Webデザイナーなら知っておくべき サーバ知識相談室

第5回 wwwありとなしはどっちがいい? サブドメインは0円? DNSサーバの疑問を一挙解決

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これでDNSコンテンツサーバに,ドメイン(imjbank.co.jp及びwww.imjp.co.jp)とIPアドレス(192.0.2.84)を紐づけるAレコードが登録できました。ドメインは購入したし,Whois情報も登録したし,Webサーバにはコンテンツをアップしてあるし,DNSコンテンツサーバにAレコードも登録したし,今度こそサイトが見られるはず!http://imjbank.co.jp/を開いてみると,なんとまたあの画面が表示されてしまいました。

IMJ銀行のサイトはまだ見られなかった

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なぜ見られないのでしょうか。それは「imjbank.co.jpというドメインは,お名前.comのDNSコンテンツサーバを使う」という設定をしていないからです。

大事なレコードとして,⁠ドメインとWebサーバの組み合わせ」であるAレコード,⁠ドメインとメールサーバの組み合わせ」であるMXレコードを説明しましたが,実はもう1つ,重要なレコードがあります。それは「ドメインとDNSコンテンツサーバの組み合わせ」であるNSレコードです。NSはNameServerの略で,NSレコードは名前の通り「ドメインとDNSコンテンツサーバの組み合わせ」のことです。

現状を図で説明すると,緑色の「a.dns.jp」というDNSコンテンツサーバに,imjbank.co.jpのNSレコードが登録されていないので,imjbank.co.jpというドメインがどのDNSコンテンツサーバを使うのかが分からず,IPアドレスが分からないという状態です。

NSレコードの登録をしていないと,ドメインとDNSコンテンツサーバが繋がらない

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このように,いくらDNSコンテンツサーバにAレコードを登録しても,そのドメインのNSレコードで「どのDNSコンテンツサーバを使うか」が指定されていないと,目的のDNSコンテンツサーバまでたどり着けないのです。

ではIMJ銀行の広報担当者は何をしなければいけないのでしょう? ドメインを購入したレジストラ,つまりお名前.comの管理画面で「imjbank.co.jpというドメインは,どのDNSコンテンツサーバを使うか?」を設定しなければいけません。

お名前.comの管理画面「ドメインNavi」から,⁠ドメイン設定⁠⁠→⁠ネームサーバの設定⁠⁠→⁠ネームサーバの変更⁠⁠→ [他のネームサーバを利用]と進んで,使用するDNSコンテンツサーバを入力します。今回は自社のDNSコンテンツサーバを使用するため,インフラ担当に聞いた「ns1.imjm.netとns2.imjm.netとns3.imjm.net」を登録しました。

使用するDNSコンテンツサーバを登録

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これで次の図のように,imjbank.co.jpというドメインからWebサーバのIPアドレスが引ける状態になりました。IMJ銀行の広報担当者が「今度こそ!」とブラウザでhttp://imjbank.co.jp/を開くと……,ようやくIMJ銀行のサイトを見ることができました!

ようやくimjbank.co.jpがブラウザで見られるようになった

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以上が「ドメインを買ってから,サイトが見られるようになるまで」の流れです。結構大変でしたね。

サブドメインはお金がかかる?かからない?

ちなみに今回は,http://imjbank.co.jp/というサイトを開設しましたが,後日,ネットバンクのアプリをリリースすることになって,そのためにappli.imjbank.co.jpというドメインが必要になったとします。今度はどうしたらいいでしょう?

imjbank.co.jpを購入したときと同じように,またお名前.comでappli.imjbank.co.jpというドメインを買わないといけないのでしょうか。いいえ,購入する必要はありません。なぜならば,一度ドメインを買えばサブドメインは無料で自由に作れるからです。

ドメインは「imjbank.co.jp」「example.net」のように,.(ドット)で区切られています。そしてimjbank.co.jpというドメインを購入したら,appli.imjbank.co.jpやshop.imjbank.co.jpのように,ドメインの左側に単語と.(ドット)をつけて,ドメインを複数に分けることができるのです。

このとき,appli.imjbank.co.jpやshop.imjbank.co.jpのことを,imjbank.co.jpのサブドメインと呼びます。補足しておくと,imjbank.co.jpはco.jpのサブドメインですし,co.jpはjpのサブドメインです。さらにサブドメインのサブドメインを作ることも可能ですので,iphone.appli.imjbank.co.jpやandroid.appli.imjbank.co.jpといったサブドメインも作れます。使う単語はなんでもいいので,we.love.imjbank.co.jpというサブドメインだって作れます。

imjbank.co.jpを購入したときは,お名前.comにドメインの登録代金を払いました。しかしサブドメインを作るときは,お金はかかりません。imjbank.co.jpというドメインさえ持っていれば,imjbank.co.jpのサブドメインは無料で自由に作れるからです。

サブドメインを作るには,wwwありやwwwなしのAレコードを作ったときと同じように,DNSコンテンツサーバにAレコードを登録するだけです。お名前.comのDNSコンテンツサーバを使う場合は,こんな感じでサブドメインはいくらでも増やせます。

サブドメインを増やすにはAレコードを追加すればよい

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エピローグ:Aレコードを登録して独自ドメインでTumblrのサイトを見てみよう

Webデザイナー「難しいー! けど,ドメインとTumblrのサーバのIPアドレスを繋ぐAレコードを,お名前.comの管理画面で登録すればいいんだよね?」

エンジニア「そう! TumblrのサーバのIPアドレス分かる?」

Webデザイナー「分かんない……」

エンジニア「Tumblrにログインして,一番上の歯車アイコンから設定画面に進んでみて」

Webデザイナー「進んだ!」

エンジニア「ユーザ名の右側にエンピツのマークがあるでしょ? そこを押して,独自ドメインを使用するをオンにして。それからドメインを入力して,テストしてみて」

Webデザイナー「おお! このドメインのAレコードはTumblrにポイントされていません。ドメインのAレコードを66.6.44.4に変更する必要があります。って出た」

エンジニア「じゃあお名前.comの管理画面で,tumblr.○○.comと66.6.44.4を繋ぐAレコードを登録すればOKよ」

Webデザイナー「ありがとう!」

エンジニア「○○.comがお名前.comのDNSコンテンツサーバを使うって設定になってるかどうかもちゃんと確認してね。多分Aレコードの登録をするときに,一緒に聞かれると思うから,そこで設定しておけば問題ないと思うわ」

Webデザイナー「ありがとう。やってみるよ」

こうしてWebデザイナーの悩みが,また一つ解決されたのでした。

次回のお悩みは?

Webデザイナー「SVNってファイル共有ソフトじゃないの? ちゃんとバージョン管理してって言われたけどよく分からない……」

次回のサーバ知識相談室は,SVNこと「Subversion」についてご紹介します。制作したIllustratorのファイルや画像を他の人に受け渡すだけでなく,複数人でバージョン管理するにはどうしたらいいの? バージョン管理ソフトについて学んで,デグレ知らずのWebデザイナーになりましょう。

著者プロフィール

堀越良子(ほりこしよしこ)

株式会社アイ・エム・ジェイのインフラエンジニア。ウェブインテグレーションの下支えとなるサーバホスティングサービスの構築と運用を担当している。

モバイルサイトのエンジニア,SIerとソーシャルゲームの広報を経て,2013年より現職。「分からない気持ち」に寄り添える技術者になれるように日々奮闘中。