これだけはとっておきたい「テスト技術者」の資格

第2回 ITIL version3ファウンデーション

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ITILv3認定資格の体系

ITILv3の認定資格は,図3のような体系で,次のような4つのレベルに分けられています。

  • ITILマスター
  • ITILエキスパート
  • インターミディエイト
  • ファウンデーション

ITILマスターは,以前はアドバンスト・レベルあるいはアドバンスト・ディプロマと呼ばれ,ITILv3の資格認定の中で最も高いレベルですが,認定要件については現在策定中です。

ITILエキスパートとその下のインターミディエイトは,図中のモジュール(科目)の取得単位によって区別されます。モジュールはITILv3のサービスライフサイクルに沿ったライフサイクル・モジュール(1モジュール3単位)と,能力で分類したケイパビリティ・モジュール(1モジュール4単位)があり,22単位以上でITILエキスパートと認められます。各モジュールの試験は海外でも秋口から順次開催される予定ですので,日本ではもう少し遅れると思われます。

ファウンデーションは,サービスの開発や提供をするSIerやサービスプロバイダが,本当に顧客が望むサービスを開発や提供するために必要な知識,あるいはシステム開発の発注や受け入れテストを行うユーザ企業の情報システム部門に必要なITILv3のサービスライフサイクルをベースに広く,浅く問います。

図3 ITILv3資格認定の体系

図3 ITILv3資格認定の体系

ファウンデーション試験の概要

日本での開催概要は,表1のとおりです。アールプロメトリックピアソンVUEといった試験センター企業が開催しており,全国数百ヵ所の試験センターで受験できます。それぞれの試験センターが,開催可能な日であればいつでも受験できます。試験センターの場合は,基本的にTOEFLなど他の試験と同様にPCに問題が出題され,解答を選択していく方式です。

また,独学が苦手な方には,ベンダ系のトレーニング企業が開催している講習会との組み合わせもオススメです。こちらの場合はPCで受験するのではなく,講習最終日にその会場で問題用紙が配られ,筆記で回答を記入する方式の場合もあります。

世界的にもバージョン3のファウンデーション試験はまだ始まったばかりで,今のところ公表されている合格率は80%程度です。バージョン2より出題範囲が広くなっているためか,バージョン2の合格率よりも低くなっています。筆者の予想ではこれから受験者層が広がり,さらにもう少し下がるのではないかと思います。

表1 試験開催概要

開催時期随時
開催場所全国の試験センター
試験時間60分
問題数40問
試験方式四者択一
合格ライン65%
合格率約80%(海外)

まとめ

システム開発に関わるあらゆる方に,ITILv3のサービスライフサイクルのファウンデーションレベルは勉強していただきたい資格です。それによって,これまで存在した,ユーザ企業とSIer,上流工程のエンジニアと下流工程のエンジニア,障害受付を行う情報システム部門と運用ベンダーの間の壁が取り払われ,適切にテストがされたユーザが本当に満足するサービス(情報システムやソフトウェア)が提供されるようになればと思います。

受験参考書

以下の資料は英語版ですが,ITILv3をざっと理解するのに有用です。
OGCの運営するWebサイトから,以下のPDFを無償でダウンロードできます。

  • An Introductory Overview of ITIL V3
     itSMF発行 ISBN:0-9551245-8-1
  • Japanese - Glossary and Acronyms
     日本語版の用語集で英語も併記されています。

またこれも英語版ですが,公式な受験参考書がitSMFから販売されています。サービスライフサイクル5冊の内容が簡潔にまとめられているので,受験しなくても手元に欲しい書籍です。日本語版の出版が待ち遠しいです。

  • Passing your ITIL Foundation Exam
     TSO発行:ISBN978-0-11-331079-1

著者プロフィール

正木威寛(まさき たけひろ)

(株)オージス総研 PMP。ユーザが期待する品質のシステムを実現するために,ユーザ企業の調達プロセス改善からSIerの開発プロセス改善までを行うプロセスコンサルタントとして活動中。

著書