概要
自分で作るスライドやチラシ,企画書などが魅力的な資料にならず,苦労することが多いようです。その原因は,センスがないことではなく,デザインの基本ルールを知らないことなのです。本書で詳しく解説する基本ルールをマスターすれば,WordやPowerPointであっても,読みやすく伝わりやすい,そして見違えるほとかっこいい資料が作れるようになります。
旧版では「もっと早く読んでおきたかった!」「職場のみんなに配りたい」など大きな反響を巻き起こしました。増補改訂版では,図版の作り方や実践例など内容を拡充してさらにパワーアップ。作例の図なども大きくし,さらに読みやすくなりました。すべての学生・社会人に必携の1冊です!
こんな方におすすめ
- すべての情報発信者
- 「自分の作るスライドや企画書,チラシやポスターがなんだかださい。なんとかしたい!」と思っている方
- 職場で「にわかデザイナー」をやっている方
著者から一言
デザインの力(ちから)で資料は生まれ変わる
(本書 はじめにより)
自分のアイデアや成果を提案・報告するための「企画書やプレゼン資料,レポート」,イベントやセミナーを告知するための「ポスターやチラシ」など,パソコンやオフィスソフト(Microsoft WordやPowerPointなど)の普及した今,個人個人が多岐にわたる資料を作成するようになってきました。
とはいえ,資料の「作り方」を教わる機会はほとんどありません。「読みやすく,見やすく,魅力的な資料」を作ろうとしたとき,多くの人は闇雲に,あるいは自己流で資料を作るか,途方に暮れてしまうのが現状です。これでは良い資料はできませんし,生産性が上がりません。その原因は,「デザインのセンス」の問題ではなく,「デザインのルール」を知らないことにあります。カッコいい資料を真似したり,かわいいデザインのテンプレートを使っても期待したほど良い資料ができなかったという経験も,原因は同じです。つまり,私たちは,デザインの知識や教養を身に付ける前に,様々な資料を作らなければならない状況に直面しているのです。
資料の見た目のインパクトばかりを重視していたり,あまり実用的でないデザインテクニックを紹介するビジネス書は星の数ほどあります。しかし,読みやすさや見やすさに重点を置いた非デザイナー向けのデザインの体系的な書籍は皆無です。一方で,デザイナー向けのデザインの教科書や解説書などの専門書はレベルが高く,企画書やプレゼン資料などを作る社会人や学生などにはあまり有用ではないのが実情です。そのような背景から,本書の執筆にあたって,デザイナーではない社会人や教育者,学生,研究者向けのデザインの教科書となるよう,実用的なデザインの基本知識をまとめることを目標としました。ですので,小手先のデザインテクニックを紹介するのではなく,デザインやレイアウトの基本を体系的に紹介するように務めています。公的機関や民間企業,大学など,業種により理想となる資料のタイプは異なりますが,陥りやすい問題点やつまずきやすい点の多くは共通しています。本書で紹介する基本知識は,あらゆる資料の作成に応用できるものであり,学生や社会人とっての教養となるものなのです。
初版の予想以上の反響から,改訂増補版を出版するに至り,今回,大幅なバージョンアップを行うことができました。初版では扱い切れなかったデザインのルールを新たに加えるとともに,したいことを具現化するためのPCの操作方法を数多く書き加えています。これにより,デザインのルールの学習から実際の資料作成までをカバーする内容となりました。本書をきっかけにデザインの基本知識や教養として普及し,社会において円滑で有意義なコミュニケーションが拡がることを願っています。