WEB DESIGN WORKSHOP「正しいウェブデザイン」

第3回 Raising CVR「コンバージョン率を上げる」

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明確なインセンティブの提示

受動的にサイトを訪れるパッシヴユーザーを目的のアクションへ誘導する際に効果的なのが,プレゼントやダウンロードコンテンツの提供などの明確なインセンティブの提示である。個人情報や購入などのアクションとの引き換えに何かを入手できることが明確に提示されていれば,ユーザーがそのアクションを行う確立は高くなる。明確なインセンティブが用意できない場合はサービス内容をメリットや特典として演出・表現する。例として,メールマガジンを「優先的な最新情報のご案内」などと表現する場合がある。

このようなインセンティブはユーザーがサイトへ訪れる前から,目的のアクションを起こすまで有効だ。まずはバナーなどの広告でインセンティブを明確に提示し,パッシヴユーザーをサイトへ誘導する。サイトを訪れたユーザーがインセンティブを求め,コンテンツ間を移動する際に見て欲しいコンテンツを表示することにより,効果的な導線を築くことができる。例として,化粧品のプロモーションを行う際,モニターや無料サンプルプレゼント応募を行いたいユーザーをバナー広告やリスティング広告から誘導し,フォームまでに製品情報や二次的なプロモーションに繋がるコンテンツ(ブログパーツダウンロードなど)を閲覧させ,応募後にアンケートに答えさせる。明確なインセンティブの提示と戦略的な導線上の配置により,コンバージョン率を大幅に上げることができる。

画像

※4 パッシヴユーザー
受動的なアクションでウェブサイトを訪れるユーザー。

ユーザーを後押しするモティベーションの演出

インセンティブがユーザーを引き付け,誘導する力であれば,モティベーションへ働きかける演出はユーザーを押す力である。アクションを起こす直前に「起こしても良い⁠⁠,⁠起こしたい⁠⁠,⁠起こしやすい」と思わせる事によってユーザーに必要な一押しを加えることができる。例えば,

プレゼントは「抽選」ではなく「限定」と書くことにより,応募するメリットをユーザーに感じさせることができる。期間の限定を明記することも効果的だ。

応募が単なるフォームへの記入ではなく,ゲーム形式になっている事や,診断や占いコンテンツと絡めることもユーザーアクションの獲得へと繋がる。

問い合わせフォームに問い合わせ目的のチェックボックスを表示することにより,内容が当てはまるユーザーにそのプロセスをよりパーソナルに感じさせ,最初のアクションをより起こさせやすくすることができる。ユーザーに複数のステップを含むアクションを実行させる場合,プロセスが簡単であるという事や,ステップ数がガイドされているなど,ユーザーに安心感を与えることも効果的だ。

目的のアクションによって,ユーザーのモティベーションに働きかける演出も変わってくるが,自身がウェブサイトへ何らかの個人情報の入力など,アクションを起こしたときにどのような働きかけがあったかは,常に注目しておくべきだろう。

ウェブサイトのコンバージョン率を上げるために,上記の対策を行うことは必須である。いかに魅力的な製品やサービスのアピールを行っても,効果的な設計を通じて,目的のアクションに合ったツールをユーザーに提供できなければウェブサイトは目的を果たすことができない。集客したトラフィックを最大限に活かせるよう,目的を達成するために必要なツール,ユーザーを引き付けるインセンティブ,モティベーションを後押しする演出を定め,高いコンバージョン率を獲得することを心がけよう。

著者プロフィール

荻野英希(おぎのひでき)

FICC inc. 代表。ファッションブランドのアートディレクターを勤め,ウェブプロデューサーとして様々なブランドや企業のウェブプロモーションを手がける。デザインポータルAnotherbookmarkの運営や雑誌連載の執筆など,幅広い活動を行っている。

URLhttp://www.ficc.jp/