モヤモヤ議論にグラフィックファシリテーション!

第33回 「こうあるべきだ!」から解放されたときによく描く絵

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だれかとのコミュニケーションに,痛み,苦しみ,悲しみを感じたら

「べきだ枠」という「存在」「知っているか/知らないか」ということは,気持ちよく会話をするうえでも,大きな違いをつくります。

「どうもあの人とはコミュニケーションがうまくとれない」と感じるとき,その理由はいくつもの要素が絡み合っているはずですが,その1つとして,双方が囚われている「べきだ枠」「存在」「知らない」まま,無意識なままに押しつけ/押しつけられているという絵がそこには描けそうです。

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※上記画像はクリックすると拡大して見ることができます。

Aさんから「メールに返信が無い!」と言われた上司は,目をキョトンとさせて「?」とAさんの意図を汲み取れない絵が描けました。

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営業所から「忙しいのにこれ以上仕事を増やさないでほしい」と言われた本社スタッフは「営業所にまた電話すると嫌がられるのよね…」と言いながら,また恐る恐る受話器を握る絵が描けました。

そして,いずれも,⁠コミュニケーションがうまくとれないな」と感じたとしても,そのやりとりの多くは,なんとなく一瞬の出来事として流れて消えてしまいがちです。そしてまたその多くは,同じやりとりを繰り返していそうです。そしてそのたびに,お互い「どうもあの人とはコミュニケーションがうまくとれないなあ」と感じて,再び,なんともいえないどんよりした重たい空気を積み重ねていく。

「べきだ枠」を探してみよう

そんなとき,だれにでも描けてしまう「べきだ枠」というものを,その二人の関係にも「探してみては?」というのがわたしの1つの提案です。Aさんと上司がそれぞれ違った「べきだ枠」を持っているはずだ。本社と営業所もそれぞれ違った「べきだ枠」を持っているはずだ,と思って探してみるのです。

実際わたしは, 会議やプロジェクト,打ち合せなどで, 議論が噛み合ない,堂々巡りをしている,どうもコミュニケーションがうまくいかないといった状態のときに

「どんなべきだ枠にわたしたちは囚われているんだろう」

と思って,描くよりも先に「べきだ枠」を探してみるようになったのですが,そうやって一度双方を公平に見比べてみると,これが結構使えるのです。

すでに「自分は何か思い込みをして会話をしているかもしれない」と感じている人などは,とっても敏感な人だと思います。⁠枠」「存在」をすでに感じているといえるからです。そこでさらに具体的にどんな「こうあるべきだ」に囚われているかを「自覚」できたら,コミュニケーションをするうえではさらに強いなあと思います。

「こうあるべきだ」から解放されると,「こうありたい」を描ける自由が待っている

目には見えないけれど,囚われているかもしれない「べきだ枠」です。たとえ相手や自分がどんな「こうあるべきだ」を持っているか具体的にはわからなくても,その「枠」を手探りで探す行為そのものが,お互いの距離をぐっと近づけるはずです。そして「こうあるべきだ」から解放される時間もぐっと早まると思うのです。

「こうあるべきだ」から解放されると何がいいのか。

思い出してほしいのは,先ほどの「こうあるべきだ」から解放された絵です。 ⁠○○であるべきだ」⁠○○であらねばならない」といったこれまでの会話とはまったく違った,「わたしは自由だ」⁠新しいことに挑戦する」⁠○○をやりたい」⁠○○でありたい」といった会話が聴こえてきました。

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※上記画像はクリックすると拡大して見ることができます。

「べきだ枠」の絵は必ず両者に描けます。でもここで大事なのはどちらの「べきだ枠」がいい/悪いということではありません。そんな二者択一の次元とはまったく違うところで,上の絵のように未来に向かって飛び出したとき,お互いが同じ方向を向いて走り出せるのだと思います。

どちらの「べきだ枠」を選択するかではなく,まったく別次元の世界へ,ありたい姿を自由に描ける世界に飛び出してみませんか?

「どうもあの人とはコミュニケーションがうまくとれない」と感じるとき,知らず知らずのうちに「べきだ枠」を押しつけ合って,どちらが正しい,どちらかを選べという会話に陥っているかもしれません。でも,「べきだ枠」はその「存在」「気づき」さえすれば,抜け出せます。そしてまったく違う次元に飛び出せるきっかけをくれるのも「べきだ枠」です。だからこそ,あえて「べきだ枠」と向き合ってみる,探してみるのはどうでしょうというのがわたしの提案です。

「こうあるべきだ」から解放されて,「こうありたい」を語りあってみませんか?

次回もまた「よく描く絵」から世の中に共通する何かを探ってみますのでお楽しみに! ということで,今回はここまで。

グラフィックファシリテーターのゆにでした(^-^)/

著者プロフィール

やまざきゆにこ

様々な議論の現場で,グラフィックファシリテーション(=グラフィックレコード+グラフィックフィードバック+グラフィックダイアログ)を実施する。300人超のシンポジウムから,企業も国籍も違う参加者の集まる研究会,組織を横断したプロジェクト,経営者・リーダークラスのビジョン研修,組織研修,顧客との協働プロジェクトなど多岐に渡る。企業・組織の事業判断・意思決定,プロジェクトや個人の意識・行動変革の一助になればと"絵筆を持って"活動中。

グラフィックファシリテーター(graphicfacilitator)は,やまざきゆにこの商標登録です。

グラフィックファシリテーション.jp:http://www.graphic-facilitation.jp/

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