今こそ!勉強会

第1回勉強会大集合に見る「勉強会のスタイル」

2008年に入り、OSSをはじめ各種IT関連の分野で勉強会の開催や参加が盛り上がっています。本連載では、現在の勉強会のスタイルについて考察し、参加の仕方から運営の方法、ノウハウについて紹介します。

いま、勉強会がブーム

皆さんは勉強会に参加したことがありますか?

「勉強会」と一言で言ってもさまざまなものが挙げられます。

  • 社内勉強会
  • 社外研修
  • 有料/無料セミナー
  • カンファレンス
  • 仲間内で集まる勉強会

など「セミナー」「カンファレンス」などという言い方までを含めると、本当に多種多様な種類の会があります。そのような状況の中、ここ最近、IT技術者による技術やサービスをテーマにした勉強会が盛んに行われているのをご存知ですか?

IT勉強会カレンダー

IT勉強会カレンダー

これはid:hanazukinさんがGoogleカレンダーで公開されている『IT勉強会カレンダー』というサイトです。これをご覧になっていただいてもわかるとおり、土日に限らず平日の夜など、非常にたくさんの勉強会が開催されています。

こうした背景をふまえて、本連載では、4回に渡って勉強会に『参加すること』そして『主催すること』をご紹介していきます。

勉強会大集合の開催

先の10月4日に開催されたOSC 2008 Tokyo/Fallにて、id:hyoshiokことよしおかひろたかさんが主宰となり、

「⁠⁠空前の勉強会ブーム』なのはなんでなのだろう?」

という素朴な疑問から、過去に勉強会を開催したことのある方々を集め、勉強会を開催したことのない人たちが開催したくなる目的で⁠勉強会大集合⁠というセッションを開催いたしました。当日は12の勉強会主催者が集まりました。

まず始めに、わんくま同盟の初音さんの発表にて、勉強会を開催をするにあたっての流れが紹介され、その後、各勉強会主催者あるいはスタッフによるライトニングトークで各勉強会の歴史や特徴が発表されました。

後半はid:hyoshiokさんをモデレーターとして迎え、勉強会を開催するために敷居となる部分をどのように低くし解決していくか、開催することのメリットなどをパネルディスカッションで話し合いました。

この勉強会大集合は、明確な答えを出すことを目的としていたのではなく、聴講した方たちがこの内容を試してみたり、今後勉強会を開催していきたいと思っている方々に開催する見通しをつけてもらうことを意識して開催されました。

勉強会を運営すること

自分は運営という立場でこの会のお手伝いをいたしましたが、参加したことのない勉強会の運営スタッフの方が多数集まり、運営方法について伺いました。そこで、各運営者に共通していたことは⁠運営者が一番楽しむ⁠ことでした。参加者側から見ると運営している人って「何で大変なことを引き受けるの?」という疑問を持つ方もいらっしゃるようですが、運営側から見ると運営しなければわからない楽しみや喜びがあるように思えます。

自分もこの勉強会大集合を裏で手伝い、終わった後には今までの苦労を忘れ、何物にも換えられない満足した気分になれました。本連載では、こういう気持ちを少しでもたくさんの方に感じてもらえればと思っております。

また、勉強会大集合のその後についてですが、今後はGoogle Groups内にMetaConというグループを作り活動を公開していきます。どなたでもご参加できますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

それでは、実際に「勉強会に参加すること」⁠勉強会を開催すること」について、簡単に紹介します。

勉強会に参加する

いきなり勉強会を開催すると言っても、勉強会に参加したことがなければいくら必要なことがわかったとしても成功しません。なのでまずは勉強会に参加し、その雰囲気や流れを知ることから始めましょう。

では勉強会に参加するにはどうしたらいいのでしょうか。

まず勉強会を探しましょう

探し方としては、先ほどもご紹介した「IT勉強会カレンダー」を参照し探すのが簡単です。その他にもプログラム言語やオープンソースのコミュニティならば公式サイトにその様な情報が載っている場合もありますのでご覧ください。

勉強会に申し込みましょう

参加してみたい勉強会が見つかったら申し込み手続きをしましょう。申し込み方法は各勉強会ごとに違うので申し込み方法をご確認ください。もし、勉強会のテーマに興味がなかったとしても、自分が勉強したい言語やサービスであれば、同じことに興味を持った人たちが集まるので参加してみてはいかがでしょうか。

勉強会に参加

会場がわからなければ、事前に会場の地図を用意し遅れないように参加しましょう。

発表を聞いてわからないことは積極的に質問しましょう。

自分のわからないことは、実は他の人もわからないことがあるので、あなたが聞くことで他の人の勉強にもなります。また発表者も、⁠聞いていて何がわからないか」というフィードバックが受けられるので、質問することは悪いことではありません。

懇親会にはできるだけ参加しましょう

勉強会が終わったあと懇親会があればできるだけ参加しましょう。懇親会では発表した講師や参加者たちが和気藹々とした雰囲気で会話を楽しみます。話題は勉強会で話したことだけではなく、仕事やプライベートでの話題など、いろいろなことで盛り上がります。

聞いた内容でわからないことがあったけど、みんなの前で質問できなかったことなどは、講師の近くに座り質問するといいでしょう。

帰ってきてから

帰ってきて満足して終わるのではなく何を学んだかアウトプットしましょう。あなたがアウトプットすることは、主催者や講師は今日の内容がどのように受取られたか、ということのフィードバックになります。そのため、勉強会に参加したときには、ぜひblogなどで感想や学んだことをアウトプットしましょう。

勉強会に参加することについては第二回で詳しくご紹介いたしますのでそちらをご覧ください。

勉強会を開催する

何度か勉強会に参加して「自分が知りたいことの勉強会がない」とか「あの人の話が聞きたい」などと思い始めたら、それは勉強会開催のシグナルです。誰かが開催するのを待つのではなく、あなた自身が開催してみましょう。

開催するには

それでは、勉強会を開催するには何が必要なのでしょうか?

必要な項目を以下に挙げてみました。

  • 開催のテーマを決める
  • 発表する人を募集する
  • 開催日時を決める
  • あつまる場所を探す
  • 参加する人を募集する

そして一番重要なのは、開催するあなたが「やって良かった」と楽しむことです。

開催前に、まず参加してくれそうな人たちが知りたいことや聞いてみたいことをblogなどで募集したり、仲間内に呼びかけてみましょう。その際、発表してくれる人の募集や話を伺ってみたい方に依頼をしてみましょう。

発表してくれる人が決まったら、予定調整サービスFIX ONなどを使いみんなの都合をあわせましょう。

会場探し

場所の探し方はいろいろありますが、無料で借りれる施設があればベストです。

会社の会議室などを使わせていただく場合は、貸していただける会社や社員の方にご迷惑をかけないようにしましょう。公共の施設でも参加者で頭割りをすれば安く済ませられるところもあります。

会場を決める基準としては

  • ネットワークが使える
  • プロジェクターの貸出がある

といった設備が整っている施設をオススメします。

参加者募集方法

参加者受付は専用フォームなどを新たに用意する必要はなく、無料で利用できるWikiやmixiのコミュニティなどで募集をかけます。また最初から知らない人たちを集めて開催するのに気が進まなければ、知っている方のみを集めクローズドな開催でもかまいません。

重要なのは発表する人とそれを聞く人が集まれる場を提供することです。

タイムスケジュール

会場を使用できる時間から発表者の発表時間を割り振りますが、もし時間が余る場合などは、最初に参加者の自己紹介タイムを設けたり、各発表間の休憩を長めにとり名刺交換などの参加者同士の交流時間に充てるのが良いでしょう。

開催当日

会場の設営などがありますので、開催時間の30分~1時間前に行くようにしましょう。

会社の会議室を借りる場合は、その会社の方にご迷惑がかからないよう、事前準備をしっかりしましょう。また、参加者が、知らない会社に入っていくのに抵抗がある場合も想定できます。あらかじめ入口付近などに順路に勉強会の案内などがあると良いでしょう。

懇親会

お店の選定や人数確保の難しさなどがありますが、懇親会は講師や参加者が気軽に話をして知り合う出会いの場なので、できるだけ懇親会を開催しましょう。

終わってから

この時が一番幸せなときです。参加者からの感謝の言葉をいただいたときや「やって良かった」という高揚感はクセになります。

また発表者や参加者からの感想などをフィードバックできる仕組みとして、感想まとめサイトなどを用意しておくと、参加者同士のネットワークもできます。ぜひ実践してみてください。

勉強会を開催する方法について駆け足でご紹介いたしましたが、詳しくは勉強会大集合の内容を含めて第三回で詳しくご紹介いたしますのでご覧下さい。

参加者視点・開催者視点で見た勉強会
参加者視点・開催者視点で見た勉強会

次回は

次回は、勉強会に参加することについて詳しく紹介します。この特集が終わったときに、これを「読んで勉強会に参加しました。」とか「開催してみました。」という声が聞けるようにお伝えしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

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