エンジニアをレベルアップさせる「ファシリテーション入門」

第4回 ファシリテーションとは何か?

2008年8月15日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

ファシリテーター=協働促進者

私はプログラムの作成では若い人にかないません。テストもあまり得意ではありません。最近はそういう事は若い人にまかせて,私はメンバーが思う存分力を発揮してもらうために,様々な阻害要因を取り除くことに専念しています。

不安な気持ちを持っているメンバーを安心させたり,メンバーの強みは何かを考え得意分野の仕事をしてもらったり。他にメンバー同士のコミュニケーションがうまくいくように間を取り持ったり,そういう場を作ったりしています。

こうした活動そのものも,ファシリテーションと思います。

ファシリテーションとは単に会議技術だけではありません。人と人が共に働くことを支援する人=協働促進者のことなのです。

※)ファシリテーター
=協働促進者

ファシリテーターをしてみて

ファシリテーターは自分の思う方向に誘導する人ではありません,あくまで公正中立な立場が必要です。しかしファシリテーターをしていると,ふと自分の思っている方向にメンバーを導きたくなる事があります。⁠今でている意見より,絶対に自分の思っている意見が正しい」そうした時に私は,その意見をメンバーに話す事にしています。

実際のビジネスの現場で自分の意見を持たず中立でいる事は難しい。私はそういう時には自分の意見も言いますが。なぜそのような意見をもっているのか?なぜ自分の意見が正しいと思うのかという基準も合わせて充分に説明します。

また,最後に決まった結論が自分の意見と違っていても,チームが出した合意であれば従うことも話します。

その結果,実際に自分の意見にまとまる事もありましたし,異なる意見になった事もあります。しかし最終的にはチームの出した意見に従いました。そういう事を繰り返していれば,メンバーもファシリテーターは意見をもっていても,中立であると信頼してくれるようになります。

ファシリテーションの力

ファシリテーションをしてきて一番の楽しみは,当初自分が想定していた結論を大きく超える結論が,メンバーから導きだされたときです。

自分が最良と思っていた結論を超える結論が,目の前にでてきた一瞬。協働の力と,それを導き出したプロセスに関われたという喜びを感じます。

そしてメンバーはだれもファシリテーターのおかげとは思わずに,自分たちの力でその結論を出したと思う。しかしそれでもいい,ファシリテーターは影の存在,チームワークを引き出す,名脇役なのです。

その人がいるだけで,不思議とチームがまとまる。強力なリーダーシップによってではなく,人と人とをつなげることで。もしかすると,あなたの身近にそんな人がいるかもしれません。その人こそファシリテーターなのです。

著者プロフィール

野口和裕(のぐちかずひろ)

13年間の会社員時代,SEとして企業や官庁で各種システムの設計に従事。製造業,建設業,人事システムの構築を数多くこなす。その後,独立しフリーランサーのSEになる。現在有限会社NTX)を設立し,SEの傍らヒューマンスキルの研修を行う。

著書は『SEのための「どこでもやれる力」のつけ方』(技術評論社刊)。3度の飯はお好み焼きでOKという広島人。

ブログhttp://blog.livedoor.jp/facilitator/

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