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第65回 統計の数学 相関係数を導く[後編]

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問題 連載第60回で紹介した偏微分で求めた最小二乗法の定数の式と,今回紹介した統計的に求めた最小二乗法の定数の式が一致することを確かめましょう。

連載第60回で求めた式は次の2つの式です。

今回統計の数学を用いて求めた式は,aが式64.26bが式64.29です。全く異なる手順で求められたこれらの式は,一致しているのでしょうか。今回は,aについてだけ一致するかどうかを確認してください。

解説

式64.26を展開します。

式65.36は確かに式65.28と一致しました。

bについても,時間を見つけて同様に確認してみると,統計の数学の各項目のよい復習となります。

今回の問題によって,統計の数学によって得られた最小二乗法の定数を求める式と,偏微分方程式を解くことで求められた式が一致することを確認できました。視点を変えると,偏微分方程式から導いた式は,統計の数学から導いた式を整理して単純化したものと見ることが出来ます。定義式としては,統計の数学で得た式64.26,64.29の方がすっきりしています。しかし,実際にデータを代入して計算する場合には,偏微分方程式から求めた式65.28,65.29の方が計算量が少なくなります。

私たちは,なにがしかの数値を計算しようとする際,教科書に登場する「人間にとって読みやすい・わかりやすい」かたちの式でコンピュータに計算させたくなります。もちろんそれは間違ったことではありません。バグを防止したり,計算結果の検証をするために有効です。しかし,計算の効率まで考えると,視点を変え,より単純な計算式になるのではないか?と疑ってかかることが大切になります。結局,今回の場合もそうですが,式が単純になるのですから,プログラムのバグも減り,検証も簡単になるのです。

今回はここまで

以上で統計の数学を終了といたします。本来ならば,検定※1を学習すべきところです。しかし,検定は非常に広範な内容であり,ここで取り扱うには少々重すぎると判断しました。必要に応じて,専門書にあたり学習してください。これまでの内容をご自分でおさらいできるならば,十分独学が可能でしょう。必要に応じてチャレンジしてください。

※1)
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今回のまとめ

  • 相関係数の成り立ちを詳しく紹介しました。

著者プロフィール

平田敦(ひらたあつし)

地方都市の公立工業高等学校教諭。趣味はプログラミングと日本の端っこ踏破旅行。2010年のLotYはRuby。結城浩氏のような仕事をしたいと妄想する30代後半♂。