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提供するEPUBの概要

こんにちは。gihyo.jpを担当している高橋です。今回のGihyo Digital Publishing(以下GDP)に携わっている一人です。GDPで提供される電子書籍の形式の一つにEPUBがあります。ここではGDPのEPUBについて説明していきます。

EPUB3の採用

GDPのEPUBはリフロー型のEPUB3形式の電子書籍になります。リフロー型とはページの概念がない(そのため電子書籍リーダーは一般的に,読み進めた箇所までを百分率で表示する)電子書籍であり,EPUB3とは電子書籍のパッケージ方法の一つEPUBのバージョン3を指します。

non-DRM

GDPのEPUBではDRMをつけないことにしました。そのため,お手元のパソコンやデバイスに自由にコピーできます。もちろん,DRMなしと言いましても著作権法を超えるコピーはNGですのでご承知おきください。

EPUBの電子書籍を購入後,お手元のパソコンやタブレット端末の電子書籍リーダーアプリケーションからEPUBファイルを開くことで電子書籍を読むことができます。

お勧めのEPUB リーダー

執筆時点の現在,EPUB3の仕様が固まりつつある段階であるため,EPUB3の仕様を完全に解釈する電子書籍リーダーがまだなく,先行実装気味で解釈できる電子書籍リーダーが対象となります。具体的に無料でお勧め電子書籍リーダーとして,パソコン上ではCalibre内蔵ビューワとiPadのiBooksを推奨,パソコン上でのFirefoxのアドオンのEPUB Readerを準推奨にする予定です。Android端末では準推奨とできる電子書籍リーダーは現時点でないのですが,Andorid OS 3端末のCuckooReaderがレイアウト再現力という意味ではお勧めです(※1)。このほかEPUB2に対応している現行の電子書籍リーダーでも,動作が重かったり,多少デザインが崩れた形で読み込むことはできるはずです(が,保障は致しません)。今後,電子書籍リーダーで良いものが出てきましたら,このブログでも紹介したいと思います。

なお,Android OS 2端末は現在,画像形式のSVGをサポートしていないためにSVGの利用を諦めましたが,遠くない将来に見直すことを考えています。そのため,Android2端末がメインの方はご留意ください。

valid度

実現したい書籍デザインとEPUB3先行実装気味のリーダーの多くが描画にWebkit(SafariやGoogle Chromeの描画エンジン)を利用している関係から,書籍デザインのために現在EPUB3で規定されているCSSを超えて,ブラウザ独自実装のCSS3の一部を利用しました。これについては閲覧上大きな問題にならないと考えているため,ご理解いただければと思います。

その他については,EPUB3の仕様に適合しているはずです(もし間違いを見つけられた場合には,ご指摘いただければ幸いです)。

フォントの問題

そして電子書籍を読む際に気になるのがフォントです。しかし,電子書籍のフォントを取り巻く環境の終着点を読み切れなかったため,GDPのEPUBではフォントをつけないことにしました(随時再検討したいところです)。

結果,iPadやWindows環境などの特定環境におけるフォント表示問題を解決するために,EPUB(内のCSS)で最低限のフォントのみを指定した形を取る予定です。また個人的に,Windows環境の方にIPAex系の明朝フォント(IPAex明朝など)のダウンロードをお勧めしたいです。

なお,(ほとんどの)Android端末では,日本語フォントに明朝体や太字がないため,これらを表現できない形になります。

まとめ

以上が,GDPで提供するEPUBに関するざっくりとした説明になります。サイト公開後のFAQにはもう少し平易な説明文が掲載されるかと思います。

筆者担当の次回以降では,GDPのEPUBの内部構造について簡単に概観していきます。

※1 CuckooReaderの描画はとても良いのですが,リーダーとしての機能が弱いという印象です。また,その他のAndroidの電子書籍リーダーとして,個人的にHimawari Readerに注目しているのですが,表のレイアウトがこちらの意図通りにならず,解決できておりません。もしお勧めの電子書籍リーダーがありましたら,ぜひお知らせいただけると嬉しいです。

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