eラーニングシステム Moodleの活用とカスタマイズ

第3回 Moodle 1.9で新しくなった「評定」機能

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問題がなければ,図11のように,データがインポートされます。

図11

図11

見ての通り,データをインポートした場合はオーバーライドしたのと同じ扱いになります。

もっと単純に,テキストエディタなどを用いて,必要な範囲のデータだけに限った

idnumber,quiz1
user1,5
user2,3

のようなCSVファイルを作っても同様にインポートできます。

計算式の使い方

コース合計の算出などに,計算式を用いることができます。例えば,⁠課題1と課題2と課題3がすべて60点以上ならば,3つの平均点を出す。1つでも59点以下の時は0点。」などの計算で点数を算出することも可能です。

コース合計で計算式を使いたいときは,左上のドロップダウンメニューから「カテゴリおよび評定項目」「シンプルビュー」または「フルビュー」を選び,⁠薄い色で表示されている)電卓のアイコンをクリックします図12)⁠

図12

図12

計算式が入力できる画面が現れます。まず,各評価項目のIDナンバーを決める必要があります。

分かりやすい名前(ナンバーといっても,数字でなくてよい)を各項目に指定し,⁠IDナンバーの追加」ボタンをクリックします。

図13

図13

これで,各項目のIDナンバーが設定され,[[ ]] に囲まれて表示されるので,これらを用いて計算式を入力します。例えば単純な合計を計算したい場合,図14のように,

=[[kadaiA]]+[[fo1]]+[[q1]]+[[scorm1]]

と式を入力します。

図14

図14

もし,平均点(満点は100点)を算出したい場合は,

=([[kadaiA]]+[[fo1]]*33.33+[[q1]]*10+[[scorm1]]*16.67)/4

のような式になります(なお,各項目の満点は,図12に示されている通りです)⁠

凝った計算は関数を使うと実現できます。例えば,⁠課題Aが60点以上なら1となり,59点以下なら0となる」式は,

max(min([[kadaiA]]-59,1),0)

です。これを応用すると,⁠課題Aも小テスト1も両方とも6割以上得点したときのみ,平均点を100点満点で算出する。それ以外(どちらかが5.9割以下)の時は0点」の式は,

=max(min([[kadaiA]]-59,[[q1]]*10-59,1),0)*([[kadaiA]]+[[q1]]*10)/2

となります。

なお,現在のバージョンの評定では,⁠評定項目の追加」で,新たなカラムを作成することが可能ですが,そこでもコース合計の場合と同様に計算式を用いることができます。

カテゴリの使い方

以前のバージョンと同様に,現在バージョンの評定でも,カテゴリを作成して利用することは可能です。

例えば,ある授業の教材が,学習内容のまとまりによって「ブロック1」「ブロック2」の二つに分かれている場合,それぞれのブロックに対応する評定カテゴリを作成し,そのブロックに属する評定対象の要素(課題,フォーラム,小テスト等)をまとめて,点数の小計を求めることができます図15)⁠

図15

図15

カテゴリごとの成績小計の点数算出にも,計算式を用いることが可能です。図15では,⁠ブロック2成績」(電卓のアイコンが表示されていることから)計算式が用いられていることがわかります。

次回は,Moodle上で動作する独自ブロックの開発方法について取り上げる予定です。

著者プロフィール

喜多敏博(きた としひろ)

1967年に奈良に生まれる。中学・高校時代に見た父(高校教員)の教え方に感心したことが,自分の教員としての振る舞いに影響していると今になって思う。大学・大学院時代は京都で過ごし,熊本大学に着任。現在はeラーニング推進機構および大学院教授システム学専攻 教授。工学博士(名古屋大学)。

LMS/VLE,非線形システム,電子音楽に興味を持つ。

URL:http://t-kita.net