概要
毒と人間のかかわりには,とても長い歴史があります。ローマ時代から現代まで,人間は毒を避けるだけでなく,薬や毒薬としても利用しています。本書では,毒を使った歴史に残る逸話をとりあげ,毒の持つ興味深い作用やその成分を誰でもわかるように説明します。意外と身近なところに毒があったり,毒のもつ作用機序をうまく利用した話など興味深い話が集められています。読み進めるうちに,毒についてのいろいろな知識や化学的な見方・考え方なども身につくでしょう。
こんな方におすすめ
- 身の回りの毒に興味のある方
- 毒のからんだ事件でどんな毒が使われたかに興味のある方
目次
第1章 広がる毒殺事件
- 第1節 硫化水素自殺と殺人事件
- 第2節 和歌山ヒ素カレー殺人事件
- 第3節 静岡女子高生タリウム事件
- 第4節 農薬連続殺人事件
- COLUMN1 致死量
第2章 国家がからむ毒殺--暗殺
- 第1節 ナポレオン暗殺疑惑
- 第2節 ポロニウム暗殺事件
- 第3節 リシン暗殺事件
- 第4節 孝明天皇暗殺疑惑
第3章 皇帝と金属毒
- 第1節 ローマ皇帝と鉛
- 第2節 中国皇帝と水銀
- 第3節 ローマ教皇とヒ素
- 第4節 聖武天皇と水銀
第4章 トリカブト殺人事件
- 第1節 美男美女の新婚旅行
- 第2節 謎の死因
- 第3節 鉄壁のアリバイ
- 第4節 毒の二重奏
第5章 帝銀殺人事件
- 第1節 帝国銀行殺人事件
- 第2節 曲げられた捜査
- 第3節 18回の再審請求
- 第4節 毒の迷宮
第6章 大規模毒物事件
- 第1節 薬害の毒-アザラシ症候群-サリドマイドの毒
- 第2節 公害の毒
- 第3節 戦争の毒
- 第4節 宗教の毒
- 第5節 魔女の毒
第7章 すべては毒になる
- 第1節 毒のランキング
- 第2節 植物の毒
- 第3節 温血動物の毒
- 第4節 冷血動物の毒
- 第5節 鉱物の毒
サポート
正誤表
本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに,ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
(2013年7月17日更新)
P.6 目次の第4章第1節のタイトル
P.8 目次の第7章第2節のタイトル
P.64 後ろから4行目
P.104 4行目
P.118 9行目
P.153 下の図Bの方の化学式
誤 |
CH_3-O-OH_3 |
正 |
CH_3-O-CH_3 |
P.174 8行目
P.182 8行目
P.184 2行目
P.184 「コラム6」の上から3行目
P.198 1行目と2行目
P.198 3行目
P.203 10行目