これでできる! クロスブラウザJavaScript入門

第2回 完全版:ブラウザとデバッグ環境

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Google Chromeのデバッグ環境

Chromeはデフォルトで自動更新されるため,旧バージョンへの対応はあまり重要ではありませんが,それでも複数のバージョンでの確認は必要です。ChromeはIEと同じく複数バージョンを同時にインストールする方法は用意されていません。が,少々強引に動かすことは可能なので,その方法を紹介します。

まず,インストールしたいバージョンの詳細なバージョン番号を調べます。Chromeにはstable版,beta版,dev版と3つのリリースがありますが,通常はユーザーが使用しているのはstable版なので,安定版のリリース情報からバージョンを調べることができます。

2010年3月時点での安定版は 4.1.249.1042 です。このバージョン番号は前半2つと後半2つで独立した意味をもっています。まず前半の4はChromeのメジャーバージョン,次の1はマイナーバージョンです。一般的にはChromeのバージョンといえばこの2つのことを指します。後半の2つはChromeのリリースごとにつけられた通し番号に近いもので,前の249がブランチ,後ろの1036がそのブランチに当てられたパッチの数に相当します。2010年3月18日時点での最新ブランチは356です。

さて,後半2つが通し番号の役割を担っているので,

Chromeのインストーラー

http://dl.google.com/chrome/install/XXX.YYY/chrome_installer.exe

のXXXとYYYにそれぞれ当てはめれば,そのバージョンのインストーラーをダウンロードできます。4.1.249.1042では,

Chromeのインストーラーパス例

http://dl.google.com/chrome/install/249.1042/chrome_installer.exe

となります。このインストーラーは拡張子をexeからzipにリネームすることで,zipファイルとして解凍できます。解凍すると,なかにはchrome.7zというファイルが含まれているはずなので,このファイルを7zに対応したアーカイバ(WinRARや7-Zip,Explzhなど)でさらに解凍します。

7zファイルの中身は図4のようになっています。

図4 chrome.7zの中身

図4 chrome.7zの中身

まずChrome-binというフォルダがあり,その中にchrome.exeとwow_helper.exeという2つの実行ファイルがあり,Dictionariesというフォルダとバージョン番号のフォルダ(今回は4.1.249.1042)があります。バージョン番号のフォルダの中にchrome.exeとwow_helper.exe,Dictionariesを移動して,バージョン番号フォルダを適当なフォルダに配置します。

図5 Chromeの配置例

図5 Chromeの配置例

これでひとまず起動はできるようになりますが,このままでは正規にインストールしたChromeと同じプロファイルを使用してしまいます。そこで,起動オプションの --user-data-dirで使用するデータディレクトリを変更します。ディレクトリの指定は下記のように相対パスも使用できます。

Chromeのデータディレクトリ指定

"…\4.1.249.1042\chrome.exe" --user-data-dir="..\prof-4.1.249.1042"

こちらもFirefoxと同じくショートカットを作成しておくとよいでしょう。なお,この方法で起動したChromeが正規にインストールしたバージョンと同じであるという保証はないので,その点はご了承ください。

ChromeのWeb Inspector

ChromeにもSafariと同じくWeb Inspectorが搭載されています。ChromeのWeb Inspectorについては以前,続・先取り! Google Chrome Extensions:第6回 Firebug要らずなChromeのWeb Inspectorという記事を書いていますので,こちらを参照頂ければと思います。

なお,Chromeには拡張機能があり,その拡張としてFirebug Liteがあります。こちらがFirefoxのFirebugの代わりになるのかと思われるかもしれませんが,元々Firebug LiteはFirebugの一部の機能をブックマークレットとして利用できるようにした簡易版です。拡張としてインストールしなくてもFirebug Lite : Firebugのブックマークレットをブックマークしてもできることは同じであり,つまりは機能がブックマークレットとしてできる範囲に制限されます。機能的にはWeb Inspectorより数段劣ってしまいますので,Web Inspctorだけで十分と言えます。

著者プロフィール

太田昌吾(おおたしょうご,ハンドルネーム:os0x)

1983年生まれ。JavaScriptをメインに,HTML/CSSにFlashなどのクライアントサイドを得意とするウェブエンジニア。2009年12月より、Google Chrome ExtensionsのAPI Expertとして活動を開始。

URLhttp://d.hatena.ne.jp/os0x/