概要
【「公式」から自由になる物理へ。——覚えるのではなく,導き出す力を育てる一冊】
高校物理の公式,あなたは「覚えるもの」だと思っていませんか?でも本来,物理とは 法則に基づいて式を立てる「思考の学問」。共通テストでも,各大学の個別試験でも,「なぜその式が使えるのか」を問う問題が増えています。
本書は,教科書や参考書では省略されがちな「公式の導出」に焦点を当て,実際の入試問題やオリジナル問題を通じて,ひとつひとつの式がどのように生まれたのかを丁寧に解説します。
目指すのは,暗記からの脱却。物理の世界を「意味のあるかたち」で理解する力を,ここから養いませんか?本書は,力学・波動分野を扱っています。
こんな方におすすめ
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目次
【力学編】
- 1.等加速度直線運動の公式
- 2.浮力の大きさ
- 3.運動エネルギー
- 4.運動量保存則
- 5.重心速度一定
- 6.等速円運動の速度、加速度
- 7.単振動の速度
- 8.単振動の加速度、角振動数
- 9.単振り子の周期
- 10.万有引力による位置エネルギー
- 11.ケプラーの第二法則
【波動編】
- 1.波の変位yを時刻tと位置xの関数として表す
- 2.正弦波の伝わる速さ
- 3.弦を伝わる波の速さ
- 4.気柱共鳴の定常波の波長と腹と節の位置
- 5.うなりの振動数
- 6.定常波の変位yを時刻tと位置xの関数として表す
- 7.ホイヘンスの原理から反射の法則を導き出す
- 8.ホイヘンスの原理から屈折の法則を導き出す
- 9.音速を表す公式
- 10.ドップラー効果の公式(聞こえる振動数)
- 11.ドップラー効果の公式(波長の変化)
- 11.衝撃波の波面と速さ
- 13.フェルマーの原理から光の反射の法則を導き出す
- 14.フェルマーの原理から光の屈折の法則を導き出す
- 15.レンズの公式 2017年関西大学(改)
- 16.ヤングの実験の光路差と干渉縞の間隔①
- 17.ヤングの実験の光路差と干渉縞の間隔②
- 18.くさび形空気層による光の干渉の明線の間隔
- 19.薄膜による光の干渉の光路差
- 20.ニュートンリングができる干渉の光路差
サポート
正誤表
本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに,ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
P.53 解説 1
正しい回答は以下のとおりです。
正 |
つりあいの位置とは、おもりにはたらく弾性力と重力の合力が0となる位置のことです。
おもりがここから位置 x1だけずれた場合を考えます。仮に x1 > 0 の場合、おもりがつりあいの位置にあるときより弾性力が鉛直下向きに k1x1 だけ大きくなります。このことから、おもりがつりあいの位置から x1 だけずれているときにはたらく力は -k1x1 と表せることが分かります(x1 < 0 の場合を考えても同様に求められます)。
よって、このときのおもりの運動方程式は
m1a1 = -k1x1
と書けます。 |