イマドキのエンジニアの勉強事情

第4回とちぎRubyの紹介とプレゼント企画

IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」が出版されました。ここを読まれている方の中にも手にとっていただいた方がいらっしゃると思います。お楽しみいただけているでしょうか?つまみぐい勉強法では勉強会に参加することを勧めていますが、本の中では具体的な勉強会の紹介をしていません。

勉強会の雰囲気を知ることができる素材はウェブ上に数多く存在しています。当然、勉強会ごとに参加する人も違えば、興味を持っている対象も異なります。内容や雰囲気も変わってきます。勉強会もボランティアで開催されています。また、本を読んでいるみなさんの興味を持っているものや、経歴も様々です。⁠この勉強会に行けば安心!」と言うことはできないため、具体的な名前は避けるようにして、勉強会の探し方など、⁠長持ちする」情報に絞って載せています。

その一方で、勉強会に参加したことがない人からすると、⁠それでは雰囲気がわからない!」と思われるかもしれませんので、実際の勉強会の様子をお伝えしていきます。

紹介するのはとちぎRubyです。その名の通り、栃木県でRubyについて学んでいる勉強会です。もう少し具体的にお伝えすると、栃木県北部の西那須野にある公民館で、毎月平日に勉強会を行っています。現在扱っているのはdRubyです。dRuby作者の咳さんが参加されていて、咳さんが書かれて、海外に翻訳されることも決定しているdRubyによる分散・Webプログラミングを教科書に学んでいます。

勉強会前の様子

6:30

仕事を前倒しするので、勉強会の当日は早起きです。私が住んでいる宇都宮は西那須野まで少し(50キロ)距離があります。同じ職場の人と参加していますので、同じクルマで相乗りです。今日は僕の車で行くので、その人の車は私の駐車場に停めて、一緒に僕の車に乗って会社に行きます。

7:00-16:30

仕事をします。16:30で仕事を切り上げた後、車で勉強会に行きます。今日はもう一人バス通勤をしている参加者がいます。その人を乗せて、一路西那須野に向かいます。国道4号線はトラックが多いので、平行して走っている細い裏道です。

18:20

途中、スーパーに寄って、お菓子とか飲み物を買ったり、フードコートで腹ごしらえしつつ、会場の公民館に着きました。早く着いた人で、机やいすを並べたり、プロジェクターなどの準備をします写真1⁠。

写真1
写真1

勉強会中の様子

18:30

勉強会が始まりました。進行役の米澤さんのスライドで今日のアジェンダの紹介があり、続いてポジションペーパーが行われます写真2⁠。厳格なポジションペーパーのルールでは1枚の紙で自分の立場などをする、ということになっていますが、とちぎRubyでは、この1ヵ月のできごと、良かったこと、お勧めのCDなど、フリーなスタイルで近況を報告しあいます。

作ったプログラムのデモなどが行われたりもします。学校の勉強のような価値感で考えると、無駄な時間かもしれませんが、地元の話題も含めて幅広い話題が飛び出します。知識の幅が広がる貴重な時間です。

写真2
写真2

19:30

ポジションペーパーが終わりました。人数が多くても少なくても、とちぎRubyではなぜか1時間かかっています。

休憩時間中はお菓子を囲んで、コミュニケーションが行われます。つまみぐい勉強法の最終章でも説明していますが、勉強会を勧める人はたいてい「懇親会が本番」というようなことを言ったりします。ですが、家族を持っている人は自由に参加するのは難しいでしょう。また、ほとんどみんながクルマや自転車で移動をするとちぎRubyでも懇親会はありません。ですが、休憩時間の雑談はそれに劣らない懇親の時間となっています。お菓子は懇談を誘発する大切なスイッチです写真3⁠。

写真3
写真3

19:40

勉強会が始まりました。本を読みながら勉強を行います写真4⁠。一緒に読み進めていき、サンプルコードがあれば打ち込んで動かしてみます。dRubyのおもしろいところは、複数のマシンで連携して動かすことができる点です。そのため、一人で勉強するよりも、このように複数人で勉強するほうが、お互いのマシンで情報を送りあったりして楽しく勉強できます。

ちょっと難しい部分は著者の咳さん自らが解説してくれます写真5⁠。本に書いていないような「Rubyの実装はこうなっている」などの深い議論なども飛び出します。そのため、今勉強中の人にも、ある程度勉強してスキルの高い人にも、それぞれ学びがあります。

著者自らが解説してくれるような勉強会は少数だと思いますが、活発な勉強会では、これと同じように難しいところを丁寧に教えてくれたり、関連の深いハイレベルな情報を教えてもらえることがあります。多少のスキルの差があっても「学ぼう」という意欲があれば楽しめるでしょう。

写真4
写真4
写真5
写真5

ふりかえりの様子

20:45

片付けながら勉強会のふりかえりを行います写真6⁠。ふりかえりについては『つまみぐい勉強法』の中でも紹介していますが、とちぎRubyでもKPTという方法を使って行います。その日の勉強会について、楽しかったので次回もやりたいこと(KEEP⁠⁠、失敗したこと(PROBLEM⁠⁠、次回挑戦したいこと(TRY)の3つの枠を作って、みんなで書き込んでいきます。⁠雪で来られない人がいた」というのがありますが、それはこの写真は2月の勉強会の時のものだからです。

ある程度書き上がったら、みんなでホワイトボードを囲んで読み上げていきます。最後に、次回の日程をみんなで確認して部屋を後にします。勉強会後に次の日程を確認するのは、勉強会を継続させる上で役立ちます。

帰り際に次回の日程の部屋を押さえておきます。

写真6
写真5

勉強会後の様子

21:10

参加者をつのって、近場で夕飯を食べます。今日はラーメン屋でした。お酒はないですが、ここでもラーメンを囲んで懇親します写真7⁠。

写真7
写真7

23:00すぎ

ラーメンを食べたら、一路宇都宮へ。帰りは一人増えて4人で帰りました。途中で同乗者を家のそばまで送り届けます。最後に家に帰り着いたのは、夜の11時すぎでした。

都内の勉強会であれば、会社帰りにちょっと電車に乗って参加するということも可能でしょうし、勉強会後に飲み屋に行くということもできます。最初に説明した通り、勉強会によってスタイルは大きく変わります。ぜひ、参加できるのであれば、探して参加してみてください。一人で黙々と勉強していた時と比べて入ってくる情報量が格段に増えます。勉強会に参加したことで、⁠離陸した」と感じられるぐらい大きな変化を感じる人もいます。とちぎRubyの例で紹介したように、遠い勉強会でも「楽しかった」と感じることができれば、苦もなく通い続けることが可能です。

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