サルでき流 WordPressではじめる企業サイトの作り方

第28回じめてのSEO入門。検索エンジンにウケる記事の書き方とは

ズバッと本題へ

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はい、そういうわけでございまして!

サルでき流企業サイトの作り方、第28回をお届けしております。今回はね、ズバッと行きますよズバッと。いつものようにダラダラ前置きを書いている場合ではありません。いえ、ワタシはいつでもズバッと書いてきましたけどね。ええ。そうですとも。

今週のウミネココーポレーション仮設広報部は……まあ、触れなくてもいいですかね、リア充への道程はまだだいぶ遠そうなヘタレモジャモジャの話なんて。⁠ユイちゃん」って登録する度胸があるなら……いえいえ、やめておきましょう。ズバッと本題に入らないといけませんし。

ということで、SEOシリーズ、3回目の今回は、「記事」についてのお話です。SEOを意識しながら、記事を書く。今回はなんだか大変な話になりそうな雰囲気がしていますね。ドキドキですか?ワクワクですか?

眠気覚ましのコーヒーをズバッと入れて、10分間の仮眠をズバッととって、準備ができたらズバッとはじめていきましょう!

SEO基本編&タイトル編のおさらい

さてさて。

3回目の今回も、まずは前回までのおさらいからはじめていきましょう。

SEOって何なのか、カンタンにまとめてしまうと、こういうことでした。

  • 世界中にWebサイトが山ほどあるので
  • 検索エンジンがないと目的のページに辿りつけない
  • 逆に、検索結果一覧で上位に表示されないと
  • 自分のWebサイトに誰も人が来てくれない
  • けれど、検索エンジンの表示順番は企業秘密
  • それを、気合でなんとか攻略していこーぜー

でしたね。もうすっかり覚えましたね。まだまだ「うーん?」という感じの方は、第26回をもう一度だけ読んできましょうか。繰り返し読む、それもとっても大事なことです。

で、そのSEO攻略法の「その1」として、前回「タイトル」の攻略法をこんな感じにお話しました。

サルでき流、検索エンジンにウケるタイトルの付け方ルール
  • まずは、Webサイトのタイトルに、Google様用の検索キーワードを3~5個入れる
  • ついでに、検索結果に並んだ時に人間様の目を引くキーワードを1~2個入れる
  • 記事タイトル等の各タイトルは、Webサイトのタイトルとの相乗効果を狙う(※すでにWebサイトのタイトルに入っているキーワードは、記事タイトルには入れない)
  • 結果的にタイトルが長くなってしまうが、検索結果のタイトル欄はカットされても仕方がないと割り切る(※せめて、トップページが検索された時はカットされないよう、Webサイトのタイトル単体は、ほどほどの長さにしておく)

うむうむ。そうでしたそうでした。

クールさもスタイリッシュさもない。本当にここは「時代の最先端を行く技術系連載が集う技術評論社のWebサイト」かと、一瞬疑ってしまうほど、⁠フリーダムな手法」が展開されていますね。だって途中から「仕方がない」って言っちゃってるもの、この人。

でも、いーのいーの。

大丈夫、⁠本質」を見失わなければいいのです。

要するに、「こんなページを見つけたい」と思っている人にとって、⁠ひと目見てソレとわかるタイトル」であることが重要ということなのです。

だって、ユーザーにとってわかりやすいタイトルが、ユーザーの利便性のために作られている検索エンジンに嫌われるハズがありませんものね。

はい、ではこれで、タイトルの付け方はわかりましたね。前回書きましたが、SEOの中では、タイトルの影響力はずば抜けて大きいものがありますので、とりあえずここまでは気合を入れてやってみましょう。

では、タイトルをしっかり付けることを覚えたら、今回はその続き、⁠記事の書き方」についてのお話をしていきます。

文章を書くの、お好きですか?

ところでみなさん。

みなさんは文章を書くの、お好きですか?

ここで、⁠ハイ!大好きです!」と言えるアナタはとってもステキで、とっても幸せだと思います。いえいえ、決して嫌味で言っているわけではございませんよ。ホントです。本当にそう思うのです。

だって思い出してくださいな。今までのワタシたちの人生で、文章を書くって言ったら、どんな時でした?

  • 小中学校での作文、読書感想文
  • 大学受験の現代文の設問、小論文
  • 就職試験の履歴書、エントリーシート
  • 会社での年度目標設定シート、自己評価シート

なんだかいっつも、⁠誰かに添削される」文章ばかり書いてきた気がしませんか?え?ワタシだけですか?いーや、そんなことないでしょう。せいぜい「日記」「教科書の余白に書くポエム」くらいじゃないですかね、他 の人の目を気にせず、好き勝手に書けた文章って。

おかげでワタシは、いわゆる「キチンとした文章」を書くのがすっかり嫌いになってしまいました。正しい答えを書かなきゃ、枠をちゃんと埋めなきゃ、そんなことばかり考えるのがウンザリなのです。

自由気ままに、思いのままに。そういう風に文章を書きたいのに、こうもギスギスした評価者からの視線が感じられては、筆が少しも進みません。嗚呼、日本の国語教育は、何故そんなに正しさにこだわるのかー。

<フリーダムに対する壮大な言い訳 完>

あースッキリした。いえ、まあさすがに、実際はそこまで言いませんけどね。ワタシも今やいい大人ですので。キチンとしたことを書かなければならない時があることくらいわきまえているつもりです。

ええ、⁠この部分とこの部分とこの部分、ちょっと何書いてるのかわからないんですけど」って編集さんに言われたら、光の速さで書き直します。そりゃもうキチンと書き直しますともっ!

……コホン。

いえね。そもそも「記事を書く」という行為って、もしかしたら多くの人にとって、ちょっと嫌なものもしくは、だいぶ嫌なものなのかもしれないなー、と思うのです。

タイトルと違って、1行では済まないのが記事。しかもここは企業サイト。下手なことでも書いてごらんなさい。やたらとアナタの会社のことが大好きで、ホームページの隅から隅まで日々チェックを欠かさない、そんな取引先の山下社長(仮)から、いつものようにお叱りの声が飛んできます。

だからこそ、そこに「SEO対策」という名の、得体のしれない制約がワンサカあるのは、正直かなりシンドイことになるなー、と思うのです。

ですので、記事の書き方についてのルールは、タイトルよりもずっとシンプルです。アレもコレもソレもになるのではなく、今回は「コレ」だけを覚えて帰ってくださいまし。

ウケる記事の書き方:文章の流れ編

それでは行きますよ。

検索エンジンにウケる記事の書き方その1は、ズバリ、「ズバッと本題から書いていく」ということです。

……ハイそこのアナタ、そんなに不安そうな顔をしない。ちゃんと順を追って説明していきますからね。

ワタシはですね。一応自分で会社をやっているのですが、そのサービスの中に、⁠企業サイト(ブログ)の中の記事の添削&編集」というものがありましてね。今までに千本単位で、他の誰かの記事に対して「読んで、直して、コツを教えて」ということをやってきました。大人版の赤ペン先生みたいなものです。

で、さすがにそれだけ大量の記事を見ていますと、文章を書くことに特段慣れているわけではない、そんな普通の人の文章には結構似通ったパターンがあるのがわかるようになってきます。

たとえば、こんな感じ。

STEP1:まずは、つかみの話題を大量投入

まずはこれですね。ビジネスマンの、とくに営業系の人が全員装備しているという「つかみの話題」から入ります。

季節の話題、最近行われたイベントの話題、個人的なニュースなどなど……、軽めの話題から入ることで、気分を盛り上げていくわけですね。

そのうち、なんだか本当に気分が盛り上がってきたのか、Wikiからの引用を入れてみたり、写真を入れてみたり。つかみの話題がバンバン広がりを見せていきます。

この段階で結構なボリュームになっているのですが、書くのが気持ち良いのでなかなか止められません。

STEP2:そして、急な方向転換で本題へ

ある程度の段階で、疲労感から我に返ったのか、本題に切り替えます。

ただ、つかみの話題が思った以上に広がってしまったため、どう収束して本題に切り替えていいかがわからなくなったのでしょう。

「と、いう私のどうでもいい話は置いておいて」

と、直角ターン。読者さんを窓の外に振り落としてからのアクロバティックな本題入りをやってしまいます。

そうして入った本題ですが、つかみの話題と比べると書かなければいけない話題にカッチリしたものが多く、イマイチ気分が盛り上がりません。

引用や画像や、読者さんにとっての有用な情報も加えられないまま、本題は進みます。

STEP3:最後は、いきなり締めて終了

気持ち良く書いていた「つかみの話題」から、イマイチ盛り上がらない「本題」に移ることで、精神的に疲労感が倍増してしまい、文章を書く体力が急速に失われて行きます。

そして唐突に訪れるエンディング。もちろん計算されてのエンディングではなく、体力切れで無理やり締めたエンディングですので、どうにも尻切れ感が否めないものになってしまいます。

こんな感じ。

……なんとなーく思い当たるフシ、ありません? これは、本当によく見るパターンなのです。ワタシ自身も記事を書きますが、気を抜くと同じような感じになります。つかみの話題超楽し~!的な。

そんなワタシが言うのも何ですが。実はこの流れ、SEO的にあまり良くない書き方なのです。

検索エンジンは、記事のタイトルだけではなく、記事の中身である文章もちゃんと見ています。良い記事かどうかは、中身の「質や量」抜きには判断できないからです。

ただ、記事の中身を見ていく時に、そのすべてを完璧に把握しているのかというと、ど~も、そういうわけでは無さそうなのです(表現が微妙なのは、基本編でお話したとおり、仕組みが企業秘密だからです⁠⁠。

検索エンジンは記事のどこを見ている?

インターネット上にこんな感じの実験がありましたので、ワタシも真似してやってみることにしました。

実験内容
  • 記事を1本用意します
  • その記事が確実にヒットするキーワードを選びます
  • さらに、その記事に含まれるキーワードを複数選びます
  • それらを組み合わせて検索した時の、検索結果を検証します
具体的なサンプル
  • 当連載第24回(⁠⁠転ばぬ先のバックアップ。WordPressのバックアップを取ろう!⁠⁠)を対象とする
  • 確実にヒットするキーワード:サルでき流
  • 記事に含まれるキーワード:インポート、ハードディスク
  • キーワードの組み合わせ:「サルでき流+インポート」⁠サルでき流+ハードディスク」

キーワードに「バックアップ」を入れてしまうと、記事力よりもタイトル力でヒットしてしまい、検証がしにくいので、第24回の記事中にしか出てこない「インポート」⁠ハードディスク」を選びました。

では、実際に行ってみましょう。

サルでき流+インポート
検索結果検証用ツール、DW230を今回も使っています
検索結果検証用ツール、DW230を今回も使っています

おや……、ヒットせず、ですね。バックアップの記事の中には、⁠インポート」という言葉を11箇所で使っていますので、それほど弱いキーワードではないと思いましたが……。

サルでき流+ハードディスク
燦然と輝く1位の文字
燦然と輝く1位の文字

なんと、こちらは1位に表示されました。インポートよりも検索エンジン的にはウケたということなのですが、⁠ハードディスク」という言葉は記事中に2箇所しか書いていないのです。

では、⁠インポート」という言葉と「ハードディスク」という言葉で何が違うのか、というと、実は書いてある場所が違います。

ハードディスクは1ページ目(前の方)で、インポートは4ページ目(後の方⁠⁠。

これはもしや……。

もちろん、当連載のサイト基盤によるクセ、とも考えられますが、他の方の検証でも、⁠記事の前の方に書いてある情報のほうが、記事の後ろの方に書いてある情報よりもウケやすい」と書いている方がいらっしゃいました。検索エンジンは、文頭から数百字~数千字しか見ていないのではないかと。

ワタシの経験則でも、大事なことは、記事の前の方に書いておいたほうがウケが良いような気がしています。

ね。つまり、そういうことです。記事を書く際は、⁠膨大な量のつかみの話題」よりも、「ズバッといきなり本題」から書いておいたほうが良いということになるのです。

  • STEP1:挨拶もそこそこに、体力があるうちにズバッと本題を書いて
  • STEP2:本題が書き終わったら、⁠そう言えば~」と、締めの前につかみの話題で書く予定だったことを書き
  • STEP3:気分が盛り上がったところで、その気分のまま締める

コレで行きましょう。

ウケる記事の書き方:被リンク編

では、次です。

検索エンジンにウケる記事の書き方その2は、ズバリ、「口コミしやすい記事にする」ということです。

……ハイそこのアナタ、またそんなに不安そうな顔をしない。確かになんだかよくわからない感じになってしまった自覚はワタシにもありますので。

SEOの記事をあちこち眺めていますと、こんな言葉がよく出てきます。「被リンク」どこかで聞いたことありませんか?

被リンクとは、被+リンクが組み合わさった言葉で、⁠他のWebサイトから自分のWebサイトにリンクを貼られること」を指しています。

SEOとして古くからある考え方のひとつに、⁠被リンクが多くあるWebサイトは、良いWebサイトだ」というものがありましてね。

何故かというと、被リンクが多くあるということは、それだけ他のWebサイト運営者にとって、⁠このWebサイト(の、このページ)は、自分のWebサイトにリンクを貼ってまでして紹介しておきたい有益なWebサイトだ」と思われているとうことですので、Webサイトの良さを評価する、とってもわかりやすいポイントになるわけです。

最近よく見るFacebookやTwitterなどのSNSでも、どこかのWebサイトの情報を「いいね!」⁠ツイート」しますよね。

最近のWebサイトにはよく「いいね!」⁠ツイート」ボタンが付いていたりします。つまりこれって、Webサイト側から見れば、やっていることは、被リンクを集めていることにほかなりません。

こういうリンク、被リンクのやりとりが、言い換えれば「Webサイト上での口コミ」となるわけで、⁠口コミがあればあるほど、良いWebサイト」と評価されていると考えれば、こういう仕組みが発達していくわけもわかりますね。

ただ、この仕組みを悪用する人がいましてね。被リンクを山ほど貼るツール、みたいなもので、検索結果を押し上げようとする動きがあり、検索エンジン側も、様々な対応を行っているようです。

複雑な問題は……まあ今はサラッと流してOKです。検索エンジンは多岐にわたる情報を収集していますので、単にタイトルや記事本文のような文字情報だけが評価基準になっているわけではないということだけを、ここでは覚えておきましょう。

で。被リンクを集められる(口コミが広がる)ような記事を書こうぜ、というのがここでのテーマなわけですが……。

そんな確実な方法、無いですよねえ。

ええ、そうです。無いんです。残念ながら。Facebookで「手塩にかけて育てたイソギンチャクの写真」を自信満々に投稿したら、1件も「いいね!」が付かなかった、なんてこと。ありますもんね。しょっちゅうですもんね。泣きそうになりますもんね。

ですので、安全確実な必殺の裏技、みたいな考え方はナシで行きます。検索エンジンの本来の目的を思い出しつつ、軸をブラさない考え方をするようにしましょう。

被リンクを得るために、口コミを広げるために、考えること。

それは、相手にとって、役に立つ記事にすることです。

……え?ムズカシさが変わっていない?

いえいえ、えーと。役に立つということは、何も超面白い文章を書け、ということではなくてですね。言い換えると「相手がその情報を手に入れるのにかかる、数秒~数分を短縮してくれる記事にすること」ということです。

たとえば、

  • ポイントとなる部分を、太字や大文字で装飾しておく
  • 関連する記事には、記事内リンクを付けておく
  • 外部サイトの記事の場合は、引用や参照リンクを付けておく
  • ひと目でイメージがわかる写真(画像)を載せておく
  • 地図をあらかじめGoogleマップから持ってきて載せておく

このくらいであれば、別にそこまでムズカシいことではないですよね。やろうと思えばできそうです。ですが、実はこういうことを意識するだけでも、結果は大きく変わってきます。

要は、丁寧に記事を作り込みましょうということなのです。せっかく書いた文章ですので、細部に至るまで読みやすいものにしようと、最後の一手間をかける姿勢が大事です。

読み手が「ああ、助かるわ~この記事」と思ってくれれば、被リンクへの、口コミへの可能性はグッと高くなります。

信じましょう、ワタシではなく、読者様を。

ではでは、今回の内容を整理しますね。

サルでき流 検索エンジンにウケる記事の書き方ルール
  • ズバッと本題から書いていく
  • 口コミしやすい記事にする

まとめ

いかがでしたか?

今回はズバッと本題から書いたつもりでしたが、どうですか。ちゃんと書けていましたか、ワタシは。え?全然ダメ?気合が空回りしてむしろ残念なことに?

……コホン。えーと、それはともかく。

書店に並んでいるSEOの対策本を見ると、⁠文章は書けて当たり前⁠⁠、⁠その上で、どう対策を考えるか⁠⁠、という目線で書かれているものがほとんどのような気がします。

そうは言ってもねえ。作家でもないのに、ステキな文章を量産するなんて、厳しいッスよ。ましてや企業サイト。⁠締め切りに間に合わせるのがやっとです」という方のほうが、実際には多いんじゃないかと、ワタシは思うのです。

キツイなーと思って書いた文章は、なんとなーく読み手側に伝わるものでして。そうなると、SEOうんぬんの前に、⁠読みたい」と思われるような、良い記事にならなかったりするのです。

ですので、記事に関しては、「あらかじめ気分良く書ききれるような流れを作り、最後のひと頑張りで丁寧に仕上げる」というくらいの、ゆるい枠で考えていくのが、良いのではないかと思います。

書き続けていくことも、立派なSEO対策ですからね。

……おっと。

と、いうところで終了の時間です。

ではでは、今回はここまで!

次回をお楽しみに~。

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