概要
日曜の午後は,翌日からの会社のことで憂鬱になる。
仕事よりも人間関係にエネルギーをとられ,消耗している。
ちゃんと仕事をしているのに,なぜか同期よりも昇進が遅れてしまった。
会社で働く日々にモヤモヤをずっと感じている。
このまま会社員を続けなければならないと思うと,不安だし,苦しい。
――有能なのにパッとしないのは,会社勤めに向いてないからかもしれません。
ストレスフルで,休職に追い込まれ,出世も遅かった会社員だったのに,独立して受講者1万人の人気講師になれた著者が,会社員に向かない人の特徴,そして雇われずに成功する方法を体系化。
「独立するっていっても,仕事はどう作るの?」
「問題はお金,どうなるのか見当もつかないよ」
「不安だらけ,メンタルが参っちゃいそう……」
そんな悩みに,会社員18年,独立15年の実体験をもとに答えます。
こんな方におすすめ
- 会社員としてうまくいってないと感じている方
- 「フリーで自由に働きがいが,自分には無理そう」と思っている方
著者から一言
何年も働いているのに,日曜の午後は,翌日からの会社のことで憂鬱になる。
仕事そのもの,というより,会社の人間関係にエネルギーをとられ,消耗している。
仕事はちゃんとしているのに,なぜか,同期よりも昇進が遅れてしまった。
「何が」と聞かれても困るが,会社で働く日々に,モヤモヤをずっと感じている。
このまま会社員の日々を続けなければならない,と思うと,不安だし,苦しい。
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このように,日々の職場で消耗し,ストレスを感じ,会社員でもパッとしない自分を「仕事ができない人間」などと,どこかで責めていないでしょうか。
ちょっと立ち止まって考えてみてください。ひょっとしたら,「仕事ができない人」ではなく,ただ単に「会社員が合わない人」なのかもしれません。逆にいえば,「独立した方がパッとする人」なのかもしれないのです。
じつは私も,会社員時代はパッとしない人でした。しかし,40歳で18年お世話になった会社をやめて独立して以来,「雇われず,雇わず」の独立ビジネスライフを約15年過ごしています。
会社員時代には休職にまで追い込まれ,課長になるのも同期から大きく遅れた私でしたが,現在は自らの挫折・失敗経験をベースに開発した「7つの行動原則」というオリジナルプログラムで大手を中心に多くの企業様で研修をおこなう,(自分で言うのもなんですが)「人気講師」として活躍しています。
収入でいえば,独立にはもちろん退職金はなく,交通費をはじめ各種の経費も自腹なので単純に比較するのは難しいですが,おそらくあのまま課長で会社に60歳まで残ったらいただけたであろう総額を,すでにこの15年で十分に超えているでしょう。
そしてなにより,「自分らしさ」と「調和」のある,「ワクワク」していながら「自然」で「ノビノビ」な日々なのです。緊張感はあるものの,嫌な「ストレス」がありません。独立したこの15年は,毎週日曜日の夜に,翌日の月曜の朝がくるのが待ち遠しいのです! 会社員時代は,日曜の朝くらいからブルーな気持ちだったのに,です。
かつての私は,「会社員の一部のトップエリートだけが独立できる」と考え,「自分なんかが独立できるわけはない」と考えていました。つまり,「会社員は下,独立が上」と信じ込んでいたのです。
実際に独立して15年たった今は,その考えがまちがいだったことがわかります。「会社員」と「独立」は,「上下の関係」ではなく,「どちらが合うか,合わないか」といった,ある種「並列の選択肢」にすぎなかったのです。
「でも独立するっていっても,仕事はどう作るの?」
「問題はお金,独立したらどうなるのか,見当もつかないよ」
「独立なんかしたら,きっと不安で,もっとメンタルが参っちゃいそう!」
しかし問題は,独立に関することが,会社員から見るとブラックボックスになっていて,正体不明の化け物のような,不安と恐れとあきらめの対象になっていることです。
会社員は基本的に,会社員同士で仕事をすることがほとんどです。ですから,周囲の人といくら話しても「独立」を具体的にイメージすることはできません。そして,わからないのにいくら想像しても,残念ながらムダなのです。実際に,私もそうでした。独立してからは,「えっ!」「そういうこと!」と,想定外の驚きの連続でした。
そこで本書では,まず「会社員には向かない人の特徴」を多面的に考察し,そのあとに「仕事」「お金」「時間」「人間関係」「メンタル」を軸に
- 独立したらどんな問題があり,どんな壁にぶつかるのか
- その壁をどのように工夫して乗り越えたのか(今も乗り越えようとし続けているのか)
を,会社員として18年,独立して15年の実体験をもとに,できるだけ具体的に生々しくご紹介していきます。
「ビジネスキャリアに不安と悩みがまったくない」などという人は,そういないと思います。しかし,悩んだ時,解決策を考える時,そして決断する時,その思考は「異動を願い出る」「資格を取る」「転職する」といった「会社員の枠内」にとどまってしまっていることがほとんどではないでしょうか?
気をつけなければいけないのは,その会社員という働き方も決して安泰ではないということです。終身雇用神話の崩壊,副業OK,AI化など,変化は激しく,ますます先行きは不透明になっています。また,このコロナ禍の中,リモートワークといった新しい,ある種独立に近づいたような働き方が否が応でも進展していきます。
本書は,〝いますぐ″〝どんな人にでも″「独立」をすすめる本ではありません「独立が合っている人」は独立したほうがいいかもしれませんが,「会社員に合っている人」は組織の中でこそ輝きを増すかもしれません。当然ながら「会社員」も「独立」も両方合っていて,どちらも狙える人もいます。また,ビジネスを始めたばかりの若手の方は,どちらが合っているかわかるほどの経験がまだないのが現実ではないでしょうか。そしてどの人も,「会社員」か「独立」かを即決せずに,これから考えていってもいいのです。
本書を読むことによって,まず,そのような新しい切り口での「現在地」が見えてくると思います。そのうえで,次のような「気づき」や「価値」が提供できればと願っています。
「よし,独立でいこう!」と決める人には
- 独立に対する「まちがった思い込み」や「不必要な恐れや不安」を取り除く
- いままでぼんやりしていた「独立という働き方」がより具体的にイメージできる
- 独立を実現するためには,どんな方向で,どんな工夫や努力が必要なのかがわかる
「よし,会社員でいこう!」と決める人には
- 「自分には会社員のほうが合っているのだ」ということが腑に落ちる
- 変化し高度化する会社員という働き方の中で,活躍し続けるためのヒントが得られる
「まだ会社員か独立かを,決めるほどの経験をしていない」
「現段階では会社員が合っているが,独立ができるようにもなりたい」
「現段階では独立が合っているが,まだ決める時ではない」という人には
- 「独立」も視野に入れた〝ゼロベース″での今後の働き方を考えるきっかけが得られる
- 現在の「合う/合わない」に関係なく,将来的に「独立」を目指すのであれば,どのような方向で,どんな準備や工夫が必要になるかがわかる
- 会社員でいくにしても,変化し高度化する中で活躍し続けるためのヒントを得られる
本書が,それぞれの人に,それぞれの形でお役に立ち,1人でも多くの人が「自分が望む,自分に合うノビノビとしたキャリア」を実現する一助となれたら,著者としてもこんなにうれしいことはありません。