トップの"本気度"と現場の思いをつなげる役割
S氏:
「そうですね。ですから, 仲間が必要です。この図 (図3) をご覧ください。特に経営トップとミドルマネジメンの橋渡しをする"参謀役"と, "コアメンバー"が必要です。それぞれの条件は書いてあるとおりです」
佐藤さん:
「僕はこの図だとコアメンバーになるのかなぁ」 W女史:
「そうですね。コアメンバーと参謀役の機能をまとめて"事務局"なの。佐藤さんはコアメンバーの中のコアメンバーよ」 S氏:
「トップの"本気度"をきちんと共有しておくことがポイントよ」 佐藤さん:
「中田社長の"本気度"ですかぁ。本気か本気ではないかって, 見分けられないですよね」 S氏:
「そう難しく考える必要はありません。本気の人は逃げません。本気の人は裏切りません。困っている人を見殺しにすることなく, "一緒に困る" "一緒に困って問題の解決を考える"という特性を身に着けています」
改善は仕事だ!
佐藤さん:
「それと, 実際に改善活動を行うに当たって, 仕事とは違うことに時間を割くこととなるので, 活動の位置付けを明確にしないといけないですね」 S氏:
「いいところに気づきましたね! こちら (図4) を見ていただけますか?」
佐藤さん:
「改善と仕事を切り離していないんですね」 S氏:
「改善活動を行うときに, とかく現場からは, "時間がない"とか, "改善って仕事ですか? " "仕事と言うのなら残業代は出してくれないと困る" "ちゃんと評価されるんですか? ", という声が出てきます。さらに, 改善が始まったとして, "業務改善をやっていたので仕事が遅れています"など」 佐藤さん:
「わー, なんかイメージ沸きます。仕事のムダをなくすため, 効率的に行うために改善を行うのに, 仕事が遅れますなんて本末転倒ですね!」 W女史:
「そうなの! 改善に着手する前にはしっかりと活動の位置付けを明確にしておくことと, 改善がスタートしてからは改善を行いやすいような環境を事務局は構築しないといけないの」 佐藤さん:
「ですね…。しかし, この図にある"改善が仕事"という考え方と, "会社の期待"と"自分の思い"の両方が表現されているのはわかりやすいですね」 W女史:
「そのとおりです。ですから, 中田社長からもうすぐ発表するという"GHテクノロジーズの経営施策" (第4回参照) は, まさしく"会社の期待"を言葉で示す重要なものなんですよ。多くの社員が社長のメッセージを待っていると思いますよ(^_^)」 S氏:
「もう1つ, トヨタ生産方式って聞いたことはありますか?」 佐藤さん:
「はい, 言葉くらいなら……」 S氏:
「この図 (図5) を見てもらえますか?」
佐藤さん:
「これも先ほど (図4) と同じで, 仕事の中に改善が含まれていますね」 S氏:
「そうです。一般には右上の青い枠の中のように思われているトヨタのカイゼンですが, 正確にはこれは誤りです。"仕事は作業と改善である"ということがトヨタ生産方式における改善の考え方です」 W女史:
「改善もちょっとした小手先のものではなく, イノベーション (企業革新) を起こすためのもの, 勝つための改善って言っているの。これが何十年も前, 私が生まれる前に先人たちが作り上げ実践していたなんて素敵だわ!」
佐藤さんは,
トップの腹くくり
今回の最後に,
いわゆる経営改革の施策の1つとして,
本記事では,
トップの参画が形式的なものでは無意味なので,
その際に,
(1) 決意を示す・ 見せる
経営トップの腹のくくり具合を内外に示すことが必要です。
経営計画や社外に対する情報開示
社外への情報発信は,
(2) 改革の位置付けと体制
重点的な経営施策として,
「業務改善」
ある程度の専任で推進できるメンバーをアサインし,
(3) リソースの確保
必要なリソースは予算として確保します。
最低限,
今回は少し長い話となりましたが,
また,