ライフハック交差点

第11回 Google Gearsがワークスタイルを変える

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Remember the Milk

オンライン上でタスク管理を行なうことができるサービス,Remember the Milkも早くにオフライン化に対応したサイトでした。

オフラインでのRTMはオンラインのそれとほとんど何も変わりません。新しいタスクの作成,情報の編集,削除,カテゴリの変更など,すべてがオフラインで可能になっています。ただし,オフライン・オンラインの切り替えはGoogle Readerと同じでユーザーが意識的に行なう必要があります。

タスクマネージメントはまさに「いつでも・どこでも」アクセスできることが必須ですが,これまでは何もこうしたタスク管理をウェブアプリケーションで行なわなくても,手帳やPDAのようなもので行なった方が,タスクの持ち出しは便利でした。

しかしウェブアプリケーションの利点の一つである「タスクの共有」を考えると,Google GearsでRTMを持ち歩けるようにした方が便利になります。タスクの一覧表はもはや自分だけのものではなく,あなたの仲間がリアルタイムにアップデートしたり,追加したり,消去しているものだからです。たとえば,次のようなスタイルを作ることができます。

  • 実行しなければいけないタスクをブレンストーミングしてRTMのタスクリストという形でチーム内で共有し,それぞれのメンバーが個別にタスクをこなしながら,新たに発生したタスクを加えてゆく

このとき,オフラインの利用ができれば出先にタスクリストを持ち出して,ネット環境に接続するたびに最新の状況をモニターすることができます。

Mindmeister

ブラウザのなかでマインドマップを作成できるMindMeisterというサービスも,Google Gearsに対応しているウェブアプリケーションの一つです。

マインドマップには思考やビジョンを他人と共有できるという利点がありますが,それはまさしくウェブアプリケーションに向いている点です。一方で,アイディアが生まれてくるのを「いつでも,どこでも」捉えてゆくために,マインドマップにいつでもアクセスできるのも重要です。

MindMeisterはその両方をGoogle Gearsを用いて可能にしています。マインドマップをオフラインで描きながら,ネットに接続したら一瞬でそれを仲間と共有することが可能なのです。

メール

今のところGMailはGoogle Gearsを使うようにはなっていませんが,あなたのアカウントがIMAPプロトコルに対応したGMail 2なら,お気に入りのメールソフトで同じような利用方法が可能です。IMAPならオフライン時に読んだメールの既読・未読情報,フォルダ整理状況がネットに接続されたときにGMail側とシンクロされるためです。

意識して利用するなら,たとえ電波の届かないジェット気流のただ中でも,洞窟のそこでも,Google Reader,Google Docs,そしてメールを開いて最低限の作業を進めることが可能だというわけです。

(あなたのアカウントがGMail 2になっていない場合は,Google Docs同様,言語を「英語」にすればメニューが英語かされるのと引き替えに新機能を使えるようになります)

オフライン・ワークスタイルの登場

ここまで見てきたように,発表から1年たったGoogle Gearsを用いたオフラインツールがそろい始めるのとともに,それらを意識して使いこなす新しいワークスタイルが登場し始めたといえます。

ここで鍵となるのが,Google Gearsは,次のようなウェブアプリケーションの利点をさらに補強する方向で使ったときに最もメリットが大きいという点です。

  1. ネット環境があればどのマシンで利用しても常に最新の文書,タスク,RSSが得られるシンクロした環境
  2. リアルタイムで他人と情報を共有し,フィードバックを得ることができる

また,Google Gearsを用いたオフライン環境の恩恵を最大に受けるためには,「いつ,どこで」使うかという計画を先に立てておくのが不可欠です。

たとえばこの原稿は15分の通勤バスの中でオフラインのGoogle Docsを用いて複数回にわけて書かれましたが,デスクトップのiMacのとなりのMacBookでブラウザが立ち上げておき,オフィスを出発する前に必要な情報がGoogle Gearsに格納されていることを横目で確かめてから出発するようにしています。

また,必要な周辺情報はGoogle ReaderとEvernoteに蓄えてあるので,途中で「あれ? あのメモがないと書き進められないぞ」という事態を最小限におさえる工夫も必要になりました。どの時点でどの情報にアクセスできることが必要かを先読みしておくことが,オフライン環境を最大限活かすことにつながります

オフライン・ワークスタイルは,これまでのオフラインのアプリケーションの良いところと,ネットの便利さとの交点に存在する,2,3年後には常識となっているような新しい時代を先取りしたもののような気がします。

まだまだいろいろな試行錯誤がされているウェブアプリケーションの最前線ですので,皆さんもぜひ毎日の生活のどの部分にこの新しいスタイルを取り込むことができるかトライしてみてください。

次回は,プラットフォームとして利用され始めたTwitterの可能性についてご紹介したいと思います。

それでは次回まで。

Happy Lifehacking!

著者プロフィール

堀 E. 正岳(ほり E. まさたけ)

ライフハック,GTD,自己啓発などをテーマにしたブログLifehacking.jpの管理者。海外のブログを広く渉猟しているうちに見聞きしたことや考えたことまとめて,ちょっといい話にして紹介するのが何よりの楽しみ。ライフハックとは「自分を変える新しい習慣作り」をポリシーに,日々地味に更新中。

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