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[夏休み応援企画]Scratchではじめるプログラミング学習&自由研究

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お家でプログラミングに挑戦!親子で学ぼう!

お子さんがプログラミング学習をする上で気になるのが,モチベーションの保ち方です。できあがったゲームを一緒に遊んでみたり,工夫点を聞いてみたり,本で学習している場合は進み具合を聞いてみたりと保護者からできるモチベーションアップの方法もいくつかあります。楽しんで学んでもらえるよう工夫すれば,自然とプログラミングは上達していきます。

ただ,これらはどうしても相対的な評価になりがちで,保護者もお子さんもどの程度までプログラミングを習得できたかを判断するのは難しいです。プログラミングそのものが好きなお子さんの場合は特に,プログラミングがどこまで習得できたか知ることができると嬉しいはずです。

そこで,下記に簡単な「プログラミングがどこまでできたかのチェックリスト」をつくりました。これをもとにステップアップの度合いを確認すると,わかりやすく達成感がえられるでしょう。ただ,あくまでもチェックリストはお子さんの学習を助けるためのものです。チェックリストで採点したり,チェックリストを埋めることにノルマを課したりすると,かえって純粋な学習意欲が削がれてしまうかもしれません。プレッシャーにならないように利用してください。

ステップアップ チェックリスト

Scratchでプログラミングを学習する際に目安となるチェックリストです。できたものにチェックをいれていきましょう。

キャラクターを動かしてみよう

「動きブロック」を使って,キャラクターを動かそう。

クリックするだけでも動くので,いろいろなブロックをクリックしてどのブロックでどんな動きになるのかを確認しよう

イベントを使ってみよう

「イベントブロック」を使って,イベントと動きを組み合わせてみよう。

「キャラクターがクリックされたら進む」「キーが押されたら回る」のように「こうしたらこうなる」というプログラムを作れるようになろう

くり返しを使ってみよう

「10回繰り返す」「動きブロック」を組み合わせてみよう。

くり返しの中には複数のブロックを入れることができるので,どの組み合わせでどんな動きになるかを試してみよう。

見た目ブロックを使ってみよう

動きだけではなく「見た目」ブロックも組み合わせてみよう。

コスチューム・大きさ・色…などをプログラムで変えることができるよ。色以外にも,▼ボタンからいろいろな効果を選べるので試してみてね。

「もしブロック」を使ってみよう

ブロックの使い方がわかってきたら,⁠もし○○なら」のブロックを使って「条件分け」に挑戦してみよう。

もしブロックの中には「調べるブロック」を組み合わせて「もし○○に触れたなら」「もし○○キーが押されたなら」のような条件を作ることができるよ(※もしブロックは「ずっと」などの繰り返しブロックの中に入れて使おう⁠⁠。

ここまでで,⁠イベント・動き・くり返し・条件」のプログラムの基本がマスターできたよ!もっとレベルアップしてみよう!

マイナスをつかってみよう

Scratchやコンピュータの世界では「マイナス」「逆向き」の意味でも使われるよ「-10歩動かす」だと後ろ向きに進むという意味で,⁠-90度に向ける」だと反対方向に向くよ。いろんな数字にマイナスをつけて試してみよう。

座標を使ってみよう

座標を使うと,ステージの正確な位置をスプライトに教えることができるよ。スプライトのステータスにある「x」「y」が,ステージ上のキャラクターの座標だよ。⁠動きブロック」の中にある「座標」を使って,自分の好きな場所を座標で示せるようになろう。

変数を使ってみよう

スコアやライフといったパラメーターを保存しておくのに便利な「変数」というものがあるよ。⁠変数を作る」ボタンで好きな変数を作ったら,⁠変数を〇ずつ変える」でパラメーターを変化させてみよう。変数の値を減らすときには「マイナス」を使うよ(変数には文字も入れることができるよ⁠⁠。

演算ブロックを条件に使ってみよう

「もしブロック」の条件には「演算ブロック」も使うことができるよ。<>=のブロックは座標や変数を比べることができるので,⁠x座標が0より大きかったら」とか「ライフが1より小さかったら」のような条件を作ることができるよ。さらに「かつ」⁠または」⁠ではない」のように,条件同士を組み合わせることもできるよ。

クローンを作ってみよう

「クローンを作る」ブロックでキャラクターのコピーを作ることができるよ。見た目だけじゃなく,プログラムまですべてコピーされるから,クローンにもプログラムして好きな動きをさせることができるし,クローンは300個まで出すことができるよ。

リストを使ってみよう

リストは変数がたくさん集まったものだよ。リストにデータをいろいろ入れてみて,自分の目的のデータを出せるようになろう。⁠演算ブロック」「乱数(ランダムな数⁠⁠」を使えば,リストの中からランダムでデータを取り出す「おみくじ」「クイズ」のようなものも作れるよ。

定義ブロックを使ってみよう

たくさんプログラムしていると,同じようなプログラムがいくつも出てくることがあるよね。そういうときは,同じプログラムを「定義ブロック」にまとめてみよう。

拡張機能を使ってみよう

「ペン」⁠音楽」⁠モーションセンサー」⁠翻訳」などいろいろな拡張機能を使ってみよう。ここまでくれば「試しながらプログラムする」ことが身についているはず。どんどん試して,新しいゲームを考えよう!

自由研究としてScratchを行うときの注意点やおすすめ

プログラミング教育が広まる中,夏休みの自由研究にScratchを使用するケースも増えてきました。Scratchはゲームづくりで特に人気があります。ゲームづくりというと遊びのように聞こえるかもしれません。もちろん面白い(楽しめる)題材ではありますが,ゲームづくりは常に考え,検証し,実験して進むものです。多くの学びがあります。筆者としては自由研究に向いている題材だと思っています。

さらに,Scratchはゲーム以外にも,アートや音楽,シミュレーション,ストーリーなど自分の興味のある分野とも組み合わせられます。自分の興味のある分野とプログラミングを組み合わせてどういうことができるか調べ,実装(制作)してみるのはコンピュータにできることを知る上で大切な経験になります。

プログラミングそれ自体が題材でも,自分の興味のある分野とプログラミングの組み合わせでもScratchは自由研究にぴったりです。

Scratchでの創作は,まず「作りたいもの」のアイデアががあり,そのために何が必要かを分解して考える,というステップを踏みます。アイデアを考え,それを論理的に分解していくことは考える力を養うのに重要です。

ゲームづくりを自由研究の題材にするとつくりたいゲームの要素を分解して考えることとなります。そこからキャラクターを移動させたい,スコアを追加したいなど,プログラムの機能を考えていくことになります。ゲームの場合は,既存の作品を参考にして,作りたいものの具体的なビジョンが浮かびやすいのは良いところです。Scratchではこの「やりたいこと」がそのまま「ブロックの命令」になっていることが多く,思いついたままをプログラムに記述しやすいです。

Scratchは命令ブロックも簡単な日本語なので,プログラムを知らない人も「読めばなんとなく理解できる」特徴があります。そのためソースコード(プログラム本体)の掲示がしやすく,他のプログラミング言語よりも自由研究として活用しやすいでしょう。また,作品を誰でも利用・閲覧しやすいかたちで公開できます。ただ,このようなかたちでゲームだけ提出(公開)されても自由研究として認められない可能性が高いでしょう。

※)
ScratchならURLさえあれば遊んでもらえますが,ゲームそのものの提出は難しい点に注意が必要です。

自由研究の提出様式に従って,パソコンがなくてもどんな作品なのか,どんなところを工夫し,どのように作ったのかをわかりやすくまとめましょう。

著者プロフィール

大角美緒・大角茂之(おおすみみお・おおすみしげゆき)

岡山県を中心に小学生向けのプログラミング教室を運営。プログラミングワークショップを定期的に開催し,子どもたちにプログラミングの楽しさを伝えている。著書に『10才からはじめるプログラミング scratchでゲームをつくって楽しく学ぼう』がある。

ロジックラボ for kids:http://www.logic-lab.net/

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