概要
本書は,Sixth Edition UNIX(UNIX V6)を題材に,OSの全体像をひととおり解説します。
UNIX V6は1975年にベル研究所からリリースされたOSですが,近年のOSにも通じる,OSの基本的なアイディアが詰まっており,デバイスドライバも含めて約10,000行という,カーネルの全体を理解するのが難しくないボリュームに収まっています。
UNIX V6で基本的な動作が理解できていれば,新しいOSにたどっていくことも可能となります。
本書を通してカーネルのソースコードを読み解くことで,コンピュータシステムの全体像が理解できるようになるでしょう。
こんな方におすすめ
- 情報系学生
- 初級~中級ソフトウェアエンジニア
- コンピュータシステムの全体像を理解してみたい方
- OS,とくにカーネルのしくみを学びたい方
著者から一言
本書はUNIX V6カーネルの解説書です。UNIX V6は古いOSではありますが,カーネルのコード量が少なく,ロジックがシンプルなため,OS初学者の人が初めて読むカーネルのソースコードとしてはうってつけだと思います。カーネルはコンピュータシステムの中核を成すものだと言え,カーネルを理解すれば,コンピュータに対する造詣が深まり,技術力の意欲向上にもつながるでしょう。私もUNIX V6のカーネルを読んでから,コンピュータに対する理解が深まり,世界が広がった感覚を味わっています。そのような感覚をぜひ読者の皆様にも味わっていただきたく,本書を執筆しました。