WEB DESIGN WORKSHOP「正しいウェブデザイン」

第19回 Synchronizing with Points of Sales「実店舗との連動」

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購買のサイクル化

重要なのはWEBサイトと店舗の双方から顧客となりうる新規ユーザーの個人情報を獲得する事である。その1割だけでもリピート購入につなげることができれば,売上は確実に向上する。集客した顧客をリピート購入のサイクルに入ってもらうためにはこの様な実店舗との連動とピンポイントなメールでのコンタクトが必要だ。

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リピート購入を促すメール

毎日買う日用品から車まで,消費される期間,買い換える期間は様々だ。そのためアプローチするべきタイミングも異なる。重要なポイントは,どの期間を過ぎるとリピート購入者が減るかを調べることだ。客のリピート率が最も極端に低下するポイントを見つけ,その前にメールを送ろう。そのようなポイントは何回かあるはずだ。食品などの日用品であれば一週間,一か月,三か月といった時期が該当するかもしれない。

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売上のデータなどから的確な送信のタイミングを見つけることができたら,どのようなメールを送るべきなのか? これは通常の定期配信のメルマガとは違い,顧客との接触回数によって送信内容を変えるステップメールであるということを認識しよう。どの段階で何を知らせればより関心を持ち,覚え,広めるか。これを理解する必要がある。

最初のメールは自己紹介のようなものを用意するべきである。いくら有名なブランドであろうと,一般消費者はそのブランドの裏にある理念や情熱を知らない。ルイ・ヴィトンのバッグやモノグラムは誰もが知っているであろうがミッション・ステートメント(伝統と革新)を言える人は少ない。他のブランドはより一層知られていないだろう。ちなみにダノンは「食品を通じて栄養と健康を届ける」会社である。どちらのブランドも提供する商品がこのミッションに沿っていることが分かる。ブランドのミッションを伝えることにより商品に対する正しい視点や理解,信頼を得ることができる。故に最初のメールはブランドの自己紹介であるべきだ。企業としてどのような商品を提供し,どのように社会貢献を目指しているか。これがブランドと顧客との最初の接点となる。

2回目のメールではブランドへの信頼を更に高めるために消費者のテスティモニアルや,ブランドのスポークスパーソンについての情報を送る。消費者の声というリアルな情報や,知っている人物の情報を送ることでブランドをより身近に感じてもらう事が目的だ。

3回目のメールではデジタルインセンティブを贈ろう。待受けや壁紙等で良いが,ポイントは使用してもらう事で広告効果を狙うというより,相手に「贈り物をもらった」という意識を持たせることだ。一切製品情報などを含まず,ターゲットが本当に「使用したい」と思うものを用意するべきだ。

このような仕組みは継続的なキャンペーンの実施と,CRMツールである程度自動化が可能である。実店舗で「売る」事を目的にしたWEBサイトを作る場合は,この顧客化のプロセスを意識した作りにしてほしい。

次回は魅力的な商品コンテンツの作り方について説明する。

著者プロフィール

荻野英希(おぎのひでき)

FICC inc. 代表。ファッションブランドのアートディレクターを勤め,ウェブプロデューサーとして様々なブランドや企業のウェブプロモーションを手がける。デザインポータルAnotherbookmarkの運営や雑誌連載の執筆など,幅広い活動を行っている。

URLhttp://www.ficc.jp/