ケータイFlashゲーム制作レクチャー

第11回 マップ冒険ゲームレクチャー(1) ゲームの王道 マップ冒険ゲームをFlashで作る!

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Ⅰ-① マップを作る!

ざっと画面やフラグ等の紹介をしたところで,それでは最初に,舞台となるフィールドマップを作成する。最終的にはイベントを配置した広いマップを作成したいと思うが,まずは基本レクチャーからなので,狭めであるが必要規模のマップを作ることにする。

(1)マップチップという作法

2Dタイプのマップ移動ゲームでは「マップチップ」という作法を用いて広いマップを作成することが多く,3Dゲーム以前では定番的な作法でもあった(ファミコン時代を思い出せばわかり易いと思う⁠⁠。今回のレクチャーでは,Flashのシンボル(インスタンス)機能がマップチップという作法に上手く用いれるので,基本の作法を知る意味も含めてマップチップによって冒険するフィールドマップを作成する。

初めに,必要な地形パーツを描いてチップ化(シンボル化)する。例えば,草原を作成するために必要な最小限のチップ種類はこの4つ。

草地の輪郭用。 草地の輪郭用。必要なら回転や反転させて使用する。

草地の斜め部分の輪郭用。 草地の斜め部分の輪郭用。必要なら回転や反転させて使用する。

草地の中心部用。 草地の中心部用。草地色のベタ塗り。注2

土地面用。 土地面用。土色のベタ塗り。注2

そして,作成したチップ(シンボル)を複製してインスタンス化し,必要なら回転や反転をさせて配置していき,冒険するマップを完成させる。

画像

チップの種類が多いほど自然な地形を表現できるが,そもそもチップ化して用いる一番の理由はデータサイズや使用メモリの軽減にあるので注3⁠,ケータイFlashでも,ファイルサイズや動作メモリの制限を考えれば適度な種類にしておくのが望ましいだろう。

さてさて,そうこうしているうちに,今回のページ数も3ページになってしまったので,今回はここまで。

次回は,PCの移動とマップスクロール,障害物への進入不可と回避移動を中心にどこまで進められるか…やっていきます!

注2)
今回作成するゲームでは,ベタ塗り部分はチップとして持たせていない。これは,画面に配置するインスタンス数を軽減(処理負荷軽減の意味もあり)するため。→実際のFlaファイルを参照。
注3)
これらのほか,チップの絵を修正したい際に,一枚を修正すれば,配置した同種類のチップ全てが一瞬で変わってくれる利点がある(チップをシンボル化してある利点⁠⁠。

[参考]ベクター絵とビットマップ絵

私たち無限界では,アニメテイストなベクター絵の表現を売りにしているので,今回も以前のアクションやカードゲームも,アニメテイストなベクター絵で作ってきた。‥が,ひとまずその拘りは別として,Flashコンテンツにおいてベクター絵とビットマップ絵の利点不利点を比較してみようと思う。

無限界では,Flashの描画ツールを使ってベクター絵を描いている。カードゲームのディラー絵もFlashで描いている。ベクター絵の素晴らしさは,とにかく線が綺麗でシャープであり発色も映える。そして,ビットマップ絵と比べての最大の好利点は,やはり拡縮しても絵が荒れないことだろう。Flash上で絵の修正が出来る利点もある。

しかし,ビットマップ絵のようなブラシを使った質感映えるイラストは苦手だし,パスで自在に絵が描けるようになるにはハードルも高い。また,パスが多くなると処理重にもなる。これは,ケータイFlashの場合,特にある。パスを多用して描いたものがコンテンツ中で同時に複数動くと,てき面に処理重になる。処理速度の遅いケータイであればなおさらだ。

そこで,クライアントから提供される素材が決まっている場合は別として,コンテンツの内容によって,ベクター絵をどこに使い,どこはビットマップ絵の方が良いか…両者を使い分けて作るのが一般的であり勝手もいいだろう(ビットマップ絵は拡縮すると荒れてしまうので,それを理解した上で作る必要がある⁠⁠。

例えばこんな使い分けがいいだろう。今回のレクチャーゲームのようなコンテンツなら,PCやモンスター類はPhotoShopなどを使ってドット絵で描く。マップ類は,キャラがドット絵ならマップもドット絵で合わせた方が良いだろう。なぜドット絵かというと,ビットマップ絵はどうしてもデータサイズが嵩んでしまうので,ドット絵で容量軽減を図るためだ。そして,画面類は,凝った質感を重視したいならビットマップ絵だろうが,画面は主役ではないので,Flashの描画ツールで雰囲気良く容量軽い画面を作るのがナイスと思う。あとは,EF(エフェクト。画面効果)類。これは,無限界的にはFlash絵で派手なアニメテイストのEFを描いてしまうのだが,炎や爆発絵をドット絵で描き,Flashで描いたEF絵と合わせて効果的に用いるやり方もグッドだろう。

(左)ベクター絵 ⁠右)ドット絵

ベクター絵 ドット絵

思わず長くなってしまったが,私たち無限界的には,ベクター絵による美しさや面白さを今後も表現していくつもりだが,特にケータイFlashにおいては,ベクター絵とビットマップ絵の使い分けは重要なので,このことは書いておこうと,このコラムを記した。

さて,マップ冒険ゲームが始まりました~!ちょっとムズイかも…だけど,好きなRPGのBGMにノッて,楽しみながら作りましょう~♪ではっ,次回!!

著者プロフィール

西村直樹(にしむらなおき)

クリエイティブスタジオ Studio無限界 代表。アニメーターを経て,ゲームクリエイターとなる。ゲーム制作では,企画シナリオ,ディレクション,絵関連など幅広くこなし,ゲームクリエイターとして現在で19年となる。また,ゲームスクール,アミューズメントメディア総合学院にて,創立年から企画系講師を行い,クリエイター育成にも携わっている。現在は,マネジメントを行いつつ,コンシューマゲーム,ケータイコンテンツ,書籍執筆,その他様々なプロジェクトを進めている。

Studio無限界
URLhttp://www.mugenkai.com/


藤田和久(ふじたかずひさ)

プログラマ/テクニカルスーパーバイザー。メインフレームと呼ばれる大型コンピュータのシステム開発から,WebサイトのCGI,そしてケータイFlashに至るまで様々な環境のプログラミングに携わる。現在はStudio無限界の活動の傍ら,都内複数の専門学校において講師として,ゲーム制作,Webサイト制作,システムエンジニアリングなどの授業を担当。 また,Studio無限界とは別にFMS(個人)として,システムエンジニアリングの分野でも 活動している。

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