モヤモヤ議論にグラフィックファシリテーション!

第11回 自分でも絵を描いてみたいけど絵心がないと思っている人へ(1)

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3.5 分

「何のために描きたいのか」で描き方が変わる

Q4:私は,『マインドマップ』1つ満足に書けないので,絵が描けるゆにさんがうらやましいです

A4:「可視化する」という言葉に踊らされていませんか?

『マインドマップ』とGFとは一体何が違うのか? 質問に答えながら感じた一番の違いは,GFは"みんなと共有した時間と熱"を絵にしているところです。⁠絵を描く」という行為は,すべてを正確に拾うという目的には向いてないません。だから,どうしても,感じて反応したところを脊髄反射で描くしかない。結果,それが盛り上がった議論であったり,混沌とした議論だったりという部分が絵になって残ってきます。

しかし,⁠言葉」で書ける『マインドマップ』は,"すべてを拾える"という良さがあります。いっそ「文字だけで表現してみせる!」と思い切れると,さらに筆が進んで,ぐんぐん広がる『マインドマップ』が描けるかもしれません。

また一方で,GFとの共通点として,⁠マインドマップ』の,その場で描ける「即時性」と,文字と文字をつないでいく「連鎖性」は,GFととても似ていると思いました。つまりGFと同様に,⁠マインドマップ』も"みんなと時間を共有できるツール"と言えるのかなあと。

だとしたら,その素晴らしさを最優先すると,まずはみんなの議論を聞くことが大事な作業になってきます。そうすると,ますます「どんな絵を描こうかな」と悩んでいる暇はなくなってきます。文字の大きさや色をつけることも後回しでいいと思います。まずはすべて「文字」で拾って,後から「文字」に表情を足してみるという順番で,十分ではないでしょうか。

結局は『マインドマップ』を使う目的は何ですか? ということだと思いました。自分のためだけに書きますか? その場に居合わせた人たちと使いますか? その場に居合わせなかった人にもわかるように書きますか? それによって表情の足し方はいかようにも変わってきます。

自分のために書いているなら,自分の感じたままに大好きな言葉だけに色を塗ってみると,後から何か発見があるかもしれません。みんなと共有しているのなら,その場に居合わせた人たちと「文字」を一緒に読み返しながら,みんなの関心が強い文字だけさらに大きくしてみるだけで,その『マインドマップ』への共感度合いもより高まりそうな気がします。

…なんて,実際書いたことも書いてもらったこともない『マインドマップ』について熱く語ってしまい,検討違いだったらすみません。でも,かなりまじめに考えてみました。

「頭の中を描く」続きは次回に

まだまだ,みなさんの"考えを絵にしたい気持ち"はたくさん頂いています。

  • 「議事録は読み返さないけど,これは絵があるから楽しそうで見たくなる」
  • 「記憶にも残りやすい。あの絵だけはよく覚えています」
  • 「画像記憶は強い! 絵はまだ頭に残ってるもん。これってすごい面白い感覚!」
  • 「この絵を見ていると新たなアイデアが湧いてきそうです。周囲からも好評です」

そういってもらえると,私の稚拙な絵でも,ビジネスの世界では役に立てるうれしさを感じます。確かに図や写真ではなく,イラストが人への感覚・記憶に与える影響は違うようです。

  • 「今までぜんぜん意識したことがなかったけど,可視化することによってみんなの発想が活発化する気がする!」

まさに絵を見た方達の頭の中に,新しい視点や気付きが芽生えるのを実感します。ただ,この「可視化する」ということを「理想は絵にできる(イラストや漫画に描ける,もしくはピカソのようなアートにできる)こと」だと思い込んでしまうと,

「可視化できるようになりたい⁠⁠→⁠絵が描けるようになりたい!⁠⁠→⁠絵の訓練をしたい!⁠⁠→⁠でも絵の描き方がわからない」

という呪縛に囚われてしまう恐れがあります。しつこいようですが,手当たり次第に絵を練習してみたり,すべての文字に表情をつけるのは本末転倒。何のために描いているのか? そこに立ち返ると,自然とメリハリのある『マインドマップ』が出来上がってきて,その中から光るキーワードが見えてくる気がしましたが,どうでしょうか?

さて,次回も,みなさんから教えて頂いた「目に見えるようにする」他の手法とGFとの違いを探っていくことで,むやみやたらに絵を練習しなくても,もっと簡単に絵にできる方法や,筆を持たなくても頭の中で思い描ける方法が見つかったらいいな~…と,今はまだ目線は遠くに見つめている状態ですが,がんばって探してみたいと思っています。

ということで,続きは次回に持ち越しとさせてください。今日のところはここまで。次回も楽しみにしていてください。グラフィックファシリテーターのゆにでした(^-^)

著者プロフィール

やまざきゆにこ

様々な議論の現場で,グラフィックファシリテーション(=グラフィックレコード+グラフィックフィードバック+グラフィックダイアログ)を実施する。300人超のシンポジウムから,企業も国籍も違う参加者の集まる研究会,組織を横断したプロジェクト,経営者・リーダークラスのビジョン研修,組織研修,顧客との協働プロジェクトなど多岐に渡る。企業・組織の事業判断・意思決定,プロジェクトや個人の意識・行動変革の一助になればと"絵筆を持って"活動中。

グラフィックファシリテーター(graphicfacilitator)は,やまざきゆにこの商標登録です。

グラフィックファシリテーション.jp:http://www.graphic-facilitation.jp/

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