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第170回 Gatik and Walmart Achieve Fully Driverless Deliveries in a Worldwide First,GitHub Copilot,Adobe Creative Cloud Express

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誰もが使えるデザインツール

Adobe Creative Cloud Express(formerly Adobe Spark)

Adobeが提供を開始した,⁠誰もが創作活動を行えるようにするための新しいウェブ・モバイルアプリ⁠⁠,⁠Adobe Creative Cloud Express」のウェブサイトです。

図2 Adobeが提供を開始したウェブ・モバイルアプリ「Adobe Creative Cloud Express」を紹介するウェブサイト

図2 Adobeが提供を開始したウェブ・モバイルアプリ「Adobe Creative Cloud Express」を紹介するウェブサイト

「Adobe Creative Cloud Express」は,デザインなどの特別な訓練を受けていないユーザーに向けた製品で,SNSに投稿する写真の編集や画像の作成,動画サイトで使うサムネイル画像の作成といった,簡単なデザイン作業を行うのに適したツールとなっています。ウェブサイトにformerly Adobe Spark(旧Adobe Spark)と追記されているように,これまで「Adobe Spark」と呼ばれて提供されていたウェブ・モバイルアプリのリブランドとなります。

簡単なデザインを行うツールではあるものの,Adobeが提供しているツールやサービスの機能を生かしたアプリとなっています。人物の背景をワンクリックで消したりエフェクトが追加できる「Photoshop」機能,簡単な動画の編集機能,SNSや動画のサムネイルなどの数千ものデザインテンプレート類やAdobe Stockの無料画像など,デザイン作業を行う上で最低限必要な機能や素材が初めから利用できます。

「Adobe Creative Cloud Express」の機能を紹介した動画

基本無料で利用できる「Adobe Creative Cloud Express」ですが,月額1,078円(または年額10,978円)のプレミアム会員となることで,⁠Adobe Photoshop Express」⁠Adobe Premiere Rush」などのアプリケーションとの連携が可能になります。

今後も拡大する,一般ユーザー用のデザインツール

Adobeのデザインツールといえば,⁠Photoshop」「Illustrator」といったデザインのプロ向けアプリケーションが有名です。しかし近年,Adobeのクリエイティブツールである「Adobe Creative Cloud」の売上高の伸びが鈍化(直近の四半期決算では売上25億ドル,前年同期比19%増)しています。そのため,拡大の見込める企業や一般ユーザー向けデザインツールとして「Adobe Creative Cloud Express」を提供してきたと考えられます。

現在,多くの企業では,自社のオウンドメディアやSNSを使っての頻繁な情報発信が増えています。毎日閲覧している企業のSNSなども,タイムライン上で画像や動画のコンテンツを見ない日はありません。

頻繁に情報を更新するとき,たとえば,単純な画像一枚だけの制作に外部の制作会社を使うには時間が足りません。かといって,作ったのは素人だとわかる画像や動画を公開するのも避けたいです。そこで,コンテンツを提供する社員の学習コストが少なく,コンテンツを引き立てる魅力ある画像や動画を,簡単かつ効果的に制作できるツールが必要になるのです。

こうしたニーズに答えられるのが,⁠Adobe Creative Cloud Express」のような,本格的にデザイン教育を受けたこともなく,画像や動画の編集ソフトの使い方を知らない人に向けたデザインツールです。SNSを通じた情報発信が主流になった今だからこそ,こうしたツールが重要な役割を果たすのは間違いありません。

図3 オンラインベースのデザインツールのひとつである「Canva」

図3 オンラインベースのデザインツールのひとつである「Canva」

ただ,ブラウザから簡単に利用できるオンラインベースのデザインツールは,すでに多数の競合が存在している競争の激しい市場です。以前から評判が高いCanvaPixlrFotorなど,多数のデザインツールがすでに支持を得ています。

2021年11月には,Microsoftも動画編集ツールのClipchampを発表しました。こちらもブラウザ上での簡単な動画制作に特化したサービスですが,⁠素早く,簡単に,見栄えの良い制作物を作りたい」という需要とSNSによる情報発信が主流である限り,オンラインベースのツールは増加していくでしょう。今までとは異なるターゲットに向けたデザインツールの覇権争いは,これから激しさを増しそうです。

というわけで,今回も最後まで読んでいただき,ありがとうございました。それでは次回をおたのしみに。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。