eラーニングシステム Moodleの活用とカスタマイズ

第3回 Moodle 1.9で新しくなった「評定」機能

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

加重と乗数の違い

左上のドロップダウンメニューから「カテゴリおよび評定項目」「フルビュー」を選び,⁠総計」「評点の加重平均値」などにした場合に,⁠加重」⁠⁠乗数」⁠⁠オフセット」の値を指定する欄が出てきます。

「加重」は,コース合計点を加重平均値で計算するときの,各評定項目の重みを設定できます。その際,コース合計点の満点が適切な値に指定されていることも確認してください(操作しているうちに,コース合計点の満点が勝手に変わっていることがあるので,注意が必要です)⁠

「乗数」⁠と「オフセット」⁠は,いつでも利用でき(コース合計点を加重平均値で計算する場合以外でも利用でき)⁠個々の評定項目の評点を,⁠元の点数 × 乗数 + オフセット」⁠ の計算により調整します(ただし,その計算値が個々の評定項目の満点を越えることはありません)⁠

図6

図6

エクスポートとインポート

成績データを外部のツールに移すために,ファイルへエクスポートすることが可能です。逆に,ファイルからMoodleへインポートすることも可能です。

例えば,図1のような評定の場合,エクスポートされるデータは図7のようになります(メニューの「エクスポート」「OpenDocumentスプレッドシート」を用いた場合)⁠

図7

図7

スプレッドシートの機能を用いて成績データを図示したいとき,また,ほかのツールやシステムへ成績データを移行して用いたいときなどに,このように成績データを一旦ファイルにエクスポートすることになります。

また,このファイルを元にして,Moodleへインポートするデータを作ることができます。例えば,⁠小テスト1」のカラムの点数を変更し,CSVファイル形式で保存します。OpenOffice.org Calcを用いている場合,保存の際に文字コード等を聞かれますので,図8のように指定するとよいでしょう(ほかの表計算ソフトを使っている場合も,CSVファイル内の文字列が “” で囲まれないようにして保存してみてください)⁠

図8

図8

保存した CSVファイルを,評定メニューの「インポート」「CSVファイル」でアップロードします。

図9

図9

「評定をアップロードする」をクリックすると,図10のように,読み込んだ結果のプレビューが表示され,どのカラムをどの評定項目としてインポートするかを選ぶ画面になります。⁠ユーザ識別方法」の箇所では, どのユーザのデータであるかを識別するためのフィールド(カラム)を指定します。ここでは「IDナンバー」⁠useridnumber)を指定しています。⁠IDナンバー 」にデータがない場合は,⁠メールアドレス」⁠useremail)を指定すればよいでしょう。

図10

図10

コラム

Moodleの多くの画面で,ログインに用いるユーザ名(username)は表示されませんが,IDナンバー(idnumber)は,表示可能であることが多いです(そのための設定変更は必要)⁠また,外部システムとデータをやりとりをする際は,ユーザ識別のためには基本的に IDナンバーを用います。各ユーザのIDナンバーは,デフォルトでは空ですが,このようなことから,IDナンバーには何かユーザごとに異なるデータを入れておくと便利です。

例えば,⁠ユーザ名」と同じデータを,⁠IDナンバー」のフィールドに入れておくのもよいでしょう。

第2回3ページ目の最後で紹介した「Moodle用に再構成されたphpMyAdmin」をインストールしておくと,SQL文を実行する画面で,

update mdl_user set idnumber=username;

を実行すれば,各ユーザ名の「IDナンバー」のフィールドに「ユーザ名」がコピーされます。

図 

著者プロフィール

喜多敏博(きた としひろ)

1967年に奈良に生まれる。中学・高校時代に見た父(高校教員)の教え方に感心したことが,自分の教員としての振る舞いに影響していると今になって思う。大学・大学院時代は京都で過ごし,熊本大学に着任。現在はeラーニング推進機構および大学院教授システム学専攻 教授。工学博士(名古屋大学)。

LMS/VLE,非線形システム,電子音楽に興味を持つ。

URL:http://t-kita.net

コメント

コメントの記入