概要
「RDBMSだと大規模データをうまく扱えない」といわれ,NoSQLのような代替技術が生まれてきていますが,本当でしょうか?
ビッグデータ時代でもシステムの中核として依然重要なRDBMSの力を100%発揮できれば,開発や運用はもっとラクになります。
本書では,ストレージ,CPU,ネットワークといったあらゆる点から「なぜ,RDBMSは遅くなるのか?」と「どうすれば,性能を最大限引き出せるのか?」を徹底解説。Oracle Exadataなどの最新動向もふまえて,RDBMSの限界を引き出す最新常識を教えます。
こんな方におすすめ
著者から一言
「RDBMS」と聞くと,どういうイメージが浮かびますか?
「堅牢」「一貫性がある」「安心」といったよいイメージもあれば,「ブラックボックス」「レガシー」「ボトルネックになりやすい」といった悪いイメージもあるかもしれません。
リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)は,比較的古くから,システムの中核で利用されてきました。近年,モバイル端末をはじめとしたアクセス手段の増加によって,システム規模の大型化が進んでいます。また,「ビッグデータ」というキーワードで言われるように,これまで見たことがないほどの大規模データを扱うようになりました。
大規模化に伴い,システムの中心にいるRDBMSにて,ボトルネックが目立ってきています。RDBMSの弱点を補うような,さまざまな代替技術も生まれています。
今後は,RDBMSではなく,こういった代替技術を積極的に採用すべきなのでしょうか? RDBMSはオワコンなのでしょうか?
でも,すべてのことがRDBMSでできたら,開発や運用はきっと楽になると思いませんか?
本書では,RDBMS で大規模トランザクション・大規模データを扱う際に,ボトルネックとなるポイントやその理由,改善案を説明していきます。最初からRDBMS以外の選択肢を考えるのではなく,まずはRDBMSで対応するためのアイディアを示します。RDBMSですべてに対応できるかどうか,判断するための材料になれば幸いです。RDBMS の適用範囲を限界まで広げるために,皆さんのお手伝いをさせてください。
なお,本書では「Oracle Database」や,ハードウェアと組み合わせた統合型製品である「Oracle Exadata」を例に説明します。具体的なコマンド例や実装例も出てきます。しかし,根本的な考え方は,すべてのRDBMS共通であることを念頭に置いて書いていますので,普段の業務でOracle Database以外のものを扱っている方にも,ぜひ読んでいただきたいと思います。
進化しているハードウェアをうまく活用し,RDBMSのさまざまな機能も利用することで,RDBMSの適用範囲を広げ,システムの複雑性を下げ,開発・運用しやすいシステムを作り,みんながハッピーになることが願いです。RDBMSをあきらめないために,一緒に考えていきましょう。
それでは,よろしくお願いします!