目次
第1章 Web3と各種トークンの法的分析
第1節 「Web3」とは何か
- 1 Web3の概念
- (1) ギャヴィン・ウッドによる「Web3」
- (2) アンドリーセン・ホロウィッツによる「Web3」
- (3) ティム・バーナーズ=リーによる「Web3.0」
- (4) 日本政府による「Web3.0」
- (5) 本書における「Web3」
- 2 Web3の構成要素
第2節 各種トークンの分類と本書の読み方
- 1 本書における各種トークンの定義
- 2 各種トークンの関係
- 3 本書の読み方
第2章 暗号資産
第1節 暗号資産該当性
- 1 資金決済法上の定義規定
- 2 1号暗号資産について
- 3 2号暗号資産について
第2節 暗号資産の取扱いに関する規制
- 1 暗号資産交換業とは
- (1) ①暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換
- (2) ②①に掲げる行為の媒介,取次ぎ又は代理
- (3) その行う①及び②に掲げる行為に関して,利用者の金銭の管理をすること
- (4) 他人のために暗号資産の管理をすること
- 2 外国暗号資産交換業者とは
- 3 暗号資産交換業登録までのプロセス
- (1) 登録の申請
- (2) 外国暗号資産交換業者の登録申請
- 4 暗号資産交換業者の業務
- (1) 情報の安全管理(資決63の8)
- (2) 委託先に対する指導(資決63の9)
- (3) 暗号資産交換業の広告(資決63の9の2)
- (4) 禁止行為(資決 63の9の3)
- (5) 利用者の保護等に関する措置(資決63の10)
- (6) 利用者財産の管理(資決63条の11)
- (7) 履行保証暗号資産の確保(資決63の11の2)
- 5 マネー・ローンダリング / テロ資金供与防止
- (1) 犯罪収益移転防止法
- (2) AML/CFTガイドライン
第3節 暗号資産に関する実務上の論点
- 1 ICO,IEO及びIDOの法規制
- (1) 問題の所在
- (2) ICOの規制
- (3) IEOの規制
- (4) IDOの規制
- 2 海外法人利用による資金決済法規制の回避
- (1) 問題の所在
- (2) 資金決済法の適用範囲
- (3) 海外法人による勧誘行為該当性
- コラム シンガポールにおける暗号資産等の上場等
第3章 ステーブルコイン
第1節 ステーブルコインの定義と分類
- 1 はじめに
- 2 ステーブルコインの定義
- 3 ステーブルコインの分類
第2節 電子決済手段
- 1 1号電子決済手段
- (1) 決済手段性
- (2) 売買可能性
- (3) 電子記録性
- (4) 通貨建資産
- (5) 有価証券等への非該当
- (6) 電子移転性
- 2 2号電子決済手段
- 3 3号電子決済手段(特定信託受益権)
- 4 4号電子決済手段
第3節 電子決済手段の発行の規制
- 1 発行者・仲介者規制の分離
- 2 発行者規制
- (1) 必要なライセンス
- (2) 信託受益権スキーム
- 3 仲介者規制
- (1) 仲介者規制について
- (2) 対象行為
- (3) 規制内容
- (4) 類似制度との違い
第4節 前払式支払手段の規制と発行実務
- 1 前払式支払手段の定義
- (1) 定義
- (2) 前払式支払手段の類型
- 2 前払式支払手段型ステーブルコイン
第5節 暗号資産型の規制と発行実務
- 1 暗号資産型ステーブルコイン
第6節 海外のステーブルコイン
- 1 海外のステーブルコインの取扱い
- 2 海外のステーブルコインの日本での発行・流通
- (1) 発行者規制
- (2) 仲介者規制
第4章 ユーティリティトークン
第1節 ユーティリティトークンの定義と法規制
- 1 ユーティリティトークンの定義
- 2 ユーティリティトークンの法規制
- (1) 有価証券(集団投資スキーム持分)
- (2) 暗号資産
- (3) 前払式支払手段
- (4) 電子決済手段
- (5) 為替取引(資金移動)
- (6) 景品表示法その他の規制
第2節 ユーティリティトークンに係る具体的事例
- 1 ファントークン(クラブトークン)
- (1) ファントークンとは
- (2) 具体的な事例
- 2 その他事例
第5章 ガバナンストークン
第1節 ガバナンストークンの法的性質
- 1 定義
- 2 用途
- 3 具体例
- (1) UNI トークン
- (2) MKR トークン
- 4 有価証券(集団投資スキーム持分)該当性
- 5 暗号資産該当性
第2節 ガバナンストークンの取扱いに関する規制
- 1 有価証券に該当する場合
- (1) 金融商品取引業登録の必要性
- (2) 開示規制対応の必要性
- 2 暗号資産に該当する場合
- 3 金融規制に該当しない場合
- コラム 自社発行トークンに対する法人税課税の問題
第6章 セキュリティトークン
第1節 セキュリティトークンの定義・関連法令
- 1 セキュリティトークン/STOの定義
- (1) STOとは
- (2) STOのメリット
- 2 金融商品取引法上の位置付け
- (1) 電子記録移転権利の定義・要件
- (2) セキュリティトークンの分類
- 3 不動産特定共同事業法上の位置付け
第2節 電子記録移転権利に関する法規制
- 1 概要
- 2 開示規制
- 3 業規制
- (1) 電子記録移転権利の発行者
- (2) 仲介事業者
- 4 行為規制
- (1) 損失補填等の禁止
- (2) 適合性の原則
- (3) 禁止行為
- (4) 契約締結前交付書面
- (5) 契約締結時交付書面
- (6) 広告等に係る規制
- (7) 誠実公正義務
- 5 その他の規制
第3節 STOに関する法的諸問題
- 1 二次流通市場(セカンダリー)について
- 2 私設取引システム(PTS)に関する問題
- 3 出資持分の譲渡に係る第三者対抗要件に関する問題
- (1) 論点
- (2) 最近の動向
第7章 NFT
第1節 NFTの法的性質
- 1 定義
- 2 特徴
- (1) 唯一性
- (2) 耐改ざん性
- (3) 透明性
- (4) 拡張性
- (5) 流動性
- 3 活用事例
- (1) デジタルアート
- (2) トレーディングカード
- (3) ブロックチェーンゲーム/GameFi
- (4) 会員権/コミュニティーサービス
- (5) 現物所有権証明
- (6) チケット
- (7) 記念品
- 4 法的性質の検討
- (1) NFT保有の法的意義
- (2) 収益分配の受取機能がある場合
- (3) 代金決済又は送金機能がある場合
第2節 NFTの法規制
- 1 業規制
- (1) 金融商品取引業
- (2) 自家型発行者 / 第三者型発行者
- (3) 暗号資産交換業
- (4) 電子決済手段等取引業
- (5) 銀行業/資金移動業
- 2 取引に関する規制
- (1) 景品表示法
- (2) 特定商取引法
- (3) 刑法(賭博罪)
第3節 NFTビジネスの法務対応
- 1 デジタルアートNFTと著作権
- (1) 問題の所在
- (2) デジタルアートNFT 販売と著作権
- (3) マーケットプレイスの設計
- (4) 無断発行NFTの問題
- 2 ランダム型販売/アイテム合成機能等と賭博
- (1) 問題の所在
- (2) 賭博罪の構成要件
- (3) ランダム型販売についての考察
- (4) アイテム合成機能についての考察
- 3 ブロックチェーンゲームにおけるスカラーシップ制度等と集団投資スキーム等
- (1) 問題の所在
- (2) NFTレンタル制度についての考察
- (3) 集団投資スキーム持分の要件
- (4) スカラーシップ制度についての考察
- 4 現物所有権証明型NFTの移転と対抗要件制度
- (1) 問題の所在
- (2) 法律上の対抗要件制度
- (3) 現物所有権証明型NFTの制度設計についての考察
- コラム 宇宙×NFT
第8章 メタバース
第1節 メタバースとは
- 1 メタバースの歴史
- (1) 「メタバース」の誕生
- (2) 「メタバース」の先駆け
- (3) 「メタバース」の加速
- 2 メタバースの定義
- (1) 「メタバース」定義の困難さ
- (2) 従来の「メタバース」の定義
- (3) 現在の「メタバース」の定義
第2節 メタバースと『コンテンツ・事業』にまつわる法の諸問題
- 1 著作権法
- (1) 仮想空間全体の著作権
- (2) 仮想空間に存在する個々のコンテンツの著作権
- (3) メタバース上での創作的行為
- 2 商標法
- (1) 日本法における商標登録の概要
- (2) メタバースと商標に関する諸問題
- (3) 商標権侵害に対する対応
- (4) メタバースと国際登録出願
- 3 物権法・債権法
- (1) デジタルアセットと物権法
- (2) メタバースと取引
- (3) メタバース上の権利侵害
- 4 個人情報保護法
- (1) アバターに関する情報は日本における個人情報保護法の保護の対象となるか
- (2) 国際社会におけるメタバース内の個人情報
- 5 景品表示法
- (1) 景品表示法の適用対象
- (2) 不当な表示(景表 5)について
- (3) 景品類の提供(景表 4)について
- 6 不正競争防止法
- (1) 混同惹起行為及び著名表示冒用行為
- (2) 形態模倣商品の提供行為
- 7 特定商取引法
- 8 その他の法令
- (1) 製造物責任法
- (2) 風営法
- (3) 景観に関する規制
- (4) 資金決済法,犯罪収益移転防止法
- 9 適用法
- (1) メタバース空間における適用法の考え方
- (2) 現実的な対策について
第3節 メタバースと『人』にまつわる法の諸問題
- 1 肖像権・パブリシティ権
- (1) 現実世界における肖像権・パブリシティ権
- (2) 現実の人間の肖像権・パブリシティ権に関する問題点
- (3) メタバース空間上のアバターに生じる権利に関する問題点
- 2 プライバシー
- (1) プライバシー権の内容
- (2) プライバシー情報
- (3) 自己情報コントロール権に関する諸問題
- (4) 小括
- 3 刑事法
- (1) 総論
- (2) 名誉に対する罪及び脅迫の罪
- (3) 性犯罪
- (4) 財産犯
- (5) 身体に対する罪
- 4 家族法
- (1) メタバースと結婚
- (2) メタバースと相続
第4節 総括
第9章 DAO
第1節 DAOとは
- 1 定義
- 2 構成要素
- (1) ①代表者等の不在
- (2) ②構成員の流動性
- (3) ③組織運営等の自動化
- (4) ④ガバナンストークンの投票による意思決定
- (5) ⑤トークン発行による資金調達
- 3 活用事例
第2節 国内法における位置づけ
- 1 立法措置の現状
- 2 既存の法人・団体制度との比較
- (1) 分析の視点
- (2) 理想的なDAO(試論)
- (3) 既存の法人・団体制度との比較検討
第3節 DAO組成の実務対応
- 1 国内法における法人・団体制度の選択
- (1) 合同会社
- (2) 民法上の組合
- (3) 権利能力無き社団
- 2 トークン発行その他の問題
第10章 DeFi
第1節 DeFiとは
- 1 DeFiの定義
- 2 DeFiの種類
- (1) DEX
- (2) レンディングサービス
- (3) その他のDeFiサービス
第2節 DeFiに関する法規制
- 1 DEXと法規制
- (1) LPトークンに関する法規制
- (2) ガバナンストークンに関する法規制
- (3) 暗号資産の取引に関する法規制
- (4) DEXがスマートコントラクトにより管理・運営されていることの影響
- 2 レンディングサービスと法規制
- (1) レンディングサービスとは
- (2) 暗号資産交換業該当性
- (3) 貸金業該当性
- コラム 「DeSci(分散型サイエンス)」とは
第11章 Web3とファンド
第1節 ファンドとは
- 1 ファンドの定義
- 2 ファンドとWeb3との関わり
- (1) ファンドの類型
- (2) 暗号資産に投資するファンド
- (3) Web3企業に投資するファンド
第2節 ファンドに関する法規制
- 1 はじめに
- 2 金融商品取引法による業規制
- (1) 集団投資スキーム持分
- (2) 第二種金融商品取引業
- (3) 投資運用業
- (4) 適格機関投資家等特例業務
- (5) 海外投資家等特例業務
- 3 金融商品取引法による開示規制
- 4 金融商品取引法による行為規制
- 5 投資事業有限責任組合を用いたスキームの懸念点
- 6 投資事業有限責任組合以外のビークルの可能性
- (1) ビークルの選択
- (2) 匿名組合・任意組合を用いた際の法規制
- (3) 匿名組合・任意組合を用いた際のデメリット
- 7 トークンの付与
第12章 Web3と個人情報保護
第1節 「個人情報」とは
- 1 Web3ビジネスと個人情報の関係
- 2 「個人情報」とは
- 3 個人データ・保有個人データとは
第2節 Web3ビジネス事業者が注意すべき個人情報保護法の規制
- 1 Web3ビジネスと個人情報保護法
- 2 ブロックチェーンの特徴
- 3 暗号化・ハッシュ化と個人情報該当性
- 4 第三者提供規制との関係
- (1) 第三者提供規制の概要
- (2) 同意
- (3) 委託・共同利用
- (4) 越境移転規制
- 5 削除請求等との関係
- 6 国外法との関係
- 7 まとめ