目次
まえがき
第一部 成功するSEの考え方,仕事の進め方
第1章 SEの仕事は「人」が9割
- 業務システム開発とは/業務システム開発という仕事とは/業務システム開発に関与する人々/
- SEとはどのような職種なのか/SEの定義/SEの役割の範囲/環境を作り上げる/SEの仕事はほとんどが「人」/
- 上がダメなら自分でやる/コミュニケーションが足りない/「使う人々」と「作る人々」のコミュニケーション/
- 「わからないほうが悪い」?/「知っていること」と「知らないこと」/コミュニケーションを成功させる条件/
- 立場が違えば見方も異なる/コミュニケーションの改善がすべて
第2章 失敗の原因はコミュニケーション不足
- 顧客の不満はなぜ発生するのか/不満の根拠/ほとんどが「小さな」問題/マイナス方向の「ハロー効果」/
- 原因はコミュニケーション不足/細かいところほど大事/細部までこだわった仕様を作る
第3章 マネジメントが成否の鍵
- マネジメントがすべてを左右する/業務システム開発で最も大切なこと/「作るもの」と「提供するもの」/
- 相反する要求の間で/「作る活動」と「作る活動の制御」/プロジェクトマネジャーの本当の納品物/
- プロジェクトそのものを成功させる/問われる経営者の責任/組織として「あるべき姿」/
- 上位マネジャーの役割が鍵/チームメンバーに対する考え方/マグレガーのX理論,Y理論/技術的な知識の重要性
第4章 コミュニケーション重視の会議術【準備編】
- 「会議」の定義/公式なコミュニケーションの場/従来型の会議の問題点/コミュニケーション重視の会議術/
- 事前の情報収集/収集した情報の管理/素早く情報を表示できればOK/基本的な姿勢としての「リハーサル」/
- 機材について/会議の円滑な運営に必要な機材/記録のために必要な機材
第5章 コミュニケーション重視の会議術【実践編】
- 笑顔の会議/ある失敗会議の例/リラックスできる会議/「何が原因だったか」を明らかにする/
- 繰り返される「ぶち壊し」会議/数十億円がパーになる/具体的な会議の進行/声に出して読み上げる/
- 決定事項として確定する/リズム感のある会議/会議術・議事録術の基本理念/会議でよくある問題/
- 問題が発生しないようなルールを決めておく/難しいからこそ事前の準備が大切/正しく理解してもらうための努力/
- コミュニケーション技術の向上が重要/計画技法,情報収集技法が最重要
第6章 プロジェクト初期段階の仕事術
- 最初が肝心/初顔合わせでの「質問」と「お願い」/自分自身で直接確認する/業務に関する説明を受ける/
- サンプル画面イメージの作成/提示の目的/考えを固める際の材料/開発側としての考えを固める/
- 「作れる」と思えないものは作れない/できるだけ早い段階で提示する/プロジェクト初期段階で確認できること/
- 具体的な行動によるコミュニケーション/開発側の考えについて顧客側の理解を得る/スケジュールの調整/契約前に確認しておくべきこと
第7章 成果物作成の仕事術
- SEとプログラマーのコミュニケーション/「素人にはわからない」?/作成するのは必要最小限/
- 具体的なドキュメント作成方法/明確にできることを明確にしていく/直接対話によるコミュニケーションが不可欠/
- 承認済みの自然言語表現とプログラム/プログラマーと顧客のコミュニケーション
第8章 顧客業務分析の仕事術
- 業務システム開発の最重要工程/「売り上げを送る」が意味すること/仕様変更になった場合/
- 設計書はコミュニケーションから生まれる/スタートダッシュで顧客業務を徹底理解/顧客業務の現場を見る/
- 顧客業務の理解について顧客の承認を得る/承認された顧客業務理解に基づいた要求定義/
- 「仕様を膨らまさないために」?/要求は夢も含めてすべてを話してもらう/他者の判断に頼るのは危険/
- 前提条件は必ず自分で確認する/スケジューリング等プロジェクトの最適化/要員配置を行う時期
第9章 設計・実装・テストの仕事術
- 最小限のドキュメントによる設計とリリースレベルの実装/設計の承認と実装の承認/
- 時間をかけるべきときに時間をかける/承認を得た後の作業の進め方/単なるテストでは不十分/最重要パスに焦点をあてる
第10章 プロジェクト運営の仕事術
- 開発に直接関わる人々を確認する/顧客側のユーザーを確認する/「現場主義」は「事実主義」/
- 終了までの流れをイメージする/完成したシステムをイメージする/「顧客業務の徹底理解」が不可欠/
- 問題が発生した場合/実現・管理するのは「環境」/コミュニケーションの成功を継続する責任/
- 急遽開催されることになった会議/マネジメントがうまく機能していない/いい加減な上流工程がもたらすもの/
- バグが発生する原因/SEが果たすべきマネジメント機能
第11章 業務システム開発は「伝言ゲーム」
- 現場を確認して自分で判断する/他者の判断はあてにならない/「知ること」の難しさを知る/
- 業務システム開発は「伝言ゲーム」/改善が改悪になる/なぜ同じ失敗を繰り返すのか/
- ルールは変えることができる/組織の文化が影響する
第二部 成功するSEのプロジェクト計画・運営術
第12章 名ばかりプロジェクトマネジメント
- 名ばかりプロジェクトマネジャー/「ざっくり」な「計画」で始めるのが仕事の日本のIT業界/
- 日本のIT業界のマネジメントは残念ながら最低レベル/自覚を迫られているIT業界/
- ガイドラインでかえってダメになった?/怒られないことが最優先?/日本のIT企業がNew3Kとなる要因/
- 「怒られなければいい」の先にあるもの/安易な兼務は事実軽視のあらわれ/最悪の上位マネジャーとは
第13章 誤解がプロジェクトを破綻させる
- 案外シンプルな誤解/作るべきものを明確にする/「計画」という単語のスコープ/
- 二種類の「計画」をごちゃまぜにしない/管理者層・経営者層の意識不足が失敗を招く/
- 顧客より素人の担当SE/元請けSEと孫請けSE/現場を知らない上位マネジャー/筆者が使う方法
第14章 上流工程はすべて計画活動
- 上流工程は計画活動そのもの/(1)プロジェクト目標(ゴール)の決定/(2)初期段階の計画作成/
- (3)現場見学,ヒアリング,業務分析とそのレビュー/(4)要求定義/(5)システム全体像の決定と計画作成
第15章 本当の計画,名ばかりの計画
- 失敗プロジェクトはなぜ多いのか/パーセンテージ見積りの罠/ボトムアップによる見積り/名ばかりの計画/
- できるはずのないことで怒られている/納期短縮も可能になる/作るもの自体が見えにくい/プロジェクトの「見える化」
第16章 ネットワーク図による計画作成術(アナログ式)
一 実現することを階層構造に整理する
- WBS作成/ルールは二つだけ/どの程度まで行うのか
二 ワーク・パッケージの特定とWBS辞書の作成
- いちばん下の要素/プロジェクト終了時のイメージ/○○システム一式?
三 アクティビティ・リストの作成
- 「行動」を洗い出す/客観的に行う/ビビッてはならない/伝えられないのなら,信頼して任せる/実現可能性が重要
四 プロジェクト・ネットワーク図の作成
- 実行順序を特定する/まずは普通にやる
五 アクティビティの実現に必要なものを検討する(資源見積り)
- 実現のための絶対エネルギー/コストに直接影響する事柄ばかり/人的資源が重要/CMMIの衝撃/必ずトラブルになる会社/目の前のプロジェクトよりも『日経コンピュータ』?
六 アクティビティ実行に必要な期間を割り出す
- なるべく具体的に考える/可能な限り話し合う
七 アクティビティ実行に必要なコストを算出する
- 大変な作業になる場合もある/PMBOK第3版の表現変更/理想とは程遠い現実
八 計画作業の現状を把握する
- プロジェクト全体の期間を特定/ほぼ100%結果は同じ
九 プロジェクトの最適化を検討する(重要)
十 コミュニケーションを検討する(最重要)
- 二通りの計画/コミュニケーションを検討する/トラブルで儲けようとする人たち
十一バー・チャート,コスト・ベースラインを作成する
- ここからは機械的作業/文句を言っている場合ではない
第17章 ネットワーク図による計画作成術(デジタル式)
- 一 実現することを階層構造に整理する
- 二 ワーク・パッケージの特定とWBS辞書の作成
- 三 アクティビティ・リストの作成
- 四 プロジェクト・ネットワーク図の作成
- 五 アクティビティの実現に必要なものを検討する(資源見積り)
- 六 アクティビティ実行に必要な期間を割り出す
- 七 アクティビティ実行に必要なコストを算出する
- 八 計画作業の現状を把握する
- 九 プロジェクトの最適化を検討する(重要)
- 十 コミュニケーションを検討する(最重要)
- 十一バー・チャート,コスト・ベースラインを作成する
第18章 ネットワーク図による計画の最適化
- 失敗を前提としている組織/失敗するとわかっていて引き受けたりしない
一 ネットワーク図を見極める
- 独立並行パス/集中パス/プロジェクトマネジメントパス/シリアルパス/コンヴァースパス(逆パス)
二 クリティカルパスを徹底的に増やす
- クリティカルパスとは?/どんどんつぶしていく/クラッシングとファスト・トラッキング/限界ぎりぎりを実現する
第19章 IT業界が日本を救う
- すべてが改善されていく/言い訳にならない言い訳/無策で失敗するのは必然/PMBOKで中心となっている方法/
- 失敗すべくして失敗している/「普通の」やり方では間に合わない/本当の計画活動とは/
- 失敗プロジェクトの根源はいつも同じ/感情ベースのマネジメントが主流/元請け・下請け構造の限界/IT業界が日本を救う