連載の初回にソフトウェアテストの4つの分類をご紹介しました。今回は品質の観点から分類されるテストの中のユーザビリティテストについてご紹介します。
ユーザビリティテストとは?
ユーザビリティテストとは,
皆さんが普段利用されているソフトウェアで,
機能は豊富だが,
このようなことが起こらないよう,
そもそもユーザビリティって?
さて,
ソフトウェアのユーザビリティが悪いとか,
また,
そのためには,
ユーザビリティの評価軸
ここでは比較的一般的な評価軸としてニールセンの10原則をご紹介します。ニールセンはユーザビリティの分野の世界的権威です。10原則はこの分野ではスタンダードとも言えますので,
ここに紹介するのはあくまで原則です。実際のテストの際にはソフトウェアの特性などに合わせて具体化しチェックリストレベルにするのが良いでしょう。
原文はこちらにあります。
各見出しの下に,
- [1]システム状態の視認性を高める
(Visibility of system status) - 《システム上で何が起こっているのか,
適切な時間の範囲内で適切なフィードバックをユーザに通知しましょう》 - この観点は,
システム上の状態をユーザが確認できる手段を示すことにあります。図2内にある①のように, 業務の送信ボタンを押したあと, 次の画面が開く間に何も表示がないと, ユーザは通信に問題があったのか, サーバで処理中なのかがわかりません。ユーザによってはブラウザの戻るボタンを押して, 再び送信ボタンを押す可能性もあります。サーバで処理中であれば, そのことを画面に表示するなどして, ユーザがその時々のシステムの状態を把握できるようなしくみを設けることが大切です (図2の②)。また, 処理が完了した旨を通知することも大切なフィードバックの要素です。
- [2]実環境に合ったシステムを構築する
(Match between system and the real world) - 《システム上では,
普段ユーザが利用していたり, 聞き慣れている言葉や言い回しを用いましょう。システム指向の用語を用いてはいけません。現実の環境の慣習に従い, 現実世界の順序を守り, かつ論理的な順序を持たせましょう》 - 「聞き慣れている言葉や言い回しを用いる」
というのは, ユーザが理解できる言葉でシステムを作るということです。たとえば, ユーザが項目欄に住所を入力して, 次の画面へ遷移しようとしたときに, ボタンに書かれたラベルの意味が理解できず, 躊躇してしまうような場合です (図3の①)。
図中のボタンの