いま,見ておきたいウェブサイト

第20回 HBO Imagine,Upgrade a Stranger,Wonderwall

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感覚を揺らす“驚きの壁”

『Wonderwall』

インテリアデザイン、建築デザインディレクション、プロダクトなど,多岐にわたって活躍しているインテリアデザイナーの片山正通(株式会社ワンダーウォール)さんが,2000年に設立した自身のオフィス「Wonderwall」のウェブサイトです。

図6 垂れ幕のように並ぶプロジェクトの数々

図6 垂れ幕のように並ぶプロジェクトの数々

credit: tha ltd.

ローディングが終了すると,片山さんが手がけたプロジェクトの数々が,画面の下から上へと長く伸びながら,垂れ幕のような形で次々と画面に表示されていきます。

図7 ⁠ぐにゃり⁠と変化するプロジェクトのサムネール

図7 “ぐにゃり”と変化するプロジェクトのサムネール

画面に並べられた各プロジェクトのサムネールの上にマウスカーソルを合わせると,空間といっしょにねじ曲げられるように,サムネールが⁠ぐにゃり⁠と変化します。この変化が何ともいえず面白く,ついついマウスカーソルをサムネール上で動き続けてしまいます。

図8 写真の切り替えでも⁠ぐにゃり”

図8 写真の切り替えでも“ぐにゃり”

この⁠ぐにゃり⁠とした変化は,プロジェクトの詳細ページでも画面の切り替え時に行われています。またウェブサイトを訪れる度にフッターの傾きが異なるなど,細部の動きや変化に注目しながら,いろいろなところを触りたくなるウェブサイトとなっています。

個性的なインターフェースを支えるもの

この『Wonderwall』では,マウスを通して感覚的に訴えてくる個性的なインターフェースに目を奪われてしまいます。ですが,ウェブサイト内を見回すと,その背後にあるインターフェースを生かす作りにも感心します。

しっかりと情報が整理されたウェブサイトの構造や,一度閲覧したプロジェクトのサムネールがジャンルを表すカラーで塗られるなどの細やかな仕掛けなど,驚くようなインターフェースとは反対に,非常に地味で堅実な仕上がりとなっています。

誰もが驚くような,インパクトのあるインターフェースを,頭の中から生み出すことはとても難しい作業でしょう。しかし,生み出されたインターフェースをウェブサイトになじませることは,さらに難しいだけでなく,とても重要な作業だと思います。そしてそれが実現したとき,誰もが素晴らしいと感じるウェブサイトが誕生するのだと思います。

というわけで,今回も最後まで読んでいただき,ありがとうございました。それでは次回をおたのしみに。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。