小飼弾のアルファギークに逢いたい♥

#11 Twitter Evan Williams

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技術より製品

弾:これは必ず尋ねている質問なのだけど,次にヒットする技術は何でしょう? RoRとTwitter以外で。

Evan:うーん,わかりません(笑⁠⁠。

弾:技術にはもうあまり時間を割いてない?

Evan Williams氏

Evan Williams氏

Evan:そうかも。でもAIR(Adobe Integrated Runtime)には結構興味があるかな。私は技術そのものよりも製品に興味を抱いていて。たとえばSMS(Short Messaging Service;アメリカのケータイメール⁠⁠。これをなんとかしたい。SMSって利用率低いよね?

弾:うーん,そうかな。日本ではむっちゃ使われているのだけど。長いメールも書けるし,ケータイ以外ともメールを交わせるし。

Evan:そりゃすごい。

自分で作ったほうが早かった

弾:技術者としての経験は,どれくらい起業家として役に立ってる?

Evan:ものすごく。計算機科学の教育はきちんと受けたことがなくて,すべて自習なのだけど。

弾:実は私も大学はドロップアウトしていて。

Evan:それはそれは。私にとって,テクノロジというのはアイディアを実装する手段で,その過程で技術を学んだのだけれども,その過程でものごとの構造もよく見えるようになって,何が可能で,何が簡単で何が難しいのか,実際にやる価値があるのは何なのかを見抜けるようになった。実際にそれがどういう風になるのか,思い描くことができるようになったんだ。

あと,私の場合,実際に作っちゃったほうが,人に「こういうものだ」と説明した上で作ってもらうよりずっと早かったということもある。いちいち人にやってもらってダメ出しするより,自分でいじくり回したほうがよくわかる。

弾:うんうん。

Evan:で,これでイケるという感触をつかんだら,もっと上手に仕上げるエンジニアを雇えばいい。

弾:で,今までどうやって技術を習得してきたの?

Evan:うーん,いじくりまわしながらかな。初めてHTMLに触れたのが1994年ごろ。その前にちょろっとだけVisual Basicに触った経験があって…。とにかく作りたいものがまずあって,それに必要な技術を学んできたという感じ。自習にはWebは本当にありがたくて,何をどうやってやればいいのか,ほとんどすべてそこから学ぶことができた。

「できる」より「好き」であれ

弾:Webサイトを作るにあたって最も重要なことは? 2.0でなくてもいいので(笑⁠⁠。

Evan:情熱かな。できると見込んだらやる,という。人を見るときには,技術力よりもその人の持っている情熱に注目している。Webはまだ15歳ぐらいで,可能性はまだまだたくさんある。そういうところでは,⁠それを貫く能力」より「好きを貫く」力のほうがものをいう。⁠できるからやる」というのは,新しいことをやるには向いていない。

失敗しなきゃ何もわからない

弾:今まで何度も失敗してきているのに,落ち込みっぱなしにならなかった秘訣は?

Evan:私が失敗しても下りずに済んできた(failing without quitting)のは,うーん…諦めの悪さかな。失敗すれば落ち込むけど,失敗というより,過程なんだよね,うまくいくための。失敗しなきゃ,何もわからない。

弾:ということです,⁠人生オワタ\(^o^)/」が口癖の日本のみなさん。

Evan:すでに手をつけたことに関しては,簡単に諦めなかったのが私がうまくいった理由。Bloggerはもう動いていた。諦めてしまうにはあまりにしっかりと。あなたは,人生に手をつけてはいないのですか?

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著者プロフィール

小飼弾(こがいだん)

ブロガー/オープンソースプログラマー/投資家などなど。ディーエイエヌ(有)代表取締役。1999~2001年(株)オン・ザ・エッヂ(現(株)ライブドア)取締役最高技術責任者(CTO)。プログラミング言語Perlでは,標準添付最大のモジュールEncodeのメンテナンス担当。著書に『アルファギークに逢ってきた』(2008年5月,技術評論社)。ブログは『404 Blog Not Found』

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