概要
これまで電子工作といえば,部品を買ってきて配線したり,PICマイコンなどで簡易なプログラムを作成するものでした。それが,現在ではRaspberry Piに代表されるようにARMマイコンを搭載した低価格な組込みLinuxボードが登場したことによって,より複雑な制御が簡単にできるようになりました。そこで本書では,これからARMマイコンで電子工作を始める方を対象に,組込みボードの選び方からプログラムの作成手順,さらに組込みLinuxのカーネル再構築やデバイスドライバの作成方法などをやさしく解説します。
こんな方におすすめ
- 電子工作に興味のある方,ARMマイコンに興味のある方
目次
第1章 今ドキの電子工作とは?
第2章 今ドキの電子工作をやるための組込みボード選定とは?
- 2-1 OSの搭載有無で選ぶ
- 2-2 搭載されているCPUで選ぶ
- 2-3 選定する際の要素
- 2-4 組込みボード以外に必要なもの
第3章 購入後,最初に行うことは?
- 3-1 組込みボードとACアダプタを接続する
- 3-2 組込みボードとPCを接続する
- 3-3 PC側でシリアルターミナル(コンソール)を立ち上げる
第4章 立ち上げた組込みボードと戯れるには?
- 4-1 マニュアルを入手してサンプルアプリケーションと戯れる
- 4-2 ネットワークの設定を行う
- 4-3 組込みボードの様子を探検する
- COLUMN DHCPサーバからのネットワーク設定
- COLUMN viエディタの基礎の基礎
第5章 ホストマシン(Linuxマシン)の準備とは?
- 5-1 Linuxマシンが必要な理由
- 5-2 Linuxマシンを準備する方法
- 5-3 仮想環境をインストールする
- 5-4 Linuxディストリビューションを選択する
- 5-5 VMware Playerを用いてホストマシン(Vine Linux)を構築する
- 5-6 ネットワークの導通確認をする
- 5-7 Sambaサーバを設定する
- COLUMN コマンドで一般ユーザを作成する方法
- 5-8 FTPサーバを設定する
- 5-9 NFSサーバを設定する
第6章 開発環境を構築し,プログラムを実行するには?
- 6-1 クロスコンパイラをインストールする
- 6-2 コマンドパスを設定し,.bashrcを編集する
- 6-3 ユーザプログラムをクロスコンパイルする
- 6-4 知っておいたほうがよいこと
第7章 GNUソフトウェアのインストール方法とは?
- 7-1 取り上げるGNUソフトウェア
- 7-2 BusyBoxのインストール方法
- 7-3 thttpdのインストール方法
- 7-4 ntpdateのインストール方法
第8章 ブートローダー,カーネル,ファイルシステムの書き換えとは?
- 8-1 起動処理の概要
- 8-2 SDカードを準備する
- 8-3 SDカードを用いた書き換え方法
第9章 ルートファイルシステムをいじってみるとは?
- 9-1 ルートファイルシステムの概要
- 9-2 イメージファイルからルートファイルシステムを作成する
第10章 Linuxカーネルの再構築とインストールとは?
- 10-1 カーネルソースを入手してコンパイルする
- 10-2 build-inとmoduleの違いを理解する
- COLUMN moduleの仕組みがなかったころは
第11章 GPIOを叩くとは?
- 11-1 MINI2440でLチカ
- 11-2 システムコールとは?
第12章 デバイスドライバとは?(初級編)
- 12-1 簡単なデバイスドライバ(ホスト編 Vine Linux)
- COLUMN printk のログレベル
- 12-2 簡単なデバイスドライバ(ターゲット編 MINI2440 その1)
- COLUMN MINI2440の/var/log/messagesファイル
- 12-3 簡単なデバイスドライバ(ターゲット編 MINI2440 その2)
第13章 デバイスドライバとは?(キャラクタ型編)
- 13-1 デバイスファイルの作成方法
- 13-2 キャラクタ型デバイスドライバ(その1)
- 13-3 キャラクタ型デバイスドライバ(その2)
- 13-4 キャラクタ型デバイスドライバ(その3)
第14章 今ドキのLチカって?(遂にゴールイン!)
- 14-1 LED用ドライバ
- 14-2 ソケット通信によるLEDアクセス
- 14-3 CGIで制御する
サポート
ダウンロード
本書で使用するサンプルソースはダウンロードできます。以下の圧縮ファイルをダウンロードしていただき,適宜解凍してご利用ください。
- ダウンロード
- armsupport_20140416.zip(約65KB)
正誤表
本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに,ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
(2014年4月16日更新)
P.147 コマンド実行の説明部分
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正 |
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