PHPプログラムで制御する3Dプリンタ入門

第2回 3Dプリンタが苦手な形をプログラミングで作るには

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プーリーを作る

写真3をご覧ください。これは,モーターの軸に取り付けたプーリーです。この形を下から出力していくと,いったん径が細くなり,そのあと太くなります。この太くなる部分が問題で,支えがないため出力することができません。また,角度を浅くして45°以下にすると,プーリーとして機能しなくなるため,これもできません。

写真3 プーリーの全体

写真3 プーリーの全体

そこで,このプーリーは写真4のように分割して出力しました。

写真4 分割したところ

写真4 分割したところ

データの作り方は図7の通りです。モータの軸径は8mmで,切り欠きがあります。小さい方の部品は,まず底面を定義します。前回と同じように,軸穴は0.5mm太くなっていますが,これはあとで1mm持ち上げながら本来の径に戻します。

図7 底面の形状

図7 底面の形状

中間にワイヤーを通せる穴を用意します。外周は,1mmはまっすぐに持ち上げて,そのあと径を6mm絞りながら3mm持ち上げます。軸穴は,1mm持ち上げたあと,真横に3mm広げます。ここに,大きい方の部品の出っぱりが入ることになります図8⁠。まっすぐに2mm持ち上げて,完成です。

図8 断面(小さい部品)

図8 断面(小さい部品)

大きい方の部品のうち,外周は先ほどとまったく同じです。軸穴の方は,0.5mm絞ったあとまっすぐ持ち上げ,さらに2mm広げます。最後に外周と同じ高さまで下げて完成です図9⁠。

図9 断面(大きい部品)

図9 断面(大きい部品)

作るのは簡単でしたが,問題は,モーターの軸の切り欠きにぴったりと押し込めるかどうかです。そこで,プログラムを使い,切り欠きの深さが異なるものをいくつも作れるようにしました。切り欠きの部分は,図10のように円の一部を折り返して実現しています。この方法だと,切り欠き部の厚さを簡単に変えられるという利点があります。

図10 切り欠きの形

図10 切り欠きの形

著者プロフィール

木元峰之(きもとみねゆき)

独立系ソフトハウスに8年間勤務,パッケージソフトの開発や記事執筆などを行う。現在はフリーのコンサルタント。SWESTなどのワークショップで分科会のコーディネータを務める。デジタル回路設計歴30年,プログラミング歴27年。

きもと特急電子設計
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