開発のボトルネックはどこだ?―迷えるマネージャのためのプロジェクト管理ツール再入門

第7回 SUUMOスマホサイトの開発裏話② プロジェクト管理にアトラシアン製品を活用

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Stashを選んだ理由と運用面のポイント

─⁠─今のお話にも出てきましたが,ソースコード管理ツールとしてStashを採用されていますが,ほかに比較したツールはあったのでしょうか。

山下氏:Stashを導入する際,⁠GitHub Enterprise」「GitLab」も検討しました。いくつかの観点がありますが,コスト面でメリットがあったこと,そしてツール連携のしやすさなどの点から最終的にStashを選択しています。

─⁠─実際にStashを導入した際,使い方や運用面などで戸惑われたことがあれば教えてください。

山下氏:既存のSVN環境からGitへの移行でいろいろと苦労しました。まずSVNで管理しているリポジトリをすべてGit化することになりますが,移行対象のリポジトリだけでなく,そのリポジトリに関連するツール,たとえば開発環境やリリースを行うシェルスクリプトなども併せて作り替える必要があったためです。

開発ルール周りも苦労した点です。SVNとは異なり,分散型バージョン管理のメリットを最大限活用するためにブランチモデルを設計するなど,新しい開発ルールを作成しなければなりませんでした。また,承認権限や命名規則,コミットルールの整備など,細かなルールも併せて考える必要があります。このように,Stashを使うことよりも,Stashをどう使っていくのかの検討に時間がかかりました。

吉田氏:開発メンバーの知識レベルをそろえるところも時間がかかった点です。全体で30~40人規模なので,Gitの最低限の使い方といった知識レベルを合わせるのにも時間がかかっています。このあたりについては,それぞれのチームの開発リーダーに協力してもらいながら徐々に進めました。

山下氏:苦労したのはどちらかというとGitの部分で,Stashそのものの使い方で困ったことはほとんどありません。ここがStashの優秀なポイントだと思いますが,git-flowをはじめとする一般的なワークフローにデフォルトで対応しているため,開発ルールさえ決めてしまえば,あとはそのまま使うだけでいい。このようにシンプルな設計になっているので助かっています。

Access-Key認証でセキュリティを確保

─⁠─実際にStashを導入して,便利だと感じた点はどういったところでしょうか。

山下氏:Access-Key認証と呼ばれる,リポジトリごとに設定できる公開鍵暗号方式の認証方法は重宝しています。リクルート住まいカンパニーにはセキュリティ面で非常に厳しいルールがあり,自動リリースやCI連携をセキュアに実現する必要がありました。Access-Key認証を利用すれば,それをシンプルに実現できるのはいいですね。

プロジェクトを効率的に進めるため,リクルート住まいカンパニーではJIRAやStashを積極的に活用しています。とくにワークフローの積極的な利用は大いに参考になるのではないでしょうか。次回はConfluenceHipChatの利用方法,そしてCIツールも含めた開発環境についてお話を聞いていきます。

柔軟に設定できるJIRAのワークフロー

JIRAにはプロジェクトの流れを定義し,進捗の管理や作業を効率化できる「ワークフロー」の機能が組み込まれています。標準でいくつかのワークフローが組み込まれているので,それをそのまま利用することも可能ですが,ユーザ自身でも簡単にワークフローを作成できます。また,それぞれのステータス(進行中/レビュー/開発中など)を作成できることに加え,ステータスが遷移する条件をトランジションとして設定,その際に担当者も変更するなど,高度なワークフローを設定できることもポイントです。自社の開発プロセスに合わせ,独自にワークフローを設定すると便利でしょう。

図4 JIRAのワークフロー画面。GUIでワークフローを操作できるため,ステータスの遷移を直感的に把握できる

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