サルでき流 WordPressではじめる企業サイトの作り方

第23回チームで更新するための準備。ユーザーを登録しよう!

好きなモノは好き

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はい、そういうわけでございまして!

サルでき流企業サイトの作り方、第23回を迎えております。21回までの骨組み基本編がとりあえず終わって、前回から肉付け応用編に入り、少しはサラサラ~っと書けるかなと、ワタシ的には期待していたのですが……。

前回をお読みいただければおわかりいただけるかと思いますが、まあそんなこたあない雰囲気でございます。

パーマリンクくらいであそこまで寄り道できるっていうのはね、もう職人芸じゃないかと。⁠こってり解説職人」っていう名前の職人として生きていきますよ。ワタシは。ラーメン屋に行ったら、とりあえず「こってり」を頼む、全国1,000万人のこってり好きのみなさま。いらっしゃいませ。当こってり連載へようこそ。

さてさて。今週のウミネココーポレーション仮設広報部では、WordPressに対するユーザーの登録作業を行っている模様です。

後段でお話しますが、ユーザーには「アバター」という画像が設定できるようになっていまして。設定によっては地味でカタめのWordPressに、ふわっとした「人のぬくもり」が出ますので、⁠ほどほどに」楽しんでくださいね。

ではでは、はじめていきましょう。今回はユーザー登録についてのお話です。

ユーザーって何だ?

さてさて。今回はユーザーの登録をするわけですが。そもそも、ユーザーって何でしょう?

……いえいえ、別にトンチとか引っ掛けとか、そういう話じゃないです。確かに一見簡単そうな問題ですけどね。簡単すぎて考えもしなかった。なんてこと、よくあるじゃないですか。

ここであらためて考えてみましょう。WordPressにおける「ユーザー」とは――

その1:ユーザーの範囲

まず、言葉的には「使う人」ということですね。WordPressに当てはめてみると、WordPressを使う人です。

この場合、厳密に言えば、ただ単にWebサイトを閲覧してきた人も、一応「ユーザー」ということになります。しかし、Webサイトの場合、⁠いちいち登録しないと閲覧すらできない」となると、使い勝手が相当悪いサイトになりますので、通常「ただ見る人」は登録なしでもサイトを見ることができるようになっています。

今回は言葉として、⁠ただ見る人じゃない人=WordPressを管理目的で使う人」のことを登録ユーザーと呼ぶことにしましょう。

その2:ユーザーの目的

この登録ユーザー、もし仮に「1人しかそのWebサイトを管理しない」のであれば、実のところそもそも必要ありません。だってどうせ1人しかいないわけですから、管理画面に入るためのパスワードさえあれば、それで充分なハズです。

なぜ「ユーザー」を作らなければならないのか。それはつまり、ユーザーというものは、複数人いることを前提とした仕組みの中で、1人を特定するためのシルシだから、ということが言えます。

WordPressは、ユーザー管理機能が付いていますので、⁠基本的には複数の登録ユーザーで管理するための仕組みになっている」ということですね。

その3:ワタシがアレコレ書いている目的

……アレコレ書いている割には当たり前のことばかり言っている気がする。いつものアノ芸が発揮されているだけの気がする。

いえいえ!このユーザー管理。特に小さめな企業さまのサイト運営において案外軽視されがちでしてね。ここは口をこってりして言わなければいけないことなんですよ。

つまり、⁠複数の方々で管理しているにもかかわらず、ユーザーを1人だけ設定して、そのIDとパスワードをみんなで使い回している」なんてケースが良くあるのです。

「あ、ウチそうなってる」って思った方、結構いらっしゃるでしょう?ユーザーを管理するのは、結構面倒ですしね。

ですが、WordPressがしっかり「ユーザー管理機能」を用意しているということは、複数人で管理していくのであれば、人数ぶんユーザーを登録しておいたほうが何かとイイことがあるわけです、絶対。やりましょうね、ユーザー登録。ねっ!

ではでは、ユーザー登録の必要性を(半ば強引に)理解していただいたところで、しっかり登録方法を覚えていきましょう。

※注意:今回のユーザー登録は、一般設定で「メンバーシップ(だれでもユーザー登録ができるようにする⁠⁠」を「ON」にした場合の、外部ユーザーによるユーザー登録ではなく、あくまで管理者がユーザーを登録するケースでお話をしています。⁠一般設定のメンバーシップって何?という方は、第10回をチェック!)

ユーザーを登録しよう!

では、ユーザー登録をしていきますよ。

いつものようにWordPressにログインをして、今回は管理画面のメニュー「ユーザー」から、⁠ユーザー一覧」を開いてくださいね。

インストール時に登録したユーザーがポツンといました
インストール時に登録したユーザーがポツンといました

ここがユーザー一覧画面です。ユーザーは投稿記事や固定ページ同様、必要に応じてドンドン登録していきますので、一覧画面が用意されています。

何やら気になる「権限グループ」なる言葉が見えますが…ま、とりあえず新しいユーザーを追加してから見て行きましょうか。画面上のほうにある「新規追加」ボタンをどーぞ。

新規ユーザー追加画面になりました。

いかにも「Webサイトでユーザー登録をする際によくある項目」が並んでいます
いかにも「Webサイトでユーザー登録をする際によくある項目」が並んでいます

この画面で新しいユーザーを追加します。各項目には入力ルールがありますので、入力できないような文字を入れると、⁠新規ユーザーを追加」ボタンを押したときにエラーが表示されてしまいます。

こんな感じに。

ありがちな、パスワード(必須項目)の入力エラーです
ありがちな、パスワード(必須項目)の入力エラーです

画面に表示されるヒントを見て入力内容を修正しましょう。

各項目の内容と注意点をまとめておきますね。

ユーザー名

ユーザー名、と書いてあるのですが、実際には「ユーザーID」のことだと思って下さい。IDと言われればなんとなーくそんな気がするとは思いますが、日本語ダメ(半角英数字のみOK)な項目です。

ログインするときに毎回入力することになる項目であるということ。一度登録が完了してしまうと、後から修正できない項目であるということ。この2点もポイントです。何にするかじっくり検討してくださいね。

メールアドレス

そのユーザーのメールアドレスですね。WordPress側で何か起こった時に、メールが飛んで行く飛び先になります。パスワード忘れの時もお世話になります。くれぐれも打ち間違えには気をつけてください。

姓/

こちらが所謂「ユーザー名」です。こちらの項目は日本語を入れてOKです。ユーザーIDのように、ログイン時等には使用しませんが、記事の「作成者欄」に登場したりします。主に表示用として使われる名前です。

ウェブサイト

この項目は補足情報です。入力しなくても特に困ることはありませんし、入力してもあまり……お目にかからない項目だったりします。ま、Webサイトを持っている人は入れておきましょう。

パスワード

ユーザーIDと対になるパスワードです。なんと便利な「強度インジケーター」付き。試しに「1234567」と入れてみましょう。どんな結果になりましたか?

パスワード送信オプション

登録後に、登録されたメールアドレス宛にメールを送るか送らないかのオプションチェックボックスです。一見パスワードだけの話に見えますが、このチェックをしないと、そもそも「登録完了」のメール自体が飛んでいかないので注意してください。

権限グループ

そのユーザーに対して、⁠どんなことができるのか」という権限を設定することができます。その権限の選択プルダウンです。権限の中身については、後ほどお話しますね。

以上の項目を入力したら、⁠新規ユーザーを追加」ボタンを押して追加完了です。

では、一旦管理者ユーザーからログオフして、追加したユーザーでログインしてみましょう。

おお、ログインできました!なぜか気分的にフレッシュな感じ
おお、ログインできました!なぜか気分的にフレッシュな感じ

さて、今追加したユーザーですが。実は、もう少し設定できる項目を持っています。ユーザー一覧画面(プロフィール画面)から、今追加したユーザーを選んでみましょう。

こんな感じのプロフィール画面
こんな感じのプロフィール画面

ユーザー追加画面と似た感じですが…無かった項目がありますね。こちらも、各項目の内容と注意点をまとめておきますね。

ビジュアルエディター

投稿記事や固定ページを書くエディタとして、ビジュアルエディターとテキストエディターがありますが、このチェックボックスをONにすることで、ビジュアルエディターを使えないようにします。

なんで!?と思うかもしれませんが…ある程度HTMLを自由にイジれる人からすると、ビジュアルエディターでは「実際書かれているコード」を見ることができず、それに起因したトラブルが起こる可能性が若干ありますので、あまり好まれないのです。ということで、ワタシも原則チェックをONにしています。

管理画面の配色

管理画面の色がちょっと地味で、どうにも書く気分が盛り上がらない。そんなアナタのための配色選択機能です。選べるカラーは8種類。気分に合わせて選んでくださいね!

……え?誰ですか?「デフォルトが一番見やすいから、選べる意味無くない?」とか言っているのは。

キーボードショートカット

「コメントモデレーション用のキーボードショートカットを有効にする」……のですが、まあここは余裕があったら、にしましょう。軽やかにスルー。

ツールバー

ここのチェックボックスをONにしておくと、通常のWebサイト側からアクセスしたときも、画面の上部にツールバーが表示されっぱなしになります(ログイン済みのときに限る⁠⁠。

ツールバーには、⁠新規記事追加」「投稿/固定ページを編集」など、投稿(編集)画面に直接アクセスする機能がありますので、ONがオススメです。

ニックネーム

「姓/名以外の表示名」を設定する項目です。⁠え?そんなに名前いっぱいいらなくない?」と思ったアナタ。例えば、ユーザー管理上、⁠姓名は本名(護国寺ヘイスケ⁠⁠、ニックネームに役割(ブログ担当⁠⁠」など、ニックネーム欄を工夫することによって、内部管理と外部表示をうまく切り替えることもできたりするのです。会社で使う場合、外部に個人名をバシバシ出すのもチョット……というケースは良くありますしね。

ブログ上の表示名

ということで、上記で設定した「姓名・ニックネーム」のうち、どれを表示名として使うのかを設定するためのプルダウンが、こちらです。

プロフィール情報

この項目もウェブサイト同様補足情報です。残念ながら標準テーマの「TwentyFourteen」は対応していないのですが、テーマによっては、記事のフッターに自動的にプロフィール情報を入れてくれるようなものもありますので、そういう場合は大活躍します。

プロフィール画面には、新規ユーザー追加のときと違って、WordPressを「便利に使うための設定項目」がいくつか入っていますので、ユーザー追加が終わったら、こちらにも忘れずに目を通すようにしておいてくださいね。

権限グループによる「できること」の違い

では、前の章で飛ばした権限グループについてのお話をしましょう。今までずーっと見てきた、WordPressの管理画面にあるサイドバーには、基本的に「全ての機能」がメニューとして表示されています。1つの投稿記事を編集するためのメニューもあれば、Webサイトの全てに影響を与えるような設定のメニューも、同じようにありますね。

これら全てのメニューに、全ユーザーがアクセスできるようになっていた場合、想像するのも恐ろしいですが、こんなことが起こったりします。

  • A「あれ?なんか投稿記事のURLおかしくない?」
  • B「っていうか、なんだかリンクが大量につながらなくなってるんだけど」
  • A「ちょっと待った!パーマリンク設定がデフォルトに戻ってる!」
  • B「ええっ!?なんで設定が変わってるの!?」
  • A「ぶ、部長っ!ウチの会社のWebサイト、ハッキングされたかもしれません!何者かがパーマリンク設定を変更しています!」
  • 部長「え?そのパーマクリンク設定って、変えちゃいけなかったの?」

イジってはマズイ機能は、イジれないようにするそれが権限グループの狙いです。さすがに全員が全ての機能にイジれるっていうのは、怖いですからね。

権限グループは全部で5種類あります
権限グループは全部で5種類あります

では、5種類ある権限グループの、それぞれの主な権限を見て行きましょう。

管理者

これはもうそのまんまですね。管理者ですので、全ての機能を使うことができます

今までみなさんが使ってきた権限です。システム部とか、エライ人とか。そういう方がこのグループに該当します(前述の部長のような場合は、果たして管理者にしていいのか悩みますが…⁠⁠。

いつもの見慣れたサイドバーですね。全メニューが表示されています
いつもの見慣れたサイドバーですね。全メニューが表示されています

編集者

実はここから後は、全員設定系の機能は使えません。サイドバーからも、⁠設定」メニューがキレイサッパリ無くなっています。

唯一自分の「ユーザー設定」「プロフィール」メニューからできますので、管理画面の配色変更はこちらからどうぞ。

ただし編集者は、編集者というだけあって、記事関連の機能は全て使うことができます。他の人が書いた記事を編集したり削除したり、そういうことも可能です。記事の管理者、というイメージですね。

サッパリしましたね。ユーザーメニューがプロフィールに変わっています
サッパリしましたね。ユーザーメニューがプロフィールに変わっています

投稿者

さあ、どんどん機能が制限されていきますよ。投稿者は、自分の記事のみ、書いたり消したりできる人です。

複数人で記事を書いている場合、全員の記事が一覧画面に同じように並んでいると、うっかり他の人が書いている記事を消してしまうようなケースも出てきます。

そうさせたくない場合は、みんな投稿者にしておくことで、他の人の記事に対して「操作できなくさせる」ことができます。ただし投稿者の場合、カテゴリーの追加や固定ページの追加もできなくなってしまいますので、投稿記事専用の権限になります。固定ページを頻繁に書き換えるような場合は、ユーザーの設定を考えないといけませんね。

自分が書いた記事でない場合、編集やゴミ箱のリンクは表示されません。固定ページのメニューも無くなっていますね
自分が書いた記事でない場合、編集やゴミ箱のリンクは表示されません。固定ページのメニューも無くなっていますね

寄稿者

ここまで来ると、できることのほうが少なくなります。寄稿者は、投稿者同様に、自分の記事は書いたり消したりできるけど、自分では公開ができない人です。

記事を新規投稿しようと画面を開いて、書いて、いざ公開、と思うと、そこに公開ボタンはありません。あるのは、⁠レビュー待ちとして送信」ボタンだけです。仕方なくこのボタンを押すと、記事のステータスが、⁠レビュー待ち」に変わります。

いつもとボタンが違いますね
いつもとボタンが違いますね
「レビュー待ち」という言葉が入っています
「レビュー待ち」という言葉が入っています

このレビュー待ちステータス。これは、他の人が書いた記事を修正できる、⁠管理者」「編集者」のみが編集可能な記事のステータスになっており、その人達が記事を公開するという処理が必要になります。つまり、ワークフローができるわけです。

ちなみに、いったん公開されてしまうと、寄稿者はその記事を編集することも削除することもできなくなります。役割分担と言えばそのとおりなのですが…なぜだか少し寂しい。

購読者

さて、最後に残った購読者ですが、この人はプロフィールの編集以外は何もできません。記事の投稿すらできません。⁠なんでこんな権限グループがあるの?」って、思いますよね?

サッパリしすぎていてプロフィールの編集以外何の機能もありません
サッパリしすぎていてプロフィールの編集以外何の機能もありません

例えば、WordPressでは、⁠コメントをユーザー登録している人にしか書かせない」ような設定をすることができたりします。荒らし防止のために、⁠Webサイトの会員になってくれた人のみがコメントできる⁠⁠。そんな感じで使えるわけですね。

設定→ディスカッション設定からどうぞ
設定→ディスカッション設定からどうぞ

その場合の会員さんに、記事を書ける機能があってはマズイですので、権限的には「プロフィールの編集以外何もできない購読者権限」を設定しておきます。

ちなみに、権限グループの設定変更は、ユーザー一覧画面から行うのですが、ちょっとわかりにくいので、スクリーンショットを付けておきましょう。

対象の人をチェックボックスで選んで、プルダウンで権限グループを選び、変更ボタンを押す、という流れです
対象の人をチェックボックスで選んで、プルダウンで権限グループを選び、変更ボタンを押す、という流れです

あると嬉しいプラグイン

さてさて!ここまでユーザー登録の設定おつかれさまでした!今回はあと1つだけ覚えて終わりましょう。

ユーザー登録をやっていて、⁠ユーザー一覧の横に出てくるアイコンって、変更できないのかしら⁠⁠、なんて思いませんでした?

シルエットだけじゃちょっと寂しい…
シルエットだけじゃちょっと寂しい…

そんな時はコレ!SimpleLocalAvatarsプラグインです。

プラグインのメニューから新規追加をどうぞ。新規プラグインのインストールは第20回で解説しています
プラグインのメニューから新規追加をどうぞ。新規プラグインのインストールは第20回で解説しています

インストールして有効化するとアラ不思議。ユーザー編集画面に、⁠Avatar」なる項目が出てきます。ここに好きな画像をアップロードして設定すると……

ファイルを選んで…
ファイルを選んで…

「ユーザーを更新」ボタンをポチッとな。

じゃーん!
じゃーん!

こんな感じになりました。

せっかくですので、みなさんのステキな写真を設定して、ユーザー一覧画面も楽しくしていきましょう!

まとめ

いかがでしたか?

なかなかに便利そうですね。権限グループ。少なくとも、⁠ユーザーを⁠1人だけ⁠登録して、管理者権限を設定、全員がそのユーザーでログインしています」というやり方よりは、⁠なんかやっちゃいましたトラブル」がずっと少なく運用できそうです。

ただ、トラブルを過剰に心配するあまり、寄稿者のような、権限がほとんどないユーザーばかり作ってしまうと、自分の記事のちょっとした修正をその人に頼むというようなことができなくなってしまいます。それもそれで融通が利かない仕組みですよね。風邪引いたときとか、結局自宅のパソコンからゲホゲホ言いながら作業するか、泣く泣く自分のパスワードを誰かに教える羽目になったりして。

そんなことにならないように。まずは、管理者と編集者の2種類の権限を運用するくらいから、始めるようにしてみましょう。そのくらいの運用に慣れてきたら、自社に合わせたオリジナルの権限運用方法を検討してみてくださいね。

…おっと。

と、いうところで終了の時間です。

ではでは、今回はここまで!

次回をお楽しみに~。

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