング利用者数の増加にともない、ネットショップの出店店舗数も増加しています。楽天市場には22,924店舗(2008年3月13日現在⁠⁠、Yahoo!ショッピングには15,906店舗(2008年2月末現在⁠⁠、独自ドメイン店舗は10万を超える店舗が開設されています。

「カラーミーショップ」※1の申込み店舗数は11万を超えている
「カラーミーショップ」の申込み店舗数は11万を超えている

世間の流れにあわせて「我が社もネットショップを開設しよう!」と意気揚々と構築、オープンしたにもかかわらず、お客様が全然集まらず、売上も上がらないまま閉店、という話をよく聞きます。その原因の一つとして、⁠ネットショップに訪れるお客様の意識」を考えることなく制作し、結果として、お客様が集まらなかった、ということが考えられます。

では、この「ネットショップに訪れるお客様の意識」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

その正体は「お客様の商品購入意識の高さ」であり、ネットショップに訪れるお客様は「購入意欲が高く⁠⁠、その他の情報サイトなどを利用する利用者は「購入意欲が低い⁠⁠、ということです。

お客様はネットショップに「お買い物をするため」に来ている

「何を当たり前のことを書いているんだ!?」と思われた方も多いと思いますが、このことを意識せずにネットショップを構築してしまうと、お客様が集まらない店舗になってしまいます。

友達との待ち合わせや、休日の気晴らしに、デパートでウインドウショッピングをしている所を想像してみてください。特に買いたいものがあるわけではなく、ただ目に留まったものを見ているところに、店員から声をかけられ、しつこく接客されたらどのように感じるでしょうか。おそらく、大半の人はわずらわしく感じ、そのお店から出て行ってしまうのではないかと思います。

一方、欲しい商品が決まっていてお店に訪れたとき、いろんな商品を見て回り、商品について詳しいことが知りたいときに店員さんから声をかけてもらうと、知りたい情報が得られ、商品を買う決断がしやすくなると思います。

これが「購入意欲の差」によるお客様の気持ちです。⁠購入意欲が低い」時に、接客されても商品を買う気にはなれませんが、⁠購入意欲が高い」時に、接客を受けると商品を購入する割合が高くなります。

極端な例を挙げると「⁠⁠チーズケーキの作り方』を調べに図書館に行ったら、入り口でチーズケーキを売りつけられた」という場面に遭遇したらどう感じるでしょうか。誰もチーズケーキを買うことはないでしょう。このことが、まさに「チーズケーキの作り方」を調べるために、Yahoo!やGoogleで「チーズケーキ」と検索したときに、ネットショップのページが表示されたときのお客様の気持ちです。

ネットショップを開設する際、⁠お買い物がしたい」と考えているお客様をターゲットとして店舗を構築し、集客する必要があります。

「お買い物がしたいお客様を集める」なら、モール店舗に出店する方法が有効

では、⁠お買い物がしたい」と考えているお客様を集めるには、どのようにすれば良いでしょうか。

一つの方法として、独自でネットショップを構築するよりも、楽天市場Yahoo!ショッピングなどのモール店舗に出店するという方法が有効です。

楽天市場やYahoo!ショッピングを利用するお客様というのは、⁠お買い物がしたい」という気持ちが強い方が多いため、商品を検索、比較し、欲しい商品が見つかったら購入する割合が高い方が多いのです。その他にも広告、メールマガジン、懸賞、セール企画など、効率的に集客を行い、売上を上げるための仕組みが揃っています。

モール店舗には購入意欲の高いお客様が集まるため売上が上がりやすい
モール店舗には購入意欲の高いお客様が集まるため売上が上がりやすい

ただし、モール店舗は売上をあげやすい反面、他店舗・他商品の比較検討が簡単にできるため、他のお店や商品と比べたときに特長のあるものでないと目立たないということや、既製品などを販売する場合には価格競争になりやすいこと、同じ製品でも種類数、在庫数の多い店舗が有利になりやすい、ということもあります。

独自ドメイン店舗はお客様の求めるコンテンツを充実させ、長期的視点に立った店舗構築を行う

独自ドメイン店舗で売上を上げていくためには、購入意欲の高いお客様、つまり「ファン」の獲得が重要になります。

お店のファンとなるお客様は、販売商品への満足度が高く、リピーターとなってくれるだけでなく、商品の良さを自然にクチコミで広めてくれたりしてくれます。

ファンを獲得するためには、販売ページにて商品の良さを十分に伝えるということはもちろん、情報を探しにアクセスしてきたお客様に対して、十分な情報を提供すること、ブログなどを活用してお客様との交流を深めること、など、短期的に売上を上げるということではなく、お客様にとってためになるコンテンツを充実させ、長期的な視点に立ってお店を発展させていきます。

独自ドメイン店舗に訪れるお客様は、情報収集が目的であったり、単なる暇つぶしであったり、ウインドウショッピングをしていたり、実際に商品が欲しくて買いに来たり、など、さまざまなお客様が訪れてきます。比率としては、実際に商品を買いに来た方の数より、情報収集やウインドウショッピングに来た方の数の方が圧倒的に多くなるでしょう。

お買い物をされないお客様にも満足して帰っていただくためにもネットショップ全体のコンテンツを充実させることが、後々になってお客様となり、ファンとなり、ひいては売上アップにつながります。

ネットショップを構築するにあたって、⁠お客様はネットショップに『お買い物』をしに来ている」という当たり前のようでなかなか認識できていない、この一つの点を抑えておくことで、お客様の気持ちになって、⁠どのようなネットショップを構築すれば良いか⁠⁠、⁠お客様はどのようなコンテンツを求められているか」ということを考え、制作できるようになります。

次回は、モール店舗における商品ページ制作のポイントについて解説する予定です。

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