書籍概要

知りたい!サイエンス

へんな毒すごい毒

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概要

毒の利用は人類誕生とともに始まります。本書は身近な毒から,動植物毒,鉱物毒,毒と事件など,毒にまつわる事柄を,科学的にやさしく解説します。

さらに,毒にまつわるエピソードや歴史背景など,興味深い話も挿入していきます。基礎知識がなくても面白く読めます。

目次

第1章 毒のサイエンス

  • 毒と薬のちがいとは?
  • 毒性の強さはどのように表されるか
  • 毒の侵入経路と効き方の関係
  • 脳に効く毒,効かない毒
  • 毒はどうして毒になるのか
  • 毒にはどんな種類があるか
  • 神経系のメカニズム
  • 神経毒の二つのタイプ
  • アルカロイドとは何か
  • 食中毒は何のしわざか
  • 内毒素と外毒素
  • 地上最強の毒は何か
  • 解毒剤とは何

第2章 動物毒の秘密

  • 動物に由来する毒を知りたい
  • フグはなぜ自分の毒にあたらないのか
  • 毒化する貝
  • イモガイから鎮痛薬が生まれる
  • クラゲの放つ毒入りカプセル
  • 海産物最強の毒
  • クレオパトラをかんだヘビ
  • ハチの作りだす毒のカクテル
  • 本当にいた毒鳥
  • 熱帯雨林の宝石ヤドクガエル
  • サソリが人を救う?
  • クモ毒の不思議
  • 地上最強,ボツリヌス毒素
  • O157とベロ毒素
  • 煮ても焼いても食えないカビ毒
  • 炭疽菌と生物テロ
  • 破傷風毒素は逆流する
  • ペニシリンのいたちごっこ
    • ウミヘビには二種類ある
    • ハチに刺されたらおしっこをかければいい?
    • ボツリヌス菌で美しくなる
    • 真空パックや加熱処理済みなら大丈夫か?
    • 除菌・抗菌思想の危険

第3章 植物毒の秘密

  • 植物毒とはどんな毒か
  • 継母の毒トリカブト
  • ハシリドコロとベラドンナ
  • チョウセンアサガオとアトロピン
  • 毒ニンジンとソクラテス
  • きれいな花には毒がある―ヒガンバナ,スイセン
  • 矢毒クラーレから筋弛緩剤へ
  • タバコとニコチン
  • リシンとマルコフ暗殺事件
  • 身近な野菜に含まれる毒―ジャガイモ,ワラビ,フキノトウ,青梅
  • キノコ毒の世界
  • ベニテングタケがみせる夢
  • マジックマッシュルームとシロシビン
  • 秋ナスを嫁に食わせてはいけない理由は?
  • 子どもはなぜピーマンが嫌いか
  • カイコとクワの蜜月関係
  • 酒と一緒に食べると二日酔いするヒトヨタケ
  • ワライタケを食べると,本当に笑うのか?

第4章 鉱物毒・人工毒の秘密

  • 鉱物毒・人工毒とは
  • 亜砒酸
  • 青酸カリ
  • タリウム,あるいは新緑の芽
  • 戦争が生み出した神経ガス
  • 火山ガスにご用心―硫化水素ガス,二酸化炭素
  • 不老不死の秘薬とされていた水銀
  • 鉛の毒がローマを滅ぼした?
  • 内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)
    • 地下水の砒素汚染
    • 有機リン剤の毒性
    • 実は酸素も毒だった
    • ダイオキシンは脅威か?

第5章 麻薬とは何か

  • 麻薬とはどういうものか
  • 麻薬はなぜ効くのか?
  • アヘンの歴史
  • アヘンからモルヒネへ
  • 鎮痛薬モルヒネと最悪の麻薬ヘロイン
  • コカとコカ・コーラ
  • コカインの作用
  • 麦角と聖アントニウスの火
  • LSDの誕生
  • ペヨーテとメスカリン
  • 大麻とマリファナ
  • 覚せい剤の恐怖

第6章 毒の事件簿

  • 希代の毒殺魔ブランヴィリエ侯爵夫人
  • ナポレオン暗殺の謎
  • タリウムと母親殺人事件
  • グレアム・ヤング事件
  • トリカブト殺人事件
  • 毒入りカレー事件
  • 地下鉄サリン事件
  • 風邪薬殺人事件

サポート

正誤表

本書の掲載内容に下記の誤りがございました。読者の皆様,および関係者の方々にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

(2014年6月18日更新)

P.36 最後の行

⇒(LD50=0.0005mg/kg)
⇒(LD50=0.00005mg/kg)

P.38

「強力な毒」の表のLD50の数値が不正確でした。正しくは以下の表のような数値になります。

毒の名前毒の由来LD50(mg/kg)
ボツリヌストキシンボツリヌス菌(推定)0.00005
テタヌストキシン破傷風菌(推定)0.00005
マイトトキシン微生物(マウス)0.00017
パリトキシン微生物(海老毒)0.00025
ベロ毒素赤痢菌 O157(マウス)0.001
バトラコトキシンヤドクガエル0.002
サキシトキシン微生物(貝毒)0.003
テトロドトキシン微生物(フグ毒)0.01
VXガス毒ガス0.02
リシントウゴマ0.03
アコニチントリカブト0.3
アフラトキシンカビ毒(ウサギ)0.3
サリン化学合成0.35
亜砒酸鉱物毒2
ニコチンタバコ7
青酸カリ化学合成(モルモット)10
ダイオキシンダイオキシン(モルモット)0.0006?0.002

※注:LD50の値は被験対象の種類や投与方法,さらには個体差に よっても大幅に異なってくるため,一概には比較しにくい。ここに示し たのはあくまで毒の強さの目安である。ラット,マウスなどとあるの は,これらの動物に投与した場合のLD50値を表す。

P.38 表中

ボツリヌスキシン
ボツリヌスキシン

p.47 ページの上の図

テトロオドトキシン
テトロドトキシン

p.85 5行目

1996年
1984

p.100 フレミングの説明

1828年,青カビから
1928年,青カビから

p.117 上部,図中

アイリス
マリリス

p.120 後ろから3行目<

ナス科に植物
ナス科植物

p.146 6行目

ラッソン
ッソン

p.194 最後の行

精製された
合成された

p.230 後ろから4行目

巻いて
いて

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