使ってみよう! Bing API/SDK

第3回 Hello, Bing Map App!──Silverlightで作るBing Mapsアプリケーション(3)

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Map Appの登録

ここでMap Appの登録についてみてみましょう。Map Appは作成後すぐに公開できるわけではなく,Bing Mapsチームによる審査があり,許可されたものだけが利用できる状態になります。ここでは登録までの手順を紹介します。また,Map Appには満たすべき条件があります。登録時に確認することになりますが,これについてはこの後に紹介します。

執筆時点では,まだSDKが公開され間もないため,Map App SDKを利用したと思われるMap Appは登場していません。どのようなMap Appが採用されるなど詳しい情報もまだありません。そのため登録に関することは実際に試してみるしかわからない状況です。その点はご了承ください。またMap App SDKはBeta版であることにも注意です。

Map Appのアップロード

作成したMap Appは,Bing Maps Account Center図5にアップロードします。Maps Account Centerでは,Map Appの登録だけでなくBing MapsのAPIアクセスに必要なMaps Keyの管理なども行います。まだ一度もアクセスしたことがない場合,⁠New User」からアカウント登録を行いましょう。Windows Live IDアカウントによるサインインが必要です。

図5 Bing Maps Account Center

図5 Bing Maps Account Center

サインイン後,左のメニュー「Submit a map app」からMap Appの登録を行います図6⁠。

図6 Map App登録画面

図6 Map App登録画面

入力欄は,Map app name(アプリケーション名⁠⁠,Map app description(アプリケーションの説明⁠⁠,Publisher(発行者名)がまずあります。Type of map app(アプリケーションの種類)の選択は,連載で紹介したものはCustom map appになります。Startup parameters は連載で紹介していませんが,初期化時に指定するパラメーターを指定できます。この項目だけオプションです。Iconには,Map Appのアイコン画像を指定します。

そして,Map app filesには,Map AppのDLLファイルをZIP形式で圧縮したファイルを指定します。もしMap App SDK以外のライブラリーに依存している場合はそのDLLファイルも含めたZIPファイルを指定します。

最後にBing map app submission addendumの内容を確認し承諾したうえでSubmitボタンをクリックします。以上で,Map Appの登録が完了します。まだこの時点ではBing Mapsチームによる審査に進むわけではありません。

Map Appの公開ステータスの確認

Map Appが公開に至るまでの状態は,左メニューのView my map apps図7からわかります。

図7 Map Appのステータス確認

図7 Map Appのステータス確認

上図のCreatedの部分がステータスを表しています。アップロードした時点で,Map Appの自動チェックが開始し,何かしらのエラーがある場合はFailedへとステータスが変わります。そのエラー内容はInspection resultsから確認できます。UpdateからMap Appの登録画面に戻り,何度でもMap Appの更新が可能です。チェックが問題ない場合,Succeededへとステータスが変わります。

Succeededの状態からPublishをクリックすると,いよいよ審査待ちとなります。これには10営業日程度までかかるようです。ステータスはPendingに遷移します。

審査完了後,問題があれば拒否されステータスはRejectedになり問題点をinspection reportから確認し,Map Appの修正後Updateから再登録し再審査という流れになります。承認された場合,ステータスがPublishedになりBing MapsのMap App Galleryで公開されます。

Map Appの必要条件

次にMap Appの必要条件についてみておきましょう。Map Appを公開するためには,いくつかの要件を満たす必要があります。全項目はSDKの文書を参照して頂くとして,そのいくつかを紹介します。ただし,文書からでは不明確な点も多く,実際にMap Appの公開作業を行い,その結果から知るしかない部分もあります。

一意なDLLファイル名

Map AppのDLLファイル名は ほかのMap Appの名前と被らない一意になるような名前付けが求められています。命名規則は特にありませんが,.NET Frameworkの名前に関するガイドラインが参考になるでしょう。また,Map Appが依存しているライブラリーのDLLファイルも一意である必要があり,複数のMap Appで同じライブラリーを使用している場合,ひとつだけアップロードするようにします(複数のMap Appから同じライブラリーを共有する⁠⁠。

許可されていないAPIの利用

ネットワークアクセスなどSilverlightアプリケーションとしては使用できる機能でも,Map Appでは禁止されているものがあります。もしContractとして用意されている場合は,それを使用するか,禁止されている機能を使用しない設計にする必要があります。現在のところ具体的な禁止されている項目は不明で,Map App登録時の自動チェックとInspection resultsのレポート結果から知るしかありません。

コード分析

コード分析エラーがないことも条件です。Visual Studioの上位Editionには,静的コード分析の機能があり,利用できます。Visual Web Developer 2010などを使用している場合は,無償のFxCop図8というツールも利用可能です。Visual StudioとFxCopの分析内容には少し違いがあります。

図8 FxCop

図8 FxCop

FxCopは,Microsoft Windows 7.1 SDKにインストーラーが含まれています。FxCopを利用する場合は,SDKのインストール後,C:\Program Files\Microsoft SDKs\Windows\v7.1\Bin\FXCop フォルダにあるFxCopSetup.exeを実行してインストールを行います。

FxCopの使い方については,この連載では説明しません。FxCopを実行すると多くの警告が表示されますが,すべて修正する必要はありません。それぞれ内容を確認し修正を検討しましょう。Map Appに関連する条件は,これも実際に登録してチェックして確認するしかありません。

その他の条件

そのほかにも

  • ファイルサイズが100KB以下
  • アンチウィルスチェックのパス
  • DoS(Denial of Service)テストのパス
  • 最新のバージョンのアセンブリファイルを参照しているか
  • Bing Mapsチームの審査のパス

などが条件になります。

著者プロフィール

松江祐輔(まつえゆうすけ)

日本システムウエア株式会社 勤務。現在,ハードウェア設計・検証業務を担当。大学生・大学院生時代はベンチャー企業 有限会社ミレニアムシステムズにプログラマーとして従事。趣味はプログラミング。好きな言語はVisual Basic。Microsoft MVP for Windows Live Platform(Jul 2010 - Jun 2011),Windows Live(Jul 2011 - Jun 2013)。

URL:http://katamari.jp