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第8回 苦手なアナタもこれで安心! データベースのかんたん準備

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データベースって何だろう

それでは行きましょうか。まずはこれ。⁠データベースって何だろう」という,そもそもの部分のお話です。いや,別にこんな「そもそも話⁠⁠,知らなくても困ることは無いんですけどね。でも,自分が触っているものが安全なものか危険なものかくらいは知っておいたほうが,ストレスが少なくなるってもんだと思うのですよ,ワタシは。

ということで,せっかくですからさらーっと覚えてしまいましょう。

  • Q:データベースとはなんですか?
  • A:データベースというのはエクセルのおばけのことです。

エクセルのお化け?

パソコン初心者の田中さんがエクセル入りのパソコンを購入,しかし,そのエクセルは,⁠なんだかよくわからないから」という理由で3年間一度も起動されませんでした。使われなかったエクセルの無念の魂は「データベース」という異形になって現世に舞い戻りーとかなんとか。

……ウソですが。

正しくは,エクセルのように「大量のデータ」を管理するために作られたシステムのこと,それがデータベースです。おばけ,と言っているのは,エクセルよりも「遥かに大量のデータ」を,⁠遥かに高速に処理する」ことができるように作られているシロモノだからです。

「アイツはバケモノだぜ」とか,スポーツ漫画でよくあるでしょう?そうそう,ああいうイメージです。超エクセル。エクセルのお化け。そっち方面にスゴいヤツ,と覚えてください。

注:まあ,最近のパソコンとエクセルの目まぐるしい性能向上のおかげで,一昔前のデータベースより今のエクセルのほうが,ずっと「おばけ」っぽかったりもしますが……ここではひとまずその前提で話を進めます。

皆さま,エクセルって「縦に何行データが入るか」ご存知ですか?

知らない。考えたこともなかった。……ですよねー。普段エクセルを使っていて,最大行数を超える,なんてことはそうそう起こりませんものね。

Mac版ですが確認してみました。

正解は,1,048,576行です(エクセル2010の場合⁠⁠。100万行ちょっと。結構入りますね。

こちらが証拠画像(Excel for Mac 2010)

こちらが証拠画像(Excel for Mac 2010)

実はコレ,一つ前のバージョン2007における機能強化の結果でして,2003までは65,536行までしか入りませんでした。今こうして見るとずいぶん少ない気がします。

とは言え,それでもワタシたちが普段使っているぶんには困らないくらいのデータは管理してくれていました。なにせ6万行以上入るわけですから問題なしです。そう,⁠ワタシたちが普段使っているぶん」には。

さて,ここでひとつケースを考えてみましょうか。

皆さまがお住まいの市区町村のお話です。おそらくですが,市区町村には「住民一覧」のデータが保管されていますよね。住民票を貰いに行ったら,ちゃんと自分の名前や住所が印字されていますので,きっとどこかのコンピューターの中にそのデータが入っているわけです。

もし,この住民一覧データを,エクセル2003で管理しようとすると,その市区町村の住民は65,536人までしか入らなくなってしまいます。前述のとおり,管理できる行がそこまでだからです。

ちなみに「市」と認められるための最低人口数は5万人ですから,これではほとんどの市で「住民一覧」が作れないことになります。困りましたね。

注:……誰ですか?「2列にして入れりゃいいじゃん」とか「別のファイルに保管すればいいじゃん」なんて無粋なことを言う人は。後でそのデータを処理することを考えると,1ファイル1列にまとまっていたほうが何かと都合がいいのですよ。そういうことにしてください。

まあ,現行エクセルでしたら,104万行データを入れることができますので,これでしたらほとんどの市区町村の住民一覧データはなんとかなりますね。105万以上の住民を抱える市区町村の方々は……次世代のエクセルに期待,ということで………。

と,いう送りバントではいけませんね。世の中にはもっともっと大量のデータを管理しなければならない機会もあるわけですし。

例えば,どこぞやの企業のハンバーガーの販売実績とか,どこぞやの企業のスマホアプリのダウンロード実績とか。そうなってくると,データの件数は数千万とか数億とか,そういう規模になってしまいますので,いよいよエクセルの中には入りません。

お待たせしました。そこで,データベースの出番となります。

データベースとエクセルの違い

データベースは,大量のデータを管理するという目的のために作られました。管理,という言葉の意味は,ざっくり言うと「保存できて・取り出せて・上書きできて・消せる」ということです。

エクセルで考えると,ごくごく普通の機能と言えます。ここまでに違いはありませんね。

違ってくるのはここからで,データベースの場合,これらの機能を「超大量なデータ」に対して,⁠超高速で行える」ようにするために,余分なものがゴッソリと削られています。

例えば,エクセルではお馴染み,⁠左クリックで行を選んで,色を塗って印を付ける」とか,⁠右クリックで行のコピー」とか。いわゆる人間が使いやすい補助機能はキレイサッパリ無くなっています。数千万件のデータを直接チマチマ人間様がイジるような機会は実際にはほとんどありませんので,不要という扱いなのです。

さらに,⁠グラフ作って」とか「クリップアートを挿入」とか,そういうプレゼンテーションに関する機能も一切ありません。データを管理することと,そのデータを使って何やら発表資料を作ることは,まったく別というわけです。

「あっしはデータを管理するのが仕事ですから」と言わんばかりの,ただただストイックな仕組みそれが,データベースです。

要は,機械としての性能を重視するあまりに,人間に対する親切心が無いんですね。だから,人間から見るととっつきにくいという印象になるのです。

当然(?⁠⁠,操作は「コマンド」で行います。マウス?ボタン?ナニソレ。カタカタと呪文を打ち込んで,保存とか削除とかをするのです。ぐええ。

エクセル,苦手ですか?そんなアナタは,少しだけデータベースをイジってみましょう。きっと急にエクセルとの距離が縮まると思いますよ。今まで文句ばかり言っててごめんなさい。

注:それじゃああんまりでしょう,ということで。データベースの周辺では,人間が使いやすいような機能を詰め込んだ「データベースツール」というソフトウェアが提供されています。もちろん,データをマウスで操作することも可能です。ただ,人間が操作することを前提に作られているエクセルほど,使いやすくもわかりやすくもない,というのが致し方ない現状です。むむー。

著者プロフィール

カワサキタカシ(かわさきたかし)

元アイ・ビー・エムERPコンサルタント,元アップル教育ソリューション開発者兼営業,他にも様々な経験を経て,人材育成会社『株式会社マイウェイ』を夫婦で起業。現在,同社の取締役兼なんでも担当。

「Webサイト」から「iPhoneアプリ」,「ビジネスサービス」から「会社」まで,『作ること』が好き。そして作る楽しさを誰かに『教えること』も好き。楽しく作る技術を学ぶコミュニティ,『サルでき.jp』をぐーたら管理中。

著書に『iPhoneアプリ開発塾』(技術評論社),『サルにもできるiPhone同人誌の創り方』(飛鳥新社)がある。

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