はじめMath! Javaでコンピュータ数学

最終回 はじめMath! Javaでコンピュータ数学 総まとめ

どんな小さな山でも、地図なしに登るのは不安です。目的の山頂を目指して、途中の絶景ポイントを巡りながら、安心して歩き続けるためには地図が不可欠です。歩き慣れない道ならなおさらです。高い山になれば、地図だけではまだ不安です。たいていの山には要所要所にチェックポイントがあります。このチェックポイントを追えば一応山頂に着くでしょう。しかし、一番は道案内人です。初心者が途中困ったことになるのを、前もって避けさせてくれるからです。

本連載も78回(現時点)の長きに渡りました。今回で連載を締めくくるに当たって、全体を見渡す地図を残します。絶景ポイントのリスト代わりに、用語一覧を、道順のチェックポイント代わりに語句の索引(用語総解説)を用意します。

今回の記事が、皆さんにとっての登山案内人としてお役にたてれば幸いです。

図78.1 目次・索引は書物の案内人
図78.1 目次・索引は書物の案内人

連載で取り扱った内容

はやいもので、連載が始まってから3年近くが経過しました。当初は大きく分けて三つの分野を20回程度で紹介しようと思っていましたが、気がついてみると6つの分野に広がって80回近い回数になっていました。あまりにたくさんの内容になりましたので、全体を俯瞰するための図を作りました。この図で、コンピュータや数学や、プログラミングに関心のある皆さんが、この連載がどんな内容とトピックスを取り扱っているのか、一目でつかむことが出来るでしょう。

図78.2 はじめMath!で取り扱った項目一覧

確率 統計 微積分 計算量 記号化 論理 集合 行列

分野ごと・登場順の用語一覧

今回の目玉です。本連載で取り上げたキーワードをリストアップします。リンク先に簡単な解説も付します。語句の索引としてご利用下さい。解説は本当に簡易なもので、正確性に欠いたり、私の独断と偏見でデフォルメしていたりするものがあります。目に余るものがありましたら、どうかご指摘下さい。

掲載回
語句(英語表記)
第1部 「記号化」
第2回 オーバーフロー(overflow)記号化(symbolization)キャスト(cast)
虚数(imaginary number)四則演算(the four rules of arithmetic)実数(real number)
数字(numeral)数値(the numerical value)数値型(numeric data type)
複素数(complex number)浮動小数点数(floating-point numbers)無理数(irrational number)
リテラル(literal)  
第3回 円周率(Pi or circular constan)括線(vinculu)階乗(factorial)
基数(cardinal number⁠⁠ = 底(base or radix)極限値(limit)(root)
算術演算子(arithmetic operator)三角関数(trigonometric function)四則演算(the four rules of arithmetic)
剰余演算(remainder operation)指数(exponent)真数(antilogarithm)
数列の和(summation)絶対値(absolute value)代入(assignment(substitution⁠⁠)
代入演算子(assignment operator)単項演算子(unary operator)対数(logarithm)
対数法則(change of base⁠⁠ = 底の変換公式等号(equal sign)ネイピア数(Napier's constant)
比較演算子(comparison operator)非等号(not equal sign)不等号(sign of inequality)
分数(fraction)分子(numerator)分母(denominator)
冪乗(power or exponentiation)平方根(square root)Mathクラス(Math class)
無限大(infinity)無限小(infinitesimal)立方根(cubic root or root of third power)
累乗根(root of power or radical)  
第4回 演算法則(operation low)演算子の優先順位(the order of priority of operator) 
第5回 結合法則(associative law⁠⁠ = 結合即交換法則(commutative law)分配法則(distributive law)
マジックナンバー(magic number)  
第6回 基数(cardinal number⁠⁠ = 底(base or radix)記数法(numeral system)16進数(Hexadecimal)
2進数(binary)2の補数(two's complement)負数(negative number)
符号ビット(most significant bit)  
第7回 プリミティブ(primitive)ラッパークラス(wrapper class) 
第8回 IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)IEEE754(IEEE754)仮数部(significand)
指数部(exponent)正規化数(normal number)単精度(single precision)
NaN(Not a Number⁠⁠ = 非数倍精度(double precision)バイアス(exponent bias)
浮動小数点数(floating-point numbers)符号部(sign) 
第10回 アンダーフロー(underflow)近似値(approximate value)桁落ち(cancellation(of significant digits⁠⁠)
誤差(error)無限大値Infinity(infinity) 
第12回 桁あわせ(more digits)最近値(nearest value)情報欠落(情報落ち)⁠loss of trailing digit)
丸め誤差(rounding error or round-off error)  
第13回 打ち切り誤差(truncation error)自然対数の底e(ネイピア数)⁠e the base of natural logarithm(Napier's constant⁠⁠) 

連載はここまで

物事に始めがあれば、必ず終わりがあるものです。この連載もいよいよ終わりをむかえました。関係各位のみなさまのご厚意に甘えさせていただき、ここまで継続することが出来ました。⁠コンピュータ数学」という枠で見回してみると、もっともっとたくさんのテーマがありますが、一応区切りを付けることにしました。

約80回、3年間に及ぶ長い連載を続けることが出来たのは、読んでくださった皆さん、そして技術評論社Web コンテンツサイト編集部のみなさまのおかげです。この場を借りてお礼を申し上げます。

また近いうちに皆さんのお目にかかれるように頑張ります。ひとまずは、⁠はじめMath!Java でコンピュータ数学』終了を宣言いたします。

長い間のご愛読ありがとうございました。

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